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母になった後悔をないものとしたとき、代償を支払うのは誰?『母親になって後悔している』【レビュー】
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母になった後悔をないものとしたとき、その代償を支払うのは誰か?
本書は、ないことにされてきた母になって後悔している女性の証言にスポットを当てた一冊。なぜ母になって後悔している人の話を明るみに出すべきなのだろうか?
<感情を、権力のシステムに対抗する手段だと捉えるなら、後悔は一種の警鐘である。母親がもっと楽に母でいられる必要があると社会に警告を発するだけでなく、生殖をめぐる駆け引きと、母になるという義務そのものを再考するように促しているのである>(P.16)
母親になった後悔は、社会による「感情の規制」に対する抵抗でもある。母親になった後悔をなかったことにし続けた結果が、今だ。今、女性は、なんの圧力も感じず、偏った情報も与えられずに、自由意志で母になるか否かを決定できているだろうか?女性の喜びや母性という名の下に、過重労働をしいられ、苦しいと感じる感情さえも規制されていないだろうか?
母になった後悔をないものとしたとき、その代償を支払うのは、産む女性であり、産まない女性なのだ。
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