脚を前後に開きにくい人はやってみて！大臀筋を縮めて脚の付け根をゆるめる「拮抗筋ワーク」

筋肉の反射作用を利用して柔軟性をアップ！

「柔軟性を上げるために利用したい体の仕組みが、相反神経支配です」と堀川先生。
相反神経支配とは、筋肉に力を入れて収縮させると、その反対側の筋肉が弛緩し、ゆるむという神経の反射作用のこと。
「つまり、硬くなった筋肉を伸ばすには、その筋肉と反対側の筋肉を縮めることが、重要になるのです」
筋肉には、動きの主となる主動筋と、逆に作用する拮抗筋があり、対になって体の動きを促します。柔軟性アップが目的の場合は、伸ばしたい筋肉が主動筋、縮める筋肉が拮抗筋に。
「主動筋と拮抗筋のバランスがとれていれば、相反神経支配がスムーズに働きますが、体が硬い人は拮抗筋となる側の筋力が低下気味の傾向が。そのため拮抗筋を鍛えることが柔軟性の向上につながります。また、筋肉には脳からの『収縮しろ！』という命令によって動く特性があるため、その点からも伸ばすより、縮める動きを意識したほうが効率的と言えます」
そこで、拮抗筋をポーズ中に意識するコツと、鍛えるためのワークをご紹介。ぜひ、試してみて！

腸腰筋が硬くて脚の付け根が伸びないなら…拮抗する【大臀筋】を縮める

生活習慣や日常動作のクセなどで上半身と下半身をつなぐ腸腰筋が硬くなると、脚の付け根を前後に伸ばしにくくなります。お尻表面の大臀筋を意識的に収縮させ、硬くなった腸腰筋をゆるめましょう。

こんな人はやってみよう！…脚を前後に開きにくい
前後に開く脚の動きが辛い。歩行時の歩幅が狭い。ポーズでは、ハイランジ、戦士のポーズⅠ、三日月のポーズなどが苦手。

【ポーズ中に意識しよう】小尻を意識しお尻に力を入れる

大臀筋に効かせるコツは、キュッと上がって、引き締まった小尻をイメージすること。肛門を締め、左右のお尻の膨らみに力を入れることで、大臀筋がしっかり縮まります。

◎たとえばランジのポーズで
右脚を前にして脚を前後に開く。両手は腰、右膝を直角に曲げ、左のお尻に力を入れて脚の付け根を伸ばす。反対側も。

両脚を揃えて立ち、肛門を締め、お尻を中心に寄せると大臀筋が収縮。この感覚を覚えてポーズに入ると、脚の付け根を伸ばしやすい。

教えてくれたのは…堀川ゆき先生
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。RYT200取得後、理学療法士の資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在、大学病院や整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わっている。