秋冬に不足しがちな「ビタミンD」を補う!朝、トーストと組み合わせると良い食材とは?管理栄養士が解説
在宅ワークや日照時間の少ない季節は、日光を浴びる時間が減り、ビタミンD不足が起こりやすくなります。ビタミンDは骨の健康維持だけでなく、免疫機能や気分の安定に関わる重要な栄養素です。また、セロトニンの合成とも間接的に関連していると考えられています。しかし、パンだけの朝食ではこうした栄養素を十分に摂取するのは難しい場合があります。そこで今回は、トーストに合わせるだけでビタミンDとセロトニン合成の材料を補える身近な食材を紹介します。
朝のパン食で不足しやすい理由
トーストはエネルギー源となりますが、ビタミンDやたんぱく質は少なく、必要な栄養が偏りやすくなります。特に室内で過ごす時間が長い人ほど、日光不足によりビタミンDの生成が不足しやすくなる懸念があります。
朝のメンタルを整える鍵となるセロトニン
セロトニンは、気分の安定や集中力、ストレスのコントロールに関わる脳内伝達物質です。朝のセロトニン分泌が不足すると、日中の気分が不安定になったり、疲れやすくなることがあります。
セロトニンを増やすためには、次のようなポイントが重要です。
- 朝食でたんぱく質を摂る
- 日光を浴びる
- ビタミンDを補う
体内でビタミンDが十分にあることで、トリプトファンがセロトニンに変換されやすくなるなど、身体にとってプラスの影響が報告されています。
トーストに合わせたいビタミンD食材
特におすすめなのはサバ缶です。
ビタミンDが豊富
サバは魚類の中でもビタミンD量が多く含まれ、少量でも補給しやすい食材です。
セロトニンの材料になるたんぱく質も豊富
サバには十分なたんぱく質も含まれるため、トリプトファン(セロトニンの材料)も自然に補えます。
缶詰で扱いやすい
開けてすぐに使えるので、忙しい朝でも手軽に栄養をプラスできます。
一日の目安量
サバ缶は約四分の一缶(40〜50g程度)が朝食に取り入れやすい量です。無理なくたんぱく質とビタミンDが摂取できます。
注意したい点
味付けタイプは塩分が多い場合があるため、ビタミンD摂取を目的とする場合は水煮缶がおすすめです。
トーストに取り入れやすい方法
サバ缶とチーズのトースト
たんぱく質が同時に摂れる組み合わせです。とろけるチーズをのせて焼くと、満足感の高い一品になります。
サバ缶とレモンのオープンサンド
レモンを少量絞ると、朝でもさっぱりと食べやすい味わいになります。
サバをそのまま添える
トーストの横に少量を別皿に盛り付けるだけでも、十分に栄養補給できます。
まとめ
日光不足の多い現代では、ビタミンDとセロトニン合成の材料を朝食で補うことが大切です。例えばトーストにサバ缶を加えることで、免疫や骨の健康、そして気分の安定につながる栄養を手軽に摂ることができます。忙しい朝でも続けやすい方法として、今日から取り入れてみてください。
参考文献
- 西埼玉中央病院「ビタミンD/魚介類」
https://nishisaitamachuo.hosp.go.jp/section/cnt0_000072.html - 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html - 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
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