「心配」の3パターンと4つの対処法|臨床心理士が徹底解説!

 「心配」の3パターンと4つの対処法|臨床心理士が徹底解説!
Getty Images
石上友梨
石上友梨
2019-06-25
広告

なぜ心配してしまうのだろう?

心配しているときは、心も体も活性化している状態です。交感神経が優位になり、脳もフル回転になりやすいです。この活性化した状態こそ、「自分が問題に対処しているように感じてしまう」原因です。過去のこと、未来のことなど、気がかりなことに対して「何かアクションを起こしている」という感覚になり、あれこれと心配し続けてしまいます。

しかし、実際はどうでしょうか。あれこれと心配しているとき、何か解決しているより、同じことを考え続けているだけの場合が多いのではないでしょうか。何かを生産したり、問題を解決するのではなく、同じところをぐるぐると回っているだけで、疲労感だけ残ってしまうこともあるのではないでしょうか?

心配の3つのパターン

心配には3つのパターンがあります。

過去を再検討すること

過去の問題をあれこれと繰り返し再検討するケースです。頭の中で過去のシーンなどを何度も再現し、あのとき「ああ言えば良かったかな」、相手は〇〇と思ったかなと再検討してしまいます。

過去のことはすでに過ぎ去ったことです。しかし、過去の問題を考えて続けている間は、過去の問題が「現在」に続いているように感じやすくなります。過ぎ去ってしまった過去は変えられません。しかし、現在も続いている問題なら変えられるかもしれない…と、希望を持ちやすくなります。考えるのをやめると、失敗した「過去」になってしまいます。もう変えられない事実になることをどこかで恐れている可能性があります。

考え続けても「過去は変わらない」し、気分はよくならないです。むしろ、考え続けることで不安は強くなりやすいです。例えば、資格試験を受けたとします。「あのとき、別の選択肢を選べば良かった」と試験後に思い悩んでしまう場合があると思います。また、彼氏と喧嘩したとします。「あのとき、あんなことを言わなきゃ良かった」と思い悩んでしまうことがあると思います。

未来を予想すること

ネガティブな結果になるのではないかと、未来のことをあれこれと心配してしまうケースです。過去を「過ぎ去った事実」と受け入れた場合、今度は未来の心配に目が向きやすいものです。

「〇〇になったらどうしよう」と、未来のことについてあれこれと考えてしまいます。しかし、未来のことはなかなか予想できません。例えば、「資格試験に落ちたらどうしよう」と思い悩んでしまったり、「彼氏に振られたらどうしよう」と思い悩んでしまったりと、未来のことに対する心配が続きやすいです。

非現実的な結論を出すこと

最後は、現実的ではない結論を出してしまうケースです。あれこれと思い悩んでいる時はとても不安で苦しいものです。「あれこれと考え続けるのをやめたい」と無理やり結論を出し、心配を止めようとしてしまいます。「最悪を想定しておいた方がマシ」と考え、ネガティブな結果になると未来を予想しやすいです。

また、あれこれと心配している時は、ネガティブフィルターが強くなり、世界をネガティブの色メガネをかけて眺めてしまったり、物事のネガティブな面に目が行きやすかったりします。そのため、非現実的な結論を出しやすくなります。非現実的な結論とは、客観的な根拠がない結論のことです。

例えば、試験結果は出ていないのに、「資格試験には落ちてしまった。来年頑張ろう」と結論づけたり。彼から何も言われていないのに、「彼氏とはもう終わってしまった。私は大切なものを失った」と結論づける場合があります。

試験に落ちたと結論づけることで、ネガティブな気持ちになります。もしかしたら、試験に受かっているのに、勝手に結論づけて来年の試験に向けて勉強をしたら、無駄な時間を過ごしてしまいます。また、彼氏とはもう終わったと結論づけたことで、現実でも彼への態度に影響が出て、二人の関係が悪化し、別れてしまうケースさえあります。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事