【ハイヒールでふらつくなら試して】考え方を変えるだけ!ヒールが高くてもバランスを安定させる思考術


何も考えずに習慣的な動作に任せていると、無意識に力んで緊張となり、それが不調に繋がることがあります。このコラムは、自分の緊張に気づいてそれを解放し、より効率的に体を動かすことを探究しているアレクサンダーテクニークの実践者が、体に関する悩みと習慣の根底にある思考について、解剖学的な視点を交えて考察するシリーズです。40回目のテーマは「ハイヒールでふらつく」。※本記事では太ももからつま先までを「脚」、足首からつま先までを「足」と表記しています。
脚を棒人間のようなL字と捉えている
ハイヒールはその日の服装と合わせて全身のコーディネートを引き締めるアクセントとして、重要なファッションアイテムです。外反母趾や腰痛といった不調の原因となり得ることから避けることもありますが、その反面でヒールが高い靴を履きこなすことは多くの人にとって憧れでしょう。
スニーカーやフラットシューズと比べて、ハイヒールを履いているとふらつきやすいのは体勢的に当たり前です。しかしながら、脚に対する考え方が全身を緊張させ、必要以上にバランスがとりにくい状態に追い込んでいることもあります。例えば線で描かれる棒人間のイラストなどでよく見かけますが、横から見た脚を「L字」と捉えていると、それが足でバランスをとる邪魔をしているかもしれません。
脚の前面ばかりで頑張ってしまう
平坦な地面からかかとが少しでも上がれば、重心が傾いてどうしても足首から上は前へ倒れることになり、それを防ごうとするものです。支えるためにとっさに使われるのは、つま先や足の甲といった目に入る部分でしょう。そうすると自然と太ももの前側や腹筋にも余計な力が入ります。
太ももの前側や腹筋が必要以上に使われて固まると、股関節の可動域も制限されて動きにくくなります。膝と足首も股関節に連動しているので、同じように可動域が制限され、脚全体の自由度がなくなってしまうのです。
脚を棒人間のようなL字と捉えていれば、土台となる足においては、足首より先のつま先や甲の部分にしか重心の置き場がなくなります。このようにして、太ももからつま先までの脚の前面の筋肉ばかりを緊張させるため、なおさらバランスがとりにくい体勢になるのだと考えられます。
ヒールの高さに関係なくバランスをとるための方法
脚の前面の筋肉だけに頼らずにバランスをとるには、次のことを実践してみましょう。
1. 足の構造を確認する
まず足首から下の構造を確認することによって、知識を実感値として認識します。
すねの骨(脛骨と腓骨)の先端であるくるぶしに挟まれて距骨という骨があり、距骨の下には踵骨という骨があります。注目すべきは踵骨の形。足首の後ろの方へ張り出しています。つまり、かかとは足首よりも後ろにあるということです。
一方でつま先では、5本の指が足首から扇のように広がっています。

2.「足は三脚のような形で体を支えている」と思う
1を踏まえて、三脚のように支えているとイメージします。

L字の代わりに三脚と捉えることで、バランスのとり方が変わることでしょう。特に足首の後ろにも支えがあると知ると、それだけで安定感が出るものなので、ぜひお試しくださいね。
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