【ポリヴェーガル理論を知ってる?】興奮を鎮めて深く眠るために「緊張を解放する」方法
心身を落ち着かせて休めない時に、エネルギーを解放するための方法をご紹介します。
緊張している時、周りに「落ち着いて」と言われても、さらに興奮したことはありませんか?そう、あなたは間違っていません。世界が混乱状態に陥っているように見える時、平静を保つことは不可能ですし、むしろおすすめできません。行動を起こしたいという自然な欲求がなくなったり、体が長時間過度の緊張を経験したりすると、私たちはさらにストレスを感じます。ヨガのアーサナが役立つことはわかっていますが、それでも元通りにならない時は、追加のサポートが必要になる場合があります。
迷走神経を通して感情を調節する
心身の充電が必要なときでさえも、私たちは感情的な反応を効果的に管理する能力を持っています。どのようにすれば感情を調節できるようになるのか? 神経科学者のスティーブン・ポージェス博士が提唱する「感情調節における迷走神経の役割」を強調したポリヴェーガル理論(多重迷走神経論)を知ることです。信号機を例えに使い、私たちが現在どの状況に置かれているかを特定できます。それから、作家でセラピストのアノデア・ジュディスさんの著書「Charge and the Energy Body(チャージとエネルギー・ボディ)」の中で紹介されているいくつかのアイデアの実践し、行動に移すことも可能です。
青信号: 心から穏やかな状態
安全で開放的に感じ、自律神経系の副交感神経 (一般に休息と消化と呼ばれる) が優勢な状態です。誰もがこの状態に戻りたいと思うものですが、うわべだけ繕ってもこの状態にはなれません。
黄信号: ストレス反応が活性化している
最も極端な例として、これは「戦うか逃げるか反応」です。警戒心が強く、行動に移す準備が整っています。その感情は、緊張感から神経質な状態、そしてイライラ感から怒りの感情まで様々です。もちろん、ほとんどの人は「戦うか逃げるか反応」はしたいことではないので、その場合、代わりに安全に緊張を解放する方法を見つける必要があります。
このゾーンにいるときは、交感神経系が支配的です。この状態で長く居続けたくはありません。常に黄信号にいると、ストレス ホルモンであるコルチゾールとアドレナリンが休息と消化の機能を分解し始め、代謝や生殖システムや免疫システムに悪影響を及ぼします。また、瞑想や心を落ち着かせる呼吸法など、非常に必要とされている回復の練習に取り掛かることも難しくなります。まず、これから紹介する方法をいくつか行うことで蓄積された緊張の一部を「解放」し、神経系の覚醒状態の高まりから抜け出しましょう。
赤信号:全てが崩壊
過剰ストレスホルモンと反応が過剰となり、シャットダウンするか、閉じ込められた動物のようにフリーズします。一見すると穏やかに見え、心拍数が低いかもしれませんが、このゾーンは、黄信号で蓄積された緊張状態のざわめきを抱え続けます。ここでは「怒りによる疲労」を経験している可能性があります。無力感や救いようの無い感覚によって圧倒されたり、やる気を失ったり、仕事を辞めてしまったり、麻痺したりします。
緊張の解放:青信号へ戻る
作家の アノデア・ジュディスさん が説明しているように、生体エネルギー学分野によると、体内にはいくつかの主要な排出経路があります。それらは、人間という動物の進化を通じて、私たちが通常どのように自分自身を守るかに関連しています。
かつて私たちが身を守る方法の1つは、手や腕を使って押しのけたり、殴ったりすることでした。また、足を使って逃げたり、蹴ったりしても身を守りました。もしくは、大声で叫んだり、声を使ったりして、肉食動物や攻撃者を追い払うこともあったでしょう。
現代社会において通常、これらのことのほとんどは行わない方がよいでしょう! しかし、私たちの体は、解放する方法を見つけるまで緊張を保ち続けます。緊張を解放するための安全な方法をいくつか紹介します。
両腕の解放
・ウォールプレス:体をL字にした状態で、壁に向かって下向きの犬のポーズを試す。
・クンダリーニ パンチ: 座り姿勢か立ち姿勢で膝を曲げて足を大きく広げ、強く息を吐きながら、肩の高さから外側に向かって拳を交互に打つ。
脚の解放
・足を蹴ったり、さっと動かしたりする。
・地面、床、または地球をしっかりと踏みつける。
口から解放
・大声でチャントする
・鼻から長い“ハー”という音を出す
・膝を曲げて足を広げて立ち、頭上から木を切る動作で鋭い「は」を言います。
これが終了すると、アーサナを通じて体の主要なホットスポットから緊張が取り除かれ、落ち着きを取り戻すことができます。
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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