【股関節に詰まりを感じたら試してみて】股関節が動かしやすくなる「胴体と脚の新しい考え方」

 【股関節に詰まりを感じたら試してみて】股関節が動かしやすくなる「胴体と脚の新しい考え方」
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ケガをしたわけでもないのに、体のどこかが動かしにくい、痛いと感じることってありますよね。それは習慣に任せて惰性で体を動かしていることによって、気づかないうちに緊張しているせいかもしれません。そこで、無意識に入ってしまう緊張が体に及ぼす影響についてを日々探究しているアレクサンダーテクニークの実践者が、習慣の裏に潜む先入観と動作の関係を解剖学を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。37回目のテーマは「股関節が詰まりを感じる」です。

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股関節が詰まる要因は胴体と脚に対する考え方

股関節に何かが挟まっているような感じがするなど、股関節が詰まって脚が動かしにくいという人は多いようです。股関節は体の中で最も大きな関節で、胴体と脚をつないで非情によく動かすところですから、デスクワークでちょっと座りっぱなしになっただけでも動かしにくくなったと感じることでしょう。

運動不足によって筋肉が固まり、股関節の可動域が制限されてしまうのは事実なので、股関節周辺の筋肉をストレッチすることは重要です。ただそれに加えて、胴体と脚の位置関係をどのように捉えているのかという思考が可動性の妨げに輪をかけていることがあります。

脚は胴体の下にあるものだと決めつけてはいませんか?

脚を持ち上げようとして股関節周辺の筋肉が力む

頭を巡らして、自分の体を見下ろしてみてください。確かに胸の下にお腹があり、お腹の下に骨盤があり、さらにその下に太ももがあります。だから脚を動かそうとすると、下にあるものを上へ持ち上げる動作をすることになります。しかも、脚とは太ももからつま先までを含めると体の半分近くを占めるため、非情に大きなものを持ち上げなければなりません。

この「大きなものを持ち上げる」という先入観は体を緊張させ、必要以上の力みを生みます。つまり、本来であればもっと少ない力で脚を動かせるはずなのに、脚は大きなものだから頑張らなければと股関節周辺の筋肉を力ませてしまい、逆に股関節の可動性を妨げているのです。

股関節周辺の筋肉を無駄に力ませない方法

胴体と脚の位置関係について新しい考え方を取り入れて、股関節の可動性を取り戻しましょう。

1. 股関節の構造の確認
まずは股関節の構造を見直します。
股関節は骨盤側にある受け皿のようにくぼんだ部分(寛骨臼)に、太ももの骨(大腿骨)の先にあるボールのような部分(大腿骨頭)がはめ込むような形で関節を成しています。
なお、寛骨臼は下に向かってというより、横に向かって開いています。

股関節の構造
イラストAC

2.「脚は胴体の横に位置している」と思う
1を踏まえて、「脚は胴体(骨盤)の横に位置している」と思ってみましょう。
胴体は2本の脚に挟まれ、股関節を中心にして回るように動くとイメージします。

「脚は胴体の横に位置している」と思う
illustration by Mia Hotaka

このように考えると、股関節周辺や太ももの筋肉の力が抜けて、脚が動かしやすくなります。頭に思い浮かべるだけというお手軽な方法なので、股関節が詰まると思ったらぜひお試しください。

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ホタカミア

ホタカミア

ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。



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「脚は胴体の横に位置している」と思う