【15歳時点での学業へのプレッシャーが若者のうつ発症リスクに関連?】調査結果から見えたこと

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2026-03-05

10代が経験する学業上の強いプレッシャーが、精神的健康に長く影響する可能性が示された。

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ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)による新たな研究によると、15歳時に強い学業上のストレスを受けていた若者は、成人初期までうつのリスクが高い傾向が明らかになった。さらに、そのストレスは自傷リスクの上昇とも関連しており、影響は24歳まで続いていた。

15歳時の学業上のプレッシャーが24歳まで影響

この研究では、1991年または1992年生まれの4714人を対象に追跡調査を行った。学業上のプレッシャーに関する調査は、英国の全国試験であるGCSEの時期に近い15歳時に、学校生活に関する質問票を用いて行われた。質問票では、学校の課題への不安の度合いや、成績への強いプレッシャーを家庭から感じているかどうか、GCSEで一定の成績を取ることをどれほど重要だと考えているかについて尋ねた。その後、精神的健康状態は16歳から22歳まで継続的に追跡し、自傷の有無は24歳まで確認が行われた。結果、15歳時に感じていた学業上のプレッシャーは、16歳時の抑うつ症状の高さと強く関連しており、その傾向はその後も数年にわたって続いていた15歳で強いプレッシャーを感じていた参加者は、22歳までの各調査時点でより多くの抑うつ症状を報告していた。また、15歳時のプレッシャーの度合いが1段階高くなるごとに、思春期半ばから20代前半にかけて自傷の可能性が8%高まっていたこの傾向は24歳時点でも確認された。さらに、追加分析では、11歳と14歳の時点で感じていたプレッシャーも抑うつ症状と関連していることが示された

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学校全体での対策の必要性

研究チームは、10代の学業上のプレッシャーを和らげることが精神的健康の改善につながる可能性があるとして、学校や教育政策の立案者に対策の検討を求めている。具体策として、テストや評価の回数を減らすことや、社会性の育成、及び感情を扱う力を伸ばす取り組みを挙げている。また、学校全体を対象とした取り組みの開発も目指している。学校の環境や文化、価値観を見直し、プレッシャーを軽減することで、精神的健康の向上につなげたい考えだ。研究の筆頭著者であるUCLの精神医学教授ジェマ・ルイス氏は、現在の支援は個々の生徒の対処能力を高めることに重点が置かれがちだと指摘する。そのうえで、学校文化そのものに働きかけることで、プレッシャーを学校全体の問題として見直す必要があると述べた。

研究の限界と今後の課題

著者らは、現在の学業上のプレッシャーと精神的健康との関連を理解するには、より新しいデータが必要だと指摘している。今回の参加者が15歳だったのは2006~2007年で、その後の政策変更や新型コロナウイルスの流行による影響は反映されていないためだ。また、本研究は観察研究であり、プレッシャーと精神的健康との因果関係を直接示すものではないと注意を促している。

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従来の調査とも一致

英国の精神保健慈善団体「Mind」のトル・ファシナ=アイイララ氏は、今回のUCLの研究は、学業上のプレッシャーが若者の精神的健康に深刻な悪影響を及ぼし得ることを示しているとし、これは、Mindがこれまでに行った調査結果とも一致するという。その調査では、若者の約5人に4人(78%)が「学校によって自身の精神的健康が悪化した」と回答していた。これらの調査結果は、若者の精神的不調が増加している現状を深刻に受け止め、その背景にある社会的・感情的・経済的なプレッシャーに向き合う必要性を示している。こうしたプレッシャーに焦点を当てることが、精神的健康に苦しむ若者を減らし、すべての若者が適切な支援のもとで成長できる環境づくりにつながると訴えている。

出典

https://www.ucl.ac.uk/news/2026/feb/academic-pressure-linked-increased-risk-depression-teens

https://www.independent.co.uk/news/health/depression-school-pressure-mental-health-b2919226.html

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