「もうだめだ」と思ったときの救済策。仏教の思考法に学ぶ、絶望からしか生まれないチャンスとは?

「もうだめだ」と思ったときの救済策。仏教の思考法に学ぶ、絶望からしか生まれないチャンスとは?
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今ある悩みを手放すには?苦しみと向き合ってきた禅僧である著者が、仏教の思考法に基づき、自分の心との向き合い方、負の感情の手放し方をお伝えしていきます。『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ?』(アスコム)より内容を一部抜粋して紹介します。

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「この世の終わり」は新しい世界への第一歩

「大好きだった人と別れた」
「大切な人が亡くなった」
「第一志望の採用試験に落ちた」
「信頼していた人に裏切られた」

そういう瞬間が訪れると、私たちは絶望します。

しかし、「絶望」は突然やってくるわけではありません。いくつかのステップを踏むといいますか、絶望に到達するまでには「悲しみ」や「落胆」など、必ず別のネガティブな感情が生じています。
まずこれらがあって、その程度が甚だしくなったときに、絶望へと移行していくわけです。

絶望するような状況に陥ったら、大きなショックを受けるでしょう。
「この世の終わり」
「もう生きていられない」
場合によっては、そんなふうにとらえる人もいらっしゃるかもしれません。

打ちひしがれ、無気力になり、笑顔が消え、他人と接点を持つことを拒絶し、最悪の場合は自ら命を絶ってしまったり……。
絶望という感情が、このような悲劇をまねくケースは多々あります。
いずれにせよ、心身ともに一時的に相当なダメージを受けるので、仕事や勉強など、日常生活におけるすべてのパフォーマンスが低下したり、判断力が鈍ったりすることは間違いないでしょう。なにせ〝望〟みを〝絶〟たれてしまったのですから。

では、絶望にいっさいの救いがないかというと、そんなことはありません。

逆に、ポジティブにとらえることもできます。
絶望したということは、すなわち「限界を迎えた」「今よりもさらに落ちることはない」状況にあるということです

であれば、「絶望したのはつらいけれど、望んでいたものはもともと自分には手の届かないものだった」と別の視点でとらえなおしてみたり、「自分にとってそもそも必要のないものだった」と考えることはできないでしょうか。

「ひとつの方向性に対して望みが絶たれた」ということは、「違う方向性に対して可能性が開けた」ということでもあります

もしかしたら絶望を感じた瞬間は、自分にとって本当に大事なものを見極めていくチャンスかもしれないのです。

絶望
photo/Adobe Stock

絶望から立ち直るということは、それまで抱いていた自分の願望を手放すことができたということ、「諦め」を受け入れられたということです。

これは決して、悪いことではありません。

仏教では、煩悩的なことは全部諦めたほうがいいと説かれています。

食欲、性欲、権力欲、金銭欲。そういった欲望を手放していく、つまりは諦めていくことができてはじめて「覚り」に近づけるのです。
「諦め」には「ギブアップ」という意味がありますが、仏教では「明らかにする」という意味でも使われます

自分にとって本当に必要なものであるか否かを明らかにしていく。

設定した目標の実現性や、自分の心技体の適性を見極めていく。この行為が「諦め」とイコールで結ばれるんですよね。

本当に必要なものだったら、どんなことがあっても諦められません。諦めることができたということは、それが本当に必要なものではなかったということ

自分に適した別のなにかがある。
絶望のあとには希望しかない。
これに気づくことができたのだ、と考えるようにしましょう。

「絶望したときこそ落ち着かなきゃダメだ。自分を見つめ直し、最善の道を見つけていく。それしかない。焦って、迷って、おたおたして、自分を見失うのは愚か者のすること。死ぬと決まったのにこれ以上暗くなる必要はあるか? どうせ死ぬんだから、それまで精一杯明るくやっていこうじゃないか」

ブッダの教えを〝超訳〟するとこうなります。
絶望からしか生まれない希望もある

このことを、ぜひとも忘れないようにしていただきたいと思います。

書影

『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ?』(アスコム)

この本の著者…大愚 元勝(たいぐ・げんしょう)

佛心宗大叢山福厳寺住職。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶、事業家、セラピスト、空手家と4つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。過食、拒食、リストカットを繰り返す少女の母親からの相談をきっかけに始めた、YouTubeのお悩み相談チャンネル「大愚和尚の一問一答」は、登録者75万人を超える。令和元年には、仏教の本質に立ち返り、「慈悲、智慧、佛性を育む」ことを宗旨とする佛心宗を興し、新たなスタートを切る。主な著書に『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『仕事も人間関係もうまくいく 離れる力』(三笠書房)、『お金と宗教の歴史』(東洋経済新報社)などがある。

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