医師に学ぶ【40代からのセルフプレジャーアイテム】自分を愛し、こころをときほぐすヒント
「セルフプレジャー」はマスターベーション、オナニー、自慰のことです。自分を喜ばせるという意味の通り、近年では睡眠の質や美容の効果を期待できるとして注目されています。しかし、40歳代以上の女性は性にオープンな世代ではなく、セルフプレジャーに抵抗のある人も少なくありません。まずはセルフプレジャーを知るところからスタートしてみましょう。
セルフプレジャーはしたほうがいいの?
セルフプレジャーには、ストレスや緊張を和らげる効果や女性ホルモンの分泌を促す効果が期待できます。それには幸せを呼ぶホルモンと言われるオキシトシン、睡眠を支えるセロトニンの分泌につながり、結果良質な睡眠を得ることができます。セルフプレジャーでイク状態(オルガズム)を感じると脳内で鎮痛・鎮痛作用のあるエンドルフィンの分泌がうながされ、よりリラックスできる効果も。
全国でも珍しい性交痛外来がある富永ペインクリニック。院長で麻酔科医の富永喜代医師のもとには、性交痛やセックスの悩みをもつ女性が多く来院されるといいます。
「患者さんには、セルフプレジャーを積極的にしなさいとアドバイスしています。久々にセックスを行おうとしたが、腟が乾燥したり縮んだりして挿入ができない・痛くてショックを受けている患者さんの悩みもよく聞きます。長期間触れたり挿入したりしていない腟は劣化するのが当然で、久々のセックスの時だけ濡れてすんなり挿入に至るなんて都合の良い話はないのです。
自分の性器を見ることや触ることは恥ずかしい、はしたないという意識を持つ中高年齢の女性は多くいます。しかし、性器は妊娠や出産、セックスで使う体の重要パーツと考えていても自分で見たことも触ったこともないのなら、その健康を自分自身で守れますか?だから、劣化を防ぎ、性器としての機能を維持するためにもセルフプレジャーは大切です」
富永先生は「セルフプレジャーは自己投資」だと言います。セルフプレジャーを行っている女性の割合はおよそ6割(2019年、TENGA社調べ)。エステやメイクのように他人のためではなく、自分のためにしてあげることで心と体が満たされていくのだとか。
「セルフプレジャーやデリケートケアの本質は『自分は自分のためにちゃんとやっている』ことだと思います。誰かに自慢するわけではないけれど、きちんと自分のお手入れをしている人というのは、それが自信となって自分に返ってきます。でも『きれいね、何かしてる?』と聞かれると『何もしていないわ』と答えるのが女性(笑)。セルフプレジャーをしていると女性ホルモンが分泌され性機能を維持できて、さらに女性としての自信も出るとしたら、やっていない人との差がどんどん広がっていきますよね。
また、セルフプレジャーをしていると自分の気持ちの良いところがわかります。パートナーに伝えることで、より満足のいくセックスにつながります。まずは自分のからだを知るためにもセルフプレジャーを行ってみましょう」
ファーストアイテムにも!おすすめのセルフプレジャーアイテム
来院する患者にセルフプレジャーの大切さをアドバイスしている富永医師。アイテムの使いやすさについての研究も日々行い「やはり安かろう悪かろうではなく、感触や機能などの品質にこだわってほしい」と、初心者にも使いやすいおすすめのアイテムを3点紹介いただきました。
初めての人にも使いやすい「RINGOTORI」
「アイテムの見た目は女性にとってはとても重要なポイント。こっそり購入して引き出しに隠したとしても『誰かに見られたらどうしよう』『あの引き出しにアイテムが入ってる』と意識するだけでストレスを感じてしまいます。その意味で、このRINGOTORIは見た目も置き物のようでかわいく、持った感じも羽二重餅のようでおすすめです」
ぷにぷに触感の「iroha RIN+」
「ポイントはぷにぷにした触感です。初めてセルフプレジャーでアイテムを使う人には、柔らかい質感がおすすめです。あと、手に持ったときに馴染む大きさというのも大切です。挿入を楽しんだりしてくださいね」
挿入できない悩みには「iroha FIT」
「当院の性交痛外来には挿入できない悩みで来られる方もいます。そんな方が、自分の感覚を取り戻すためには縮んだ性器をほぐし広げることが大切です。このアイテムは、まず先のほうを少しずつ刺激して、挿入することから始められます」
自分のためにセルフプレジャーを取り入れてみよう
これまでセルフプレジャーというと、口に出して言うことがはばかられるそんな風潮がありました。セクシャルウェルネスの一部として、自分のことを深く知り心と体のモチベーションを高めていくためにも、すぐにできる自己投資を始めてみませんか。
お話を伺ったのは…富永喜代先生
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会指導医。1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人超の臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。のべ23万5000人の痛みを治療し、性交痛外来では5000人のセックスの悩みをオンライン診断する。著書に『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA、2022年)など。
参考文献:
月刊TENGA 45号
Iroha CONTENTS.みんなのセルフプレジャー研究所 vol.1 〜初体験の年齢は?頻度は?〜(2020年1月10日)
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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