効率的な体幹強化、ケガ予防に|脊柱を支えて守る棒ヨガポーズ8つ
2 ウッティターパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)の準備ポーズ
横向きの立位のポーズでは、さまざまな形で棒を利用できる。写真のように一方の手を上にして、反対の手を下にすると、ポーズに入ったときに棒に頭をあずけることができる。また、軽い抵抗の点ができて、胴体が床のほうを向かなくなる。下の手を支えとして使うと、前の脚と腰にかかる体重を減らすことができる。さらに、(ポーズに入ったときに)前の脚に棒を押し付けると、前の坐骨に抵抗の点ができるため、それに抗するように押せるようになる。この準備ポーズは三角のポーズにも使うことができる。
HOW TO
右手に棒を持って縦に構える。足を120cm程度か、できるかぎり広く開く。右足をマット前方に向けて、棒を右脚の前(膝のすぐ上)に合わせる。左手を頭上に上げて肘を曲げ、手のひらを前向きにして棒をつかむ。棒の位置を確認して、右腕と右肩を棒の前に出す。右手を後ろ向きにして棒をつかみ、手のひらで棒を押す。
3 ウッティターパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)
可動域と体型によっては、膝を曲げるときに棒を膝のほうに動かす必要があるかもしれない。右肩の裏側に棒があたるように棒の位置を確認しよう(棒を少し斜めにしてもよい。必要に応じて自分で探ってみよう)。右肩を棒に押し付け、右坐骨を前に押し出しながら、腰を伸ばす。左手で棒を前方に押しながら、右手で棒を後方に押す。胸部を回して開く。この動きは胸椎の中央部分から起こしていこう。頭をゆっくり回して、左耳が棒に押しあたるところで止める。目線を左手に向ける(首に違和感がある場合は頭を回すのをやめるかポーズを終えよう)。頭の後ろに棒があると、頭を後ろに下げすぎることがないため、首が緊張するのを防ぐことができる。この段階でも棒が右肩の背後にあることを確認しよう。背面のどこか別の部分にあたっていてはいけない。左足から頭頂までを一直線にする。6回呼吸する間この姿勢を保ったら、左右を入れ替えて準備ポーズから続けて行う。その後、左右もう1回ずつ行って、この方法に慣れたうえでその効果をさらに深く味わおう。
HOW TO
準備ポーズから、吐く息で右膝を曲げ、棒を上の手まで滑らせながら、右股関節を曲げてウッティターパールシュヴァコーナーサナに入る。
4 パルヴリッタパールシュヴァコーナーサナ(ねじった横に伸ばすポーズ)
このポーズで棒を使うと、股関節と脊柱の可動域を無理に広げることなくポーズを味わうことができる。脊柱をニュートラルに保ちやすくなり、過度の緊張を防ぐこともできる。また、つかむところができるため、背面を丸めることがなくなり、過度にねじる必要もなくなる。脊柱後弯症、脊柱前弯症など脊柱の問題や、腰や仙骨の問題がある人、全体的に体が硬い人は、難度が高く腹部を圧迫するポーズを修正してつくったこの軽快なポーズから、大きな安らぎを得られるだろう。胴が長い人にとっても素晴らしいポーズだ。ただ、下の腕で体重を支えられなくなるため、完全に楽なポーズというわけではない。
HOW TO
両足を120cm程度開き、右足を前に向けて左足を45度内側に向ける。右足の外側に棒を置き、右手でつかみながら右脚の下を通して、棒の先端を左足の外側に出す。吸う息で、胴体を伸ばしたまま膝を曲げる(ただし、腰に張りを感じる場合は、必要に応じて胴体を前傾させよう)。吐く息で、胴体全体を約45度前に倒す。右太腿の外側にある棒を膝のほうに滑らせていく。体が安定したら、左手を棒のほうに伸ばす。肘は曲げたままやや引き上げておく。棒を持つ手を替えると、腰と肩の左右の高さが揃って、体を回転させる準備が整う。左肘を前方に伸ばす。右手を腰の後ろにあて、右肘を引いて胸部の右側を開く。右足で床をしっかり踏むことによって、骨盤の前面と胴体を支えて、右鼠蹊部が崩れないようにする。このとき体が崩れると、仙腸関節や股関節の関節唇(軟骨の先端部)に過度の負荷がかかる。棒をしっかり握って、左足のかかとの外側をマットにしっかり固定する(かかとを下げ続けるのが難しい場合は、ブランケットの上に左足をのせる)。全身を静かに右にねじる。膀胱を左に回しながら心臓を右に回すイメージを持とう。こうすると、腰椎と仙腸関節から余計な力を取り除くことができる。頭頂部から右腰の外側と左足のかかとまで十分に伸ばす。吐く息を意識的に少し長くしながら、5回呼吸する間この姿勢を保つ。息を吐きながらポーズを解き、反対側も同様に行う。
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