効率的な体幹強化、ケガ予防に|脊柱を支えて守る棒ヨガポーズ8つ

 効率的な体幹強化、ケガ予防に|脊柱を支えて守る棒ヨガポーズ8つ
Zev Starr-Tambor

皆さんの家の近くのホームセンターでは、強い背面を支えるのに申し分のない道具が売られている。腰痛などの問題がある人には特におすすめしたい。

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脊柱を支えて守る棒ヨガ

何十年も前のことになるが、アイアンガーヨガの指導者ケヴィン・ガーディナーが、サーランバシールシャーサナ(支えのある頭立ちのポーズ)をするときに木製の丸い棒を取り出したことがあった。プロップとして使うためだ。私はこれは面白いと思い、ほかにどんな使い方があるだろうかと思いを巡らした。そして、手始めに150センチの木製のほうきの柄を1ダース購入してみた。その後、それより短いものや長いものも買い足して試していった。あらゆる長さが揃っていて、材質も木製、金属製、プラスチック製と種類が豊富な丸い棒は、とにかく用途が広い。関節の配列を確認したり、てこのように利用したり、(脊柱を伸ばしながら)牽引して圧力を取り除いたり、筋肉を伸ばして関節をほぐしたりするのに役立てることができる。また、体幹を鍛えてバランスを補う道具にもなる。この棒によって正しい姿勢を支えることができ、工夫して使えばいつもとは違う形でポーズを味わえる。安全な動きのパターンを探り当てて腰を守ることができるため、腰痛のある人には特に有効だ。体幹を働かせるときや前屈と側屈をするときに脊柱の圧迫を防ぐことができる。その結果、余計な圧力を加えることなく筋肉を伸ばして強化することができる。この棒を正中線の延長部分であると考えて、体軸の力強い伸展、つまり脊柱を十分に伸ばすことに役立てることができる。たとえば、ターダーサナ(山のポーズ)で立ちながら、体のすぐ前に置いた棒を持って引き下げると、胸部が引き上げられて脊柱が伸びる。さらに、ウッティタートリコナーサナ(三角のポーズ)やパスチモッターナーサナ(座位の前屈)などのポーズでは、この棒の一方の端を床に下ろして安定した支えをつくり、反対の端で体を安全に動かし牽引することができる。また、パリヴルッタパールシュヴァコーナーサナ(ねじった横に伸ばすポーズ)などのポーズでこの棒を使うと、可動域の広がりが適切になって、ポーズが楽にとれるようになる。棒を使うことで心と体が安定することを実際に感じるために、ホームセンターで棒を購入してこのシークエンスを試してみよう(腰痛のある人は、これに限らず新しいことを試す前に必ず医師に相談すること)。

1 ターダーサナ (山のポーズ)

山のポーズ 棒ヨガ アイアンガーヨガ
Photo by Zev Starr-Tambor

山のポーズで棒を使うと、体軸が伸展することによって腰椎にかかる圧力が小さくなる。前かがみになりがちな人や脊柱後弯症のある人は、棒を持って引き下ろすと、胸部を引き上げて開くこともできる。

HOW TO

脚を腰幅に開いて、山のポーズで立つ。両足の間に棒を立てて、かかとよりも指の付け根のほうに近づける。両手を上に伸ばして、上下にずらして棒をつかむ。手が額の前にあると、てこの作用が最も大きくなる。肩と首の緊張をゆるめる。手を押し下げて脊柱を伸ばす。腰の反りすぎを防ぐために、肋骨と骨盤を遠ざけるように動かすイメージを持とう。この腕の動きは、肩甲骨の最下部を無理なく引き下げるほか、胸椎の中央部分と肋骨を内側に入れるのに役立つ。ここでも肩を上げないようにしよう。5回呼吸をする間この姿勢を保ったら、少し休んで手を入れ替え、さらに5回呼吸する間保つ。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Story by Alison West
Photos by Zev Starr-Tambor
Model by Alison West 
Hair&make-up by Laura Costa
Translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.64掲載



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