【先輩の選択】ミニマルで満ち足りた「生活発信者」であり続ける。池田園子さん39歳の自由な選択
SNSをやめてみた。その感覚は、リアルを増やし、生活を愛するための「ライフハック」
ーーあらゆる面でどんどん自由になっていく池田さん。SNSも段階的に断捨離されていますね。最近Xをおやめになった経緯と、その後の心境はいかがですか。
池田園子さん:私の場合、特にXは、自分の生活に不要と思えたので、あっさりとやめられました。その後、未練もなく、生活に不都合もなく過ごせている自分に気がつきます。最近、オンラインの中にしか居場所がない子もいると聞くと、私はびっくりしてしまいますね。
ーーこの連載では、デジタル世界の閉塞感を含めて、生きづらさを抱える若者へのアドバイスを探っていますが、池田さんの実践実感から、SNSの使い方に対してどうアドバイスできるでしょうか。
池田園子さん:さまざまな事情があると思いますが、オンラインの中にしか居場所がなくて、それも辛い、苦しいという方の声を見聞きすることもありますよね。もし、その状況を変えたいと思っているなら、言い方はちょっと荒療治ですが、SNSは離れること、やめてわかることが多いツールで、その世界の中に「救い」はないと思います。
タイムラインには偏ったものが出てきて見せられている、ほんの一部の世界。それって学校のクラスの規模より狭いものですよね。「アカウントを全部やめよう」とは言いませんが、SNSを離れる時間を増やすことが、その人の生きづらさを減らすのに最も効くのではと思います。
ーーSNSをやめて生まれる時間で、何ができるでしょうか。
池田園子さん:たとえばお店の人に「ありがとうございます」「おいしかったです」とお礼や感想を言うといった身近な人への声かけや、挨拶。少しずつ各人がやりやすいところから始めて、リアルで人と会話するという表現を取り戻してみるといいでしょうね。ポチポチとスマホをいじって送信するだけが表現ではなくて、声を肚から出すということでしょうか。
ーー生身の人に対して声を出すって、忘れてはいけないフィジカルな感覚です。貴重なアドバイス、ありがとうございました。最後に、池田さんからのメッセージをお願いします。
池田園子さん:私は今、生活を心から「愛している」と言えるので、それと同じように若い世代には、自分の心、体、頭をいちばん大切に扱いましょうと伝えたいですね。
そして大切にしてくれる人や、してきた人を大切に。39歳の今は仕事と生活、パートナーとの関係やその他の人間関係などのバランスとりも器用にできるようになりましたが、とはいえ私も経験してきたように、若い頃には偏った時期があっても大目に見てもいいのかなと思います。
自然と生活重視に比重が変わり、素直に生活を優先したいと思えるようになってきます。これが「生活は楽しい」と発信する先輩として言えることですね。
Profile : 池田園子さん
コンテンツリレーションシップデザイナー。
1986年、岡山県岡山市生まれ。京都市上京区在住。IT企業勤務を経て、フリーライター・エディター。
「DRESS」編集長などを務めたのち、2020年より編集プロダクション「プレスラボ」代表取締役。2023年5月、人生のほとんどの日々といえる日常をより良いものにするアイデアをお届けするWebメディア「SAVOR LIFE」を立ち上げ、編集人を務める。
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