8万人の追跡調査で判明!朝の紅茶と少しの果物で老けない心身に「フラボノイド」がもたらす抗酸化効果
朝の紅茶とほんの少しの果物。そんな小さな習慣が、老化のスピードをゆるやかにしてくれるかもしれない。
お茶やベリー、りんご、柑橘類、赤ワイン、ダークチョコレート―こうした身近な食品に多く含まれている植物由来の抗酸化物質が「フラボノイド」だ。その名前を聞いたことがあるという人も多いのではないだろうか。今回、オーストラリアのエディスコーワン大学の研究チームが、このフラボノイドに関する注目の研究結果を発表した。対象となったのは、約8万人のアメリカ人。彼らの食生活と健康状態を約30年にわたって追跡・分析したところ、老化のスピードをゆるやかにするカギとして浮かび上がったのが、このフラボノイドだったのだ。
フラボノイドの積極的な摂取が“心と体”を支える
研究では、女性約62000人、男性約2,000人を対象に、日常的な食事と加齢にともなう心身の状態との関係を追跡した。被験者たちは、「フラボノイドが多く含まれる食品をどれくらい摂っていたか」というスコア(=フラボダイエットスコア)をもとに分類され、フレイル(虚弱)や運動能力、メンタル面での不調などのリスクとの関連が検証された。その結果、フラボノイドの摂取量が多い人ほど、年をとっても体も心も元気でいられる可能性が高いことが明らかになった。特に女性では、次のような数値が報告されている。
・フレイルになるリスクが15%低下
・身体機能が衰えるリスクが12%低下
・メンタルヘルスに不調をきたすリスクも12%低下
ちなみに、男性の場合は、身体的な衰えへの直接的な効果ははっきりしなかったものの、心の健康を守る作用が見られた。
“抗酸化”だけじゃない、細胞の“お掃除機能”も活性化
フラボノイドは、長らく「抗酸化作用」がある成分として知られてきた。体内の炎症を抑えたり、細胞の酸化ストレスを防いだりすることがわかっている。近年ではそれに加えて、オートファジー(細胞の自己浄化機能)をサポートする働きがあることも注目されている。登録栄養士で健康コーチのキャスリン・パイパー氏は、こう語る。「オートファジーは、老化した細胞や損傷を受けた細胞を“掃除”してくれる仕組みのこと。フラボノイドを多く摂ることで、この働きが活発になり、細胞レベルでの若々しさが保たれると考えられています。」さらに、フラボノイドは血管をやわらかく保つ作用や、筋肉量を維持する働きにも関わっている可能性があり、全身の健康を広くサポートする存在として再評価されている。
明日から始められる『フラボノイド習慣』
では、私たちの生活にどう取り入れたらいいのだろうか?この研究はあくまで関連性を示したもので、因果関係が証明されたわけではない。だが、フラボノイドを多く含む食品はもともと栄養価が高く、安全性も高いため、「今すぐ取り入れるべき」と専門家たちは口をそろえる。栄養士のマギー・ムーン氏は、こんな“ちょい足し習慣”を提案している。ポイントは、「一気に変えようとしないこと」と「40代から始めること」だという。中年期の食生活が、その後の10年、20年の健康を左右するかもしれないからだ。紅茶をいれながら、冷凍ブルーベリーを朝食に添える。そんなささやかな行動が、心と体のエイジングをゆるやかにしてくれる。今の私たちにできる“ちょっといい選択”が、将来の元気の土台になるかも?
・朝はコーヒーの代わりに緑茶や紅茶を
・朝食にブルーベリーやイチゴ入りヨーグルトを追加
・間食にはリンゴとナッツの組み合わせを
・料理にパセリ、タイム、オレガノなどのハーブを活用
・夜は赤ワインをグラス1杯(※無理のない範囲で)
・デザートに70%以上のダークチョコレートをひとかけ
出典:
Tea, Berries, and Other Flavonoid-Rich Foods May Help You Age Better, Study Finds
Scientists Just Discovered a Surprising Health Benefit of Tea
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