【基本ポーズの練習法】股関節・胸&肩が柔らかくなる「パールシュヴァコーナーサナ」徹底攻略ワーク

強い下半身から生まれる両体側の伸びを感じて

パールシュヴァコーナーサナは、初心者クラスでも頻繁に登場するポーズです。しかしシークエンスの流れの中で行うことが多く、じっくり向き合う機会がなかった人が多いのでは。まずは正式名称である「ウッティターパールシュヴァコーナーサナ」からこのポーズを紐解くと、「ウッティターは『力強く伸ばす』、パールシュヴァは『側面』、コナは『角』という意味。つまり両体側を強く伸ばすことが目指すべきポイントなので、そこを理解したうえで必要な練習に取り組みましょう」とHANAE先生。
ミスアライメントで多いのは、上 側の腕を頭上に伸ばすと前脚に体重がのってしまい、後ろ足が床から浮いてしまうパターン。また体が硬い人は胸を開きたい、手を床につきたいと思うあまり下半身への意識が疎かに。いずれの場合も足の踏み込みが甘くなるため、胸は内側に向いて下の体側がつぶれてしまいます。
「正しいアライメントの鍵は上半身を支えられる強い下半身です。そのためには両足で踏み込むための足の使い方や、股関節の柔軟性を高めるワークが効果的。また胸まわりをほぐし楽に胸が開くようになると、体側の伸びが深まりますよ」

まずはこれで練習してみよう!

手を膝において
床に手をつこうとして上体が内側に傾くときは肘を膝へ。支えが安定すると上体を楽に保持できる。ただし肘に体重をのせすぎず、後ろ足で床をしっかり踏んで。

ブロックを使って
ブロックを前足の小指側に置き、その上に手をついてもOK。このときもブロックによりかからず、後ろ足の小指を床に根づかせ、両脚均等に体を支える。

パールシュヴァコーナーサナのポイントはここ!

脚〜体〜腕が一直線に

上体が反ったり前かがみになったりせず、伸ばした脚から腕までが一直線になるのが理想型。

NG
よく見られるのは下の写真のように脚、体、腕がバラバラに伸びている状態。脚〜体〜腕は一直線を目指そう。

腕は内旋させる

胸を開こうとすると腕が外旋し、耳と二の腕が離れがち。肩の付け根から腕を内側に回す。

膝は真横に向ける

膝は足首の上が定位置。軽減法で脚幅を狭くするときも「足首の上に膝」は変えずに行って。

NG
膝が内側に入るとお尻が外に開いてしまい下半身が不安定に。

膝が外側に開くと小指側に体重が偏り、拇指球が使えない。

支えは後ろ脚!

体を支えるのに必要なのが強い脚力。前後の足裏で床を踏み、特に後ろ足の踏み込みを意識して。

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小指が浮くのはNG。小指とかかとの外側で床を押すと下半身が安定。

下半身の強さを養うワーク

「体側を強く伸ばす」というこのポーズの目的をクリアするには、下半身の強さが不可欠。両脚の脚力を鍛え、上の腕を頭上に伸ばしたとき、床から浮きやすい後ろ足の踏み込む力も強化しましょう。

1. 足の壁押しワーク

後ろ足の小指とかかとの外側で壁を押す
壁を使って、後ろ足の小指とかかとの外側で床を押す力をつけるワーク。後ろ足の小指側で床を踏めるようになって土踏まずのアーチが生まれると、足裏全体の筋肉が使えるようになり下半身が安定します。

①右膝は90度に曲げ、伸ばした左脚は小指とかかとの外側を壁につける。両手は前後に伸ばし、左の手のひらは壁につく。

②左足の小指とかかとの外側で壁を押しながら、上体を右に倒す。右手は右足の外側につき、左手は頭の先に。反対も。

これでもOK
手が床につかなければ右肘を右脚にのせる。壁を押す足の力はゆるめない。

2. パールシュヴァコーナーサナのサイドベントフロー

体重を移動させてもグラつかない脚力を強化
体重を左右に移動させながら両足で踏ん張り、脚力を強化するワーク。伸ばした脚と上体で引っ張り合う意識を持つとしっかり踏み込め、上体を倒したときにバランスを維持できます。

①両脚を開いて踏み込みやすい脚幅に調整し、つま先と膝は斜め外側に。手は腰にあてひと息吸う。

②左膝を90度に曲げ、両足で踏み込みなが吐ら吐く息で上体を左に倒す。このとき、両胸は正面を向けたまま行うこと。左肘は左脚におき右手は頭の先に。

③戻るときもしっかり踏み込みながら吸う息で上体を起こし、両手は肩の延長線上に伸ばす。

④右膝を90度に曲げ、両足で踏み込みながら、②の要領で吐く息で上体を右に倒す。右肘は右脚におき左手は頭の先に。③に戻って左右5回ずつ。

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踏み込む力が弱いと、上体が内側に倒れてポーズが崩れてしまう。

教えてくれたのは...HANAE先生
ヨガインストラクター。幼少期よりクラシックバレエを習い2006年にヨガと出会う。その後アシュタンガヨガを始め、クランティ氏のマイソールクラスのアシスタントを務める。現在はティーチャートレーニングの講師も担当する。