おやつを"あるナッツ"に替えるだけでコレステロール値と心臓病リスクが低下!?米研究が示唆


ペンシルベニア州立大学の栄養科学部の研究によると、普段食べているおやつの代わりにピーカンナッツを食べた人は、心臓の健康に悪影響を及ぼすとされるコレステロール値の低下を示した。
「おやつを変えるだけ」でコレステロール値が改善
もし毎日のおやつをちょっと変えるだけで健康を守れるとしたら?アメリカの権威ある学術誌『アメリカ臨床栄養学ジャーナル(The American Journal of Clinical Nutrition)』に掲載された最新研究によれば、いつもの間食を1日約57グラムのピーカンナッツに置き換えて食べることでコレステロール値の改善が期待できることがわかった。研究には、心疾患のリスク(高血圧や高血糖、高コレステロール、肥満など)を持つ138人の成人が参加し、12週間にわたる実験が行われた。参加者は2つのグループに分けられ、一方は通常どおりの食生活を続け、もう一方は1日約57グラムのピーカンナッツを間食として摂取。その結果、ピーカンナッツを食べたグループは、総コレステロールやLDL(悪玉)コレステロール値の改善が見られ、全体的な食生活の質も17%向上していた。
研究を主導したペンシルベニア州立大学の栄養学准教授、クリスティーナ・ピーターセン氏は「この研究は、ナッツ類が心血管の健康に寄与するという従来の知見を裏付けるものであり、ピーカンナッツが有効な選択肢になりうることを示しています」とコメントしている。

抗酸化物質や心疾患を防ぐ働きを持つ成分が豊富に含まれる
ピーカンナッツが健康に良いとされる理由は、その栄養成分にある。抗酸化物質が豊富で、血中脂質のバランスを整える一価不飽和脂肪酸、そして腸内環境を整える食物繊維など、心疾患を防ぐ働きをもつ成分が多く含まれている。これまでアーモンドやクルミなどに比べて注目度の低かったピーカンナッツだが、今回の研究は“再評価”のきっかけになりそうだ。ただし、ピーカンナッツには注意点もある。研究中、ナッツを摂取したグループは平均で約680グラム体重が増加していたという報告があった。約30gあたりおよそ200キロカロリーという高エネルギー食品のため、適量を守らないとかえって健康に悪影響を及ぼす可能性がある。

ナッツの中でも注目株!ピーカンの可能性
今回の研究は、ピーカンナッツの効果を評価する大規模な試みのひとつだが、実は2021年にも興味深い研究結果が発表されている。その研究では、1日約68グラムのピーカンナッツを8週間摂取することで、総コレステロールが約5%、LDLコレステロールは6.4〜9.5%も低下するという結果が得られた。このように、ピーカンナッツはまだ研究数こそ少ないものの、他のナッツ類に匹敵する健康効果を持つことが明らかになってきている。しかも、自然な甘みがあり、デザート感覚で楽しめるため、無理なく続けやすいのも魅力のひとつだ。
もちろん、「ナッツを食べていれば健康になれる」というわけではない。重要なのは、普段のおやつを少しだけ見直すこと。クッキーやポテトチップスなどの代わりに、ピーカンナッツを取り入れることで、無理なく食生活の質を高めることができるのだ。「ちょっと甘いものが食べたいな」と思ったその時、手を伸ばすスナックをピーカンナッツに変えてみる。それだけで、あなたの心臓は少しずつ元気になっていくかもしれない。

出典:
Small amount of one nut a day can help lower cholesterol, study finds
This Nut May Help Lower Cholesterol and Boost Heart Health, According to a New Study
Just 2 ounces of this snack could help lower cholesterol, reduce heart disease risk
Replacing other snacks with pecans may improve cholesterol, diet quality
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