肩こり・腰痛の原因は胸まわりの硬さだった!?理学療法士が考案、肩・腰の痛みが消える「胸郭エクサ」
肩こりなら肩に、腰痛なら腰に対処する、なんてもう非常識?!原因は患部ではなかった!理学療法士の堀川ゆきさんがお話してくれました。
肩こりと腰痛
肩こりと腰痛は、国民病として多くの人を悩ませ苦しめ続けているのが現状です。この2つは実際に経験したことのある人がほとんどではないでしょうか。今はたくさんの対処法を知ることが容易になり、その中から自分にあったものを選択できる便利な時代になりました。それでも尽きない肩こりと腰痛の悩み、今回は意外なところに注目したいと思います。
原因は「胸郭」だった!?
肩こりや腰痛の原因は十人十色のため、ひとくくりには言えません。しかし、肩こりと腰痛の原因の一つに、「胸郭」(きょうかく)の可動性が低下していることが考えられます。可動性とは、胸郭を構成している胸椎や肋骨がどのくらい動くかということです。
胸郭は、運動不足や姿勢不良、加齢などによって可動性がどんどん低下していきます。胸郭が硬い場合、その下にある腰椎が、硬い胸郭の足りない動きを補わなければならないため、腰に負担がかかります。また、胸郭が硬い場合、胸郭に接している肩甲骨の動きが制限されアライメントが崩れるので、肩こりなど肩の様々なトラブルにつながります。
腰痛なら腰を、肩こりなら肩を、というように、通常なら患部に直接対処しがちですが、肩と腰の中間に存在する胸郭に原因があるというのは意外かもしれません。しかし、実際に私が理学療法士として患者さんの治療にあたる際に、腰痛や肩の症状に対して胸郭にアプローチすることで、症状が改善した例がたくさんあります。
「胸郭エクササイズ」紹介
肩こりや腰痛は、胸郭の柔軟性を高めることで改善する場合があります。そこで、今回は胸郭の柔軟性を向上させる「胸郭エクササイズ」3つを紹介します。胸郭の柱となる12個の胸椎を3つの方向に動かすのです。
まず椅子に座りましょう。両方の指先をバストトップの中間に写真のように添えます。鳩尾より少し上です。これがスタートポジションです。
1、胸椎の屈曲・伸展
指先をあてたところが頂点となるように、吸って胸椎を反らして、吐いて丸めます。5回くり返しましょう。
2、胸椎の側屈
正面で吸って、吐いて右に傾きます。吸って正面に戻り、吐いて左に傾きます。胸のダイヤルを回すようなイメージで5回くり返しましょう。
3、胸椎の回旋
正面で吸って、吐いて右にねじります。吸って正面に戻り、吐いて左にねじります。顔も目線も後ろに向けて5回くり返しましょう。
まとめ
多くの人が悩む肩こりと腰痛。それらが、肩と腰の中間に存在する「胸郭」に原因があるというのは意外かもしれません。ここで紹介した「胸郭エクササイズ」で胸郭の可動性を取り戻してみましょう。続けているうちに、いつの間にか症状が軽減していることに気付くはずです。また胸郭の硬さは呼吸の質にも影響を与えます。胸郭をしなやかに整えて、さまざまな不調から開放されるといいですね。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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