「筋肉を包む筋膜」がゆるむと柔軟性は変わる!みるみる体が柔らかくなる【魔法の筋膜ゆるめ】
一生懸命ストレッチをしているのに、体が柔らかくならず、左右開脚や前後開脚、前屈が苦手という人も多いのでは。柔軟性を高めるカギは、実は「筋膜」にあり。筋膜から柔軟性を高める方法をご紹介!
筋肉を包む筋膜がゆるむと体は柔軟に!
「股関節まわりの筋肉が硬いと開脚や前屈の動きが制限されます。これを解決するには筋肉を包む筋膜にアプローチするのが効率的です」と峯岸道子先生。
筋肉は、表層から深層まで筋膜と呼ばれる組織に包まれています。そのため、筋膜が硬いとその内側の筋肉の動きが阻害され、ストレッチをしてもなかなか柔らかくならないのです。
「筋膜は全身に網目状に張り巡らされ、いくつかのグループに分かれています。同じグループの筋膜はお互いに影響し合うので、このつながりを利用すると筋膜はゆるみやすくなります」
筋膜は、潤いを失うと硬くなり、動きが抑制されてしまいます。ゆるめるポイントは、体を小さく動かし、筋膜に体液(管外液)を巡らせること。また温かい環境で時間をかけて行うとゆるみやすいので、ぜひお試しを。
股関節に関わる筋膜ライン
4つのラインから股関節にアプローチ
股関節まわりの筋肉に関係する筋膜は、「浅前線」「浅後線」「深前線」「外側線」の4つ。筋膜のつながりを利用してゆるめることで、左右&前後開脚や前屈が深まります。
●浅前線(せんぜんせん)
●浅後線(せんごせん)
●深前線(しんぜんせん)
●外側線(がいそくせん)
左右開脚のための筋膜ゆるめ
ハムストリングスをゆるめる
足裏の筋膜を伸ばして腿裏の硬さをほぐす
腿裏に位置するハムストリングスの中でも、特に内側の筋肉が硬くなっていると左右開脚で膝が曲がりやすくなります。浅後線の末端である足裏の「足底筋膜」を伸ばしながら背骨を動かし、筋膜を振動させることで、同じ筋膜でつながっているハムストリングスをゆるめます。
◎使うのは…浅後線
ハムストリングスをほぐす鍵となるのが、足指の裏~頭頂、額まで、体の背面を結ぶ浅後線。このつながりを利用してゆるめましょう。
HOW TO
①膝を立てて座り、脚を坐骨幅に開いて外に倒す。両手で足先をつかみ、吸う息で足指を手前に引き、胸を張る。
POINT:かかとで床を蹴りながら、足指を付け根から思い切り手前に引く。
②かかとの位置を変えず、足指を手前に引いたまま吐く息で背中を丸める。これを繰り返す。【15回】
内転筋群をゆるめる
ふくらはぎにアプローチして内腿を柔らかく
太腿の内側にある内転筋群が硬いと左右開脚の妨げに。ここを柔らかくするには同じ筋膜グループである、ふくらはぎの筋膜にアプローチするのが効果的。足先を外に向けて、ふくらはぎの内側を通る「長趾屈筋膜」を、足先を内に向けて、外側を通る「後脛骨筋膜」を、伸ばして。
◎使うのは…深前線
足指の裏側~頭まで、体の中心・深層部を結ぶ深前線。股関節まわりの筋肉とも多くつながり、股関節と多岐に関わります。
HOW TO
①かかとを上げて正座になり、左膝を立てる。左足のかかとを手前に引き寄せ、両手を床につく。【左右15回】
POINT:足首が鋭角になるよう、できるだけ体の近くにかかとを引き寄せる。
②次に、左の膝から足先を内に向ける。上体を前倒させ足先に体重をのせて体を前後にゆらす。
外側をゆるめたら、今度は内側を。膝下を外に向ける。上体を前に倒しながら足先に体重をのせて体を前後にゆらす。
教えてくれたのは…峯岸道子先生
「Body & Mind Yoga Studio」主宰。フィットネス界の草分け的存在として活躍後、2000年に沖ヨガ指導者認定資格を取得し、肩甲骨ヨガを発案。運動生理学に基づく的確なアプローチに定評があり、幅広い世代から支持される。
モデル…伊藤ニーナさん
GINGERスターオーディションモデル部門にてグランプリを受賞。『GINGER』(幻冬舎)、『CLASSY.』(光文社)などで活躍中。大型ファッションイベントやバラエティー番組にも多数出演している。
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