【理学療法士監修】カラダが硬いのは思い込み!?コツを知るだけで柔軟性が激変する「裏技ストレッチ」
「身体が硬い」と思い込んでいませんか?その思い込みで、柔らかくなるチャンスを逃してしまっている可能性があるかも?一体どういうことなのか、理学療法士の堀川ゆきさんが詳しく教えてくれました。
本当に身体が硬いのか
仕事柄、「私、身体が硬いんです」という人とよくお会いしますが、実は全身すべてが硬いという人はそうはいません。自分の身体のどの部分を見て硬いと思っているのか、考えてみたことはありますか?まず、身体が硬いと思ったきっかけは何でしょうか?誰かに「身体硬いね」と指摘された時ですか?体力テストでの前屈測定で柔軟性を点数化された時でしょうか?それともヨガなどのレッスン中に周りの人と比べてそう感じたのでしょうか?
結論からいうと、あなたの身体は決して硬くはありません!身体が硬いと思っているけど、具体的にどこが硬いのかは分からない、ストレッチに苦手意識がある、男性だから、年だから、生まれつきだから、遺伝だからと諦めている人は必読です。これらの影響はゼロでは無いですが、ほんのわずかだからです。
硬さの原因はこんなにたくさん
身体の硬さの原因になるものは、こんなにたくさんあります。
筋肉
関節
筋膜
腱
脂肪組織
靭帯
皮膚
神経
血管
心理
いろいろありますが、大体は筋肉か関節が原因であることがほとんどです。
例えば原因が筋肉の場合、筋肉は全身に400個もあるので、そのうちのどの筋肉が自分は硬いのか知っていますか?全部の筋肉が硬い人はそういません。
また、原因が関節の場合、硬いと思っているのは肩関節なのか股関節なのか背骨なのかどこでしょう?肩関節だけでも8方向に、股関節は6方向に、背骨は6方向に動くので、どの方向に硬いのかをまず知る必要があります。
前屈が苦手だから自分は身体が硬い、だけでは柔軟性の評価には実は不十分です。必ず人それぞれ硬い筋肉や、関節の動きで硬い方向があり、その一方で柔軟性が充分に保たれているところがあるはずです。逆に自分は身体が柔らかいと思っている人も然りです。実は自分では気付いていない硬い部位があるかもしれません。
思い込みで硬くなる理由
身体が硬いという人は、柔らかくなれるはずなのに、脳がブレーキをかけていまっている可能性があります。
20人の水泳選手を対象に、実際の運動を伴わずに筋肉をストレッチするイメージだけを5週間行わせたところ、太ももの裏の筋肉などの柔軟性が改善したという2010年の報告があります。このように、筋肉は自分がイメージした通りに動くという、生理的・心理的効果が明らかになっています。つまり、身体が硬いと思い込むこと自体が筋肉がそれ以上伸びないストッパーとなっているのです。逆に身体が柔らかい、もっと伸びるとイメージすることがさらなる柔軟性アップへとつながるということがいえます。
「柔ら、か〜い♪」ストレッチ
今回は股関節のストレッチを3つ紹介します。身体の中でも特に多くの人が硬さを感じている部位です。①と②はお尻の下にクッションなどを敷くとやりやすいです。それぞれ20秒〜30秒キープを2セットずつ行います。そして何よりのポイントは、心の中でのかけ声「柔ら、か〜い♪」です。「柔ら」で吸って、「か〜い♪」で息を吐きます。
①ハムストリングのストレッチ
②内転筋群のストレッチ
③腸腰筋のストレッチ
自分は身体が柔らかいと言い聞かせて、自分自身に暗示をかけるのです。呼吸とあわせて「柔ら、か〜い♪」を5回唱えます。1回目よりも5回目の方が余分な力が上手く抜けて、よりストレッチが深まっているはずです。
まとめ
「柔ら、か〜い♪」ストレッチ、胡散臭いなんていわず騙されたと思って一度やってみてください。「私、身体硬いなー」と思いながらストレッチを続けるよりも、「柔ら、か〜い♪」と自分で自分に暗示をかける方が、ずっと早く柔軟性が向上し、確実に変化を実感できるでしょう。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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