80歳を越えるとどんな気分がするの?80代女性たちが見つめる世界、から学ぶ「老い」の捉え方

80歳を越えるとどんな気分がするの?80代女性たちが見つめる世界、から学ぶ「老い」の捉え方
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「年を取るってどんな感じ?」ー60歳目前、老いへの不安を感じる59歳の女性が、親戚である著者へ投げかけた質問へのアンサーとして、80代の作者が綴った手紙。そのやりとりは老いを捉える新しい気づきになるかもしれません。『ニューヨーク・タイムズ紙』ベストセラー作家、ソフィ・バーナムさんの著書『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』(アスコム)より内容を一部抜粋して紹介します。

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友人たちの意見

最近、同年代の女性たちと話す機会があったので、80代という自分の年齢をひと言で表す言葉を書いてもらいました。

80の峠を越えるとどんな気分がするのかと尋ねたのです。

「自由」と、ひとりが答えました。

「好奇心」と、別の女性が応じました。

「奇想天外」と言ったのは、つい最近、21年連れ添った女性のパートナーを亡くしながらも、その後思いがけず男性と激しい恋に落ちた女性でした。

「目覚め」と言ったのは、まだ70代の女性です。「わたし、覚醒したの。これまでに感じたことがないくらいにね。すべては一時的なことなんだ、って実感してる。だからこそ、すべてがもっとーー」。そう言って、手のひらを軽く振りました。胸の奥深くにある感情を言い表す言葉が、見つからないようでした。

「不安」ーー初期の認知症と診断された女性はそう答えました。言葉が出てこなくなり、自分を制御できなくなる症状に恐怖を感じ、世界が混沌としたものに見えてきたようです。

「内省」とサラが言い、こう説明してくれました。「この年になると、いやでも想い出をたどるようになる。自分自身の想い出も、他人や友人との想い出も。想い出には笑いを誘うところもあるし、哀しみや苦しみ、歓びもある。今の人生は本当に深い。特に、精神分析を受けてきた人や、意識的に瞑想をしてきた人にとってはね。瞑想してこなかった人にとっては……どうなのか、わたしにはわからないけれど」。そんな言葉を遠慮がちに添えていました。

「感謝。こういう〝一語で表せ〞みたいな質問、苦手だな。しっくりくる言葉が見つかったためしがないもの。そうねえ……〝感謝するには大チャンスの年代〞って言ったらどうかしら? 健康に感謝するとか、近くにいる家族に感謝するとか、友人に、充分な経済力に、感謝……。わたし、元気いっぱい生きてるエアープランツ(訳注:根からではなく葉から雨や空気中の水分を吸収して育つ植物)みたいな気分。徐々に縮んでいく仕掛けになってるガラス製の園芸鉢の中で育っているの。そんなの、本当にあるのかどうかわからないけど」

「思いやりあふれる行動」ーー元気いっぱいな女性が、敢えて一語ではない言葉を愉しげに挙げました。「人って、わたしを見かけるとすぐに買い物袋を持ってくれるの。ドアを開けてくれるし、 席も譲ってくれる。そういうちょっとした親切があふれてる!」

ちょっとした親切
photo/Adobe Stock

話を聞いたのはわたしの周りのごく限られた人たちなので、この聞き取り結果に統計的な意味はありません。ただ、驚かされたのは、大勢、というよりほとんどすべての人が、前向きで、楽観的で、活力と好奇心に満ちあふれていた点です。

「元気なうちは……」。ある女性はそう言って、いったん口をつぐみました。「委員会の仕事もあるし、読書会もある。知りたいことがたくさんあって、気持ちもわくわくしている……」

「何を怖がらなきゃいけないの?」。別の女性はそう言って、声を立てて笑いました。幸せについて論じる中で、わたしたちは皆、人の集まりが重要だと意見が一致しました。

「自分の気持ちを表に出すこと、そして表に出せる人の集まりがあること、それだけで力が湧いてくる。エネルギーが解き放たれる感じ。だからこそ、年齢を重ねた今、そうした場を意識して求めていくのが大事だと思う」

あわせて、自分のすべてをさらけ出せるような、正真正銘の親しい友人を何人か作ることが重要だとぜひ付け加えておこうと思います。まだまだ好奇心が強くて、周囲と積極的に関わり合い、歓びを探し続ける友人を作るのです。

自分の年齢を素直に受け入れると心も軽くなるね、とわたしたちは頷き合いました。

書籍

『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』

この本の著者…ソフィ・バーナム

1936年生まれ。アメリカの作家、劇作家、エッセイスト、詩人。著書16冊を刊行している作家であり、そのうち3冊は「ニューヨーク・タイムズ紙」のベストセラーとなっている。作品は26言語に翻訳されており、ノンフィクション、小説、短編、詩、戯曲、ドキュメンタリー映画、児童文学、ラジオドラマなど、多岐にわたるジャンルで執筆活動を行っている。世界各国で配信された記事やエッセイも数百本にのぼる。日本で翻訳されている著書に『天使の本』(ジャパン・タイムズ)がある。

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