一歩先の“サステナブル&コンシャス”ビューティーを見据えて#地球とビューティーVol 4.資生堂
ーー実際に化粧品と環境という視点から「BAUM」を通じてどのような取り組みをしていますか?
樹木の恵みを受け取るからには、将来にわたって共生しつづけることができるよう樹木資源を未来に繋いで「循環」させる取り組みを行うのは当然のことと考えています。その一環が、徹底して環境に配慮した素材を採用した「BAUM」のパッケージです。
「BAUM」のパッケージに採用されている木製パーツは、木製家具メーカーの「カリモク家具株式会社」とのコラボレーションにより、家具を作る際に発生する小さな木材を再利用し、カリモクの工場で作られています。東北や北海道地方で採取される良質なオーク(ナラ)を無駄なく活かし、新たな使命を与えることで甦った素材には、一つひとつ木目や色味の異なる味わい深さが生まれ、どれ一つとして同じものがない“プレステージ感”をも醸し出します。この取り組みの前提には、(パッケージを作るために)新たに森林伐採をすることなく、活用されていない遊休資源を有効活用したい、というブランド哲学に基づく想いがありました。そして実際に材料の調達先を探索する過程で、2019年初旬にカリモク家具株式会社からこの想いに共感いただき、協業検討がスタートしたのです。
アップサイクル木材を使ったパッケージは出来るだけ長く使えるようレフィルを配置し、一部パッケージにはバイオPETを使用。またガラス容器にはリサイクルガラスを採用し、外箱などの紙にはFSC森林認証のものを使用しています。さらに持続的な取り組みとして「住友林業株式会社」の協力のもと、パッケージに使用しているオーク(ナラ)と同じ種類の苗木を中心に「BAUM」店舗内で育成し、東北地方にある「BAUMの森」に植樹して森を育てていきます。
「BAUM」が最もこだわったのは、プレステージレベルの “高品質・高デザイン”をサステナブルな設計で叶える、という点です。いくらサステナブルを謳っても、品質やデザインを犠牲にしたり、使う側に不便や我慢を強いるものは市場に残りません。「サステナブルだから使ってもらう」のではなく、「ものすごくかっこいいものが、実はサステナブルに設計されていた」というサプライズーーこれこそが人を動かし、真に市場に根付き、世界をよりよいものへと変えていくと信じています。
遊休資材を芸術の域へと昇華した「BAUM」のルックスは、単なる化粧品の域を超えた “オブジェ”だ。それを実現したのは、資生堂というビッグブランドでしか成し得ない大企業同士のダイナミックな連携に他ならない。大自然の叡智と先進の技術、そしてジェンダーを始めあらゆる枠にとらわれない自由な発想が生んだ「BAUM」。それは、サステナブルであると同時に、自然派でもクリーンでもヴィーガンでもない、化粧品の新たな在り方を体現する「美容哲学」そのものだと言える。
>>>>>スポーツやヨガの後に。「BAUM」からのオススメ<<<<<<<<<<<<
スキン、マインド、ハンド&ボディの3つのカテゴリーで構成された「BAUM」のアイテムは、いずれも世界中から集めた樹木由来の成分をふんだんに採用し、パラベン、シリコーン、合成着色料等を排除し、製品の90%以上が自然由来成分という安全性の高い処方が魅力だ。「何百年と生きる樹木が持つ驚異の"貯水力"が、深いうるおいをもたらすハイドロエッセンスローションと、二層のエッセンスが素肌を柔らかにほぐし、さらりと包み込むモイスチャライジング オイル。この2ステップのシンプルなケアで、男性女性問わず、多忙な毎日に素肌の美しさを引き出すサポートをします」(西脇さん)。
「『BAUM』では、毎日のお手入れの前に森林の香りで心を整えるオリジナルリチュアルを提案しています。ヨガやスポーツの前後に、『BAUM』ならではのルームスプレーとキャンドルの芳香がゆったりと心を調律するマインドフルな時間を演出します」(西脇さん)。「BAUM」の基本の香りであるクリーンで清々しい爽快感をもたらす「WOODLAND WINDS (ウッドランドウインズ)」、スモーキーで神秘的な深緑に包まれたような安らぎ感をもたらす 「FOREST EMBRACE(フォレストエンブレイス)」、そして、樹木や花々の生命力あふれる甘い香りがポジティブな気持ちをもたらす「SYMPHONY OF TREES(シンフォニーオブツリー)」。好みの香りで1日1回は心を整える時間を持ちたい。
ライター/横山正美
ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」「etRouge」(日経BP)「NikkeiLUXE」等のメディアでセレブリティインタビューを始めビューティ関連の執筆活動中。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く