【反り腰を改善したい!人必見】考え方で変わる!頑張らずに自然な姿勢を維持するための簡単な思考法
体の不調の要因のひとつとして、特定の部分を必要以上に緊張させて固め、動作を制限させていることがあります。そんな緊張とうまくつき合い、効率的な体の使い方を探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、体に関するお悩みとその根底にある思い込みについて、解剖学的な視点を交えて考察し、思考から動作を変える方法を提案します。39回目のテーマは「反り腰」です。
反り腰になるきっかけは“良い姿勢”!?
姿勢にまつわる悩みとして、よく話題に挙がる反り腰。出尻やポッコリお腹などのようなスタイルが悪く見えてしまう原因と言われています。また腰だけに負担がかかることから、腰痛にも繋がります。反り腰の人は背中や腰の筋肉が固まっていることが多いので、これらの筋肉をほぐすエクササイズは反り腰対策としてとても有効です。
では、そもそもなぜ背中や腰の筋肉が固まってしまうのでしょう?
それは良い姿勢を意識して「背すじを伸ばそう」「背中をまっすぐにしよう」と無意識に頑張ってしまうことが、体に余計なことをさせて筋肉を固まらせているせいかもしれません。
脊椎の自由な動きを妨げて腰だけで支えようとする
良い姿勢を心掛けて背すじを伸ばそうとすると、まっすぐな背中という完成形に囚われて、その形を再現しようと筋肉が頑張ってしまいます。具体的に体で起こることでよく見かける例は、胸を張って肩甲骨を背中の中央へ寄せるという動作です。
一方で、私たちの頭は5〜6kgもあり、それを支える脊椎は椎骨という小さな骨と骨盤の連なりで構成され、その連なりがS字にカーブすることでうまくバランスを保てる構造をしています。しかもこのカーブは呼吸や目線を変える程度の動作でも微細に動き、その都度、バランスを調整しているのです。
それに対して胸を張って肩甲骨を寄せると、自由に動けていた脊椎の一部(胸椎)の動きが肩甲骨に合わせて制限されてしまいます。そうして腰を必要以上に反らすことでバランスをとろうとるのです。また良い姿勢は維持するものと思い込んでいる場合、その状態で動かさないように余計に固め、さらに腰に負担をかけるという負のループに陥ってしまいます。
腰に負担をかけずに自然な姿勢でいられる方法
良い姿勢でいることを意識するより、脊椎は自由に動けるものであることを思い出せる方が体にとっては有効です。次のことを実践してみましょう。
1. 頭の位置を思い出す
自分の頭は目で直接見ることができないので、どうしても意識から外れがちです。そこで頭がどこにあるかを意識してみましょう。目安として、耳たぶより上が頭です。
2.「脊椎は頭頂部に向かって伸びていく」と思う
次に脊椎は「伸ばす」のではなく、「伸びていく」ものだと思ってみます。伸びていく先は頭頂部の方向です。
3.「脚は大地に向かって伸びていく」と思う
脚も「伸びていく」と思うことで、腰から下も自由に動ける可能性を体に思い出させます。
このように思考すると、無意識に入っていた力みが抜けて、全身でその状況に対応した姿勢をとるように体が勝手に準備してくれます。反り腰が気になったり、良い姿勢をすることに疲れたりしたら、ぜひお試しくださいね。
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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