カルシウム不足を防ぐ!朝、トーストと組み合わせると良い食材とは?管理栄養士が解説
「朝食はパン」という方も多いのではないのでしょうか。パンはそのまま食べられて満足感もあり、忙しい朝に便利ですよね。しかし、パンだけではたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの栄養が不足しやすくなります。今回は不足しやすい栄養素の1つであるカルシウムについて解説します。手軽にカルシウムをプラスできる食材を組み合わせて栄養アップを目指しましょう。
カルシウムのはたらき
カルシウムは体重の約1~2%を占めます。体内のカルシウムの約99%は骨や歯に含まれ、これらを作り強く保つ働きがあります。残りの1%は血液・筋肉・神経などに存在し、出血を止めるはたらきや、筋肉の収縮、神経の伝達など、体の機能を調整するなど、健康維持に欠かせない役割を担っています。
子どもから大人までカルシウムは継続的に必要
カルシウムは成長ホルモンの働きを助けるため、成長期には大人より多くのカルシウムが必要となります。妊娠中は代謝の変化により腸管からのカルシウムの吸収率が高まりますが、全体的に摂取量が不足しているため意識してとる必要があります。
閉経以降や高齢期には、骨吸収(骨からのカルシウムの排出)が骨形成(骨へのカルシウムの沈着)を上回ります。
そのため、どの年代においても骨量や骨密度を保ち、骨折を予防するためにカルシウムは不足しないようにしたい栄養素です。
トーストにおすすめ!カルシウムが多い食材
カルシウムは、乳製品、大豆製品、魚介類(骨や殻ごと食べるもの)、一部の野菜に多く含まれます。
そのなかでもトーストに合わせやすいのがチーズです。
チーズ(乳製品)のカルシウムの吸収率は野菜の約2.5倍も吸収されやすく、トーストとの相性も抜群です。たんぱく質も含まれており、忙しい朝に簡単に栄養をプラスできます。
野菜では、小松菜や水菜などにカルシウムが多く含まれます。どちらもトーストに合わせやすく、前日にきざんでおくと翌朝の時短になります。野菜のカルシウムは、乳製品と一緒にとると吸収されやすくなります。
チーズ×ビタミンDでカルシウムの吸収を高める
カルシウムはビタミンDと組み合わせると吸収率が高まります。ビタミンDは魚やきのこ、たまごなどに多く含まれます。
チーズ(カルシウム)×ビタミンDの組み合わせ例
・チーズ×鮭フレーク
・チーズ×ツナ缶
・チーズ×たまご
とくにツナ缶や鮭フレークは加熱の手間がなく、朝でも手軽にビタミンDをプラスできます。
たまごはトースターでは火が通りにくい場合があるため、別で調理するのがおすすめです。
※きのこを組み合わせる場合は、加熱不足による食中毒を防ぐため、あらかじめしっかり火を通してから使いましょう。
1日の始まりに「朝食を食べる習慣」を作りましょう。
トーストにカルシウムが多い食材を足すことが難しい日は、飲み物でコップ1杯の牛乳を足しましょう。牛乳コップ1杯で1日に必要なカルシウムの約1/3をとることができます。
朝食は栄養補給の目的だけでなく、脳を起こして集中力を高めたり、体内時計のリズムを作ったりするなど、日常の活動に欠かせません。普段、朝食を食べる習慣がない方は、まずは食べやすいものから取り入れてみましょう。
【参考】・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」
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