「一度失敗すると立ち直れない」理由とは?心理士が教える、立ち直り力の鍛え方
「小さなミスが頭から離れない」「周囲は気にしていないのに、自分だけ落ち込み続けてしまう」。日常生活の中で、こうした悩みを抱える方は少なくありません。本記事では、失敗から立ち直るのが苦手な人の特徴と落ち込みを和らげるための実践的なアプローチを心理学の視点から丁寧に解説します。気持ちの切り替え方を学んで、一緒に立ち直り力を鍛えていきましょう。
失敗を必要以上に引きずりがちな人の特徴
落ち込みから立ち直るまで時間がかかる背景には、以下のようなの心理的要因が関わっています。代表的なものを順に見ていきましょう。
完璧主義傾向が強い
小さな失敗で大きく動揺する方の多くは、「ひとつも間違ってはいけない」「常に最高の結果を出さねばならない」と自分を追い詰めている”完璧主義”な傾向があります。自分への要求水準が高いために、他人からみれば成功と言える場合でも「達成できなかった」「まだ不十分」と受け取ってしまいがちなのです。そのため小さなミスにも敏感になり、「私はいつも失敗をしてばかりだ」と自己否定してしまいます。
自己肯定感の低さ
ありのままの自分を受け入れるのが苦手な人は、もともとの自己評価の低さを埋め合わせるために、「認められるために努力しなければ」と考えてしまう傾向があります。この状態では、一度つまずくと「やっぱり自分はダメだ」という解釈が強まり、必要以上に落ち込んでしまいます。“失敗=自分には価値がない”と結びつけて考えてしまうため、立ち直りに時間がかかりやすいのです。
反芻思考が強い
失敗を引きずりがちな人は、反芻思考と呼ばれるネガティブな思考をぐるぐると考え続ける傾向も強いです。「なぜあんな失敗をしてしまったのだろう」「また同じミスをするかもしれない」と後悔や自責が止まらず、不安が強まって切り替えが難しくなってしまいます。
失敗による落ち込みを上手に切り替える4つの方法
ここからは、失敗による落ち込みを和らげ、気持ちを立て直すための実践的な4つの方法をご紹介します。どれも特別な準備は必要なく、日常に取り入れやすいものです。
ジャーナリングで思考をアウトプット
ジャーナリングとは、頭に思い浮かんだことをありのままノートなどに書き出すワークのこと。失敗によって気持ちが沈んでいるときは反芻思考に陥ってしまいがちなので、書き出して思考と距離をとってみましょう。使うツールはノートや手帳、アプリのメモ帳などでOK。5分から15分ほどの時間を設定し、「言葉にならない感情」や「まとまらない考え」を思いついたままに記録するのがポイントです。書き出すことで、「自分はいま何を感じているのか」を客観視しやすくなり、気持ちの整理が進みます。
セルフコンパッションを養う
失敗を引きずりがちな人は、自分への批判が強まりやすい傾向があります。そんなときにおすすめなのが”セルフコンパッション”を養うワークです。セルフコンパッションとは、自分自身を思いやる優しい態度のこと。これは「甘やかし」とは異なり、「今の自分はつらさを感じているのだ」と丁寧に理解し、寄り添う姿勢をつくるものです。
セルフコンパッションを養う代表的な練習として、「慈悲の瞑想」がおすすめです。この瞑想では、心の中で以下のようなフレーズを唱えます。
「私が安全に守られていますように」
「私が安らかでありますように」
「私が幸せでありますように」
ゆっくり呼吸をしながらこれらの言葉を唱えることで、緊張や自責の悪循環から抜け出しやすくなります。落ち込んでいる友人に接するように、自分に対しても優しさや理解を持って接する練習をしてみましょう。
自動思考のパターンを増やす
ストレスを感じたり気持ちが動揺したりする場面で瞬間的に湧いてくる考えやイメージを「自動思考」といいます(例:「自分はいつもミスばかりだ」「周りは失望しているに違いない」)。失敗による落ち込みを和らげるためには、自分が持つ思考パターンに対して意図的に「別の視点」を加える練習が必要です。「尊敬する上司なら自分にどのような助言をくれるだろうか」「後輩がミスをしたらなんと声をかけるだろう?」と考えてみましょう。「ミスそのものよりも、その後の対応力が大切だ」「毎日ミスをしているわけではない」といった別の考えが浮かんでくるかもしれません。こうした別の視点を持っておくことが、落ち込みを未然に防ぐための対策となります。
マインドフルネスのワークをおこなう
ミスや失敗をすると、思考は過去に向かいがちです。「あのときこうすればよかった…」と後悔する気持ちが湧いてきてしまうのです。こうしたつらさを和らげるのに役立つのがマインドフルネスです。マインドフルネスとは、「今、この瞬間に起きている目の前のことに注意を向ける」状態をいいます。自分の呼吸や感覚に注意を向けて、今この瞬間を意識することで心が楽になっていきます。
失敗を繰り返し思い出してしまうときには、その考えをたんぽぽの綿毛に乗せて飛んでいくのをただ眺める「たんぽぽのイメージワーク」がおすすめです。自分の思考が乗ったたんぽぽの綿毛が風によって飛んでいく様子を想像し、その軌道をぼんやり観察してみてください。これだけでも思考との距離が生まれ、ネガティブな感情の波が静まっていきます。
まとめ
誰にとっても、ミスや失敗は避けられないもの。以下のような小さな習慣は、失敗からの確かな「立ち直り力」を育てていきます。
- ジャーナリングで思考を整理する
- 自分を責めすぎない姿勢を育てる(セルフコンパッション)
- 新しい視点を取り入れる
- 今この瞬間に意識を戻す
これらの対処法は、AIメンタルパートナーアプリ「Awarefy(アウェアファイ)」で実践可能です。些細なミスに振り回されず、自分らしくのびやかな毎日を送るために、一歩を踏み出してみてくださいね。
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