血糖値スパイクを防ぐ!朝、トーストと組み合わせると良い食材とは?|管理栄養士が解説
朝はパン派の方にとって食パンは手軽でおいしく、毎日食べている方も多いのではないでしょうか。一方で、食パンは糖質が多いため、血糖値が気になる方にとっては「どのくらい食べていい?」「1枚は多い?」と疑問に思うこともありますよね。今回は食パンに含まれる糖質量や血糖値の急上昇を防ぐ食べ方のポイントについて解説します。
食パンの糖質量
「食パン1枚」といっても、厚さ(〇枚切り)によって糖質量は異なります。
それぞれ(重量)と糖質量は、4枚切り(90g)=約40g、5枚切り(75g)=約33g、6枚切り(60g)=約27g、8枚切り(45g)=約20g、10枚切(37g)=約17gです。
| 食パンの厚み | 重量の目安 | 糖質量の目安 |
| 4枚切り | 90g | 約40g |
| 5枚切り | 75g | 約33g |
| 6枚切り | 60g | 約27g |
| 8枚切り | 45g | 約20g |
| 10枚切り | 37g | 約17g |
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市販の食パンの栄養成分表示は「1枚あたり」、「100gあたり」で記載されています。「100gあたり」で表示されている場合、食パンの重さが分からないと糖質量が計算できません。そのようなときにはぜひ上記の表を活用してみてください。
食パンの糖質量は、重量の約半分
市販の食パンの糖質量は栄養成分表示で確認できます。しかし、パン屋さんの食パンは、店によって1枚当たりのサイズが異なることや、栄養成分表示がない場合もあります。材料により異なりますが、一般的な食パンの糖質量は重量の約半分になることが多く、ざっくり計算する際の目安になります。
1食あたりの糖質の目安量
例えば、1日の必要エネルギー量が1800kcalの方の場合、1食あたりの適正な糖質量は75g~97gです。病気がある方は個別に調整します。食パン1枚の糖質量は約17g~40gのため多くの場合は適正範囲に収まります。
血糖値の急上昇を防ぐ食べ方
食パン1枚の糖質量は適正の範囲内でも油断は禁物です。食パンの主な栄養素は糖質であり、食べ方により血糖値は急上昇します。血糖値が急上昇・急降下することを「血糖スパイク」といい、血糖値の激しい変動は血管を傷つける原因になります。血糖値は緩やかに上昇・緩やかに下降させることが大切です。
ジャムはバター(油)に置き換える
ジャムはほとんどが糖質のため、食パンと組み合わせることにより血糖値の急上昇に影響します。血糖値が気になる方は、トーストにはジャムの代わりにバターやチーズを使用してもいいでしょう。ただし、ジャムをバターにすることよりエネルギー量は上がるため、体重が気になる方は使用量に注意しましょう。
食パン(ジャム)
↓
食パン(バター)
おかずや乳製品を取り入れる
朝に余裕がある場合は、サラダやスープ、ゆで卵、チーズなど食物繊維やたんぱく質を追加しましょう。食べる順番は、野菜・たんぱく質→パンの順がおすすめです。血糖値の上昇が緩やかになり必要な栄養素も確保できます。よくある食パンと果物の組み合わせは糖質が多くなりやすく、血糖値の急上昇に影響するため注意しましょう。
全粒粉の食パンを選ぶ
朝から複数の食品を揃えることが難しい場合、食パンを全粒粉パンに変えることも工夫の1つです。食物繊維の割合を増やすことができ、血糖の上昇を緩やかにします。ただし、糖質量が大きく減るわけではないため、他の食品を組み合わせることや、ゆっくり時間をかけて食べるなど工夫しましょう。
血糖値を安定させるために
血糖値の上昇には食事のカロリーよりも主に糖質量が影響します。ただし1食の糖質量が適正でも、内容の組み合わせ、食べる速さ、食べる順番などにより血糖値は急上昇します。特に忙しい朝は、食事内容の偏りや早食いになりやすい場合もあります。朝食にトーストを食べる際は、血糖値を緩やかに変化させる工夫を取り入れましょう。
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・化学同人「新・食品栄養科学シリーズ ガイドライン準拠 基礎栄養学」
・糖尿病療養指導ガイドブック2024
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