恋愛に悩むあなたへ「承認欲求」を知り、幸せな恋愛をしよう!

 恋愛に悩むあなたへ「承認欲求」を知り、幸せな恋愛をしよう!
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南 舞
南 舞
2019-03-23

恋愛をする度に、「今のパートナーといるのがつらい」「いつも恋愛でいい思い出がない」そう感じているあなた。楽しいはずの恋愛がなぜ苦しいの?それは恋愛相手の承認欲求の強さや、あるいはあなた自身の承認欲求の強さから来ているのかもしれません。臨床心理士でヨガインストラクターとしても活動する筆者が、幸せな恋愛をするための「承認欲求との付き合い方」をお伝えします。

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承認欲求とは?

承認欲求とは、アメリカの心理学者であるマズローが提唱した欲求段階説の中の1つです。欲求段階説は5段階あり、①生理的欲求(食欲、睡眠欲、排泄欲など)→②安全欲求(安全な場所や環境が欲しい)→③所属と愛情欲求(何かの集団や家族、社会に属していたい)→④承認欲求(他者から認められたい、尊敬されたい)→⑤自己実現欲求(自分の能力を引き出し、自己実現したい)という順にピラミッド型に構成されています。前の欲求が満たされると次の欲求が生まれ、段階が進めば進むほど実現が難しいと言われます。

現代の日本において、衣食住が満たされないことはほぼなく、世界的に見ても日本は安全な国なので①と②は満たされていることがほとんど。そのため③④⑤の要求を求める世の中になってきているのかもしれません。その中でも他者から認められたいという承認欲求を求める人たちが増えてきていると言われます。

恋愛における承認欲求とは

程度に関わらず、「他人から認められたい」という承認欲求は誰でも持っていると思います。特に、親密な関係を築いていく恋愛関係においては承認欲求も付きもの。誰でも恋人に愛されたい、褒められたい、恋人から尊敬されたいなどと思う気持ちは多かれ少なかれ持ちますし、むしろその気持ちがあるから恋愛関係も成り立つのです。しかし、その思いが強すぎるとパートナーとの関係に支障をきたすことがあります。

例えば、パートナーを必要以上に独占・束縛して周囲から孤立する。あるいはドメスティックバイオレンスやモラハラなどひどいことをされていても別れられないなど。自分たちだけではなく、周囲との関係さえ危うくなることもあるのです。

承認欲求が強くなるのはなぜ?

承認欲求が強い人の特徴として、自己評価が低かったり、自分の言動や行動に自信が持てないということが挙げられます。自己評価の低さによって、自分で自分を認めてあげることができないため、他者からの言動や行動で自分を評価するしかなくなってしまうのです。そのため、恋愛関係になると、必要以上に相手に尽くしてしまい、それが当たり前だと相手に感じさせて逆に感謝されなくなってしまったり、相手に自分を認めることや褒めることを求めすぎて、それが叶わないと拗ねる、必要以上に相手を攻撃する、あるいは関係に嫌気がさして長続きしないこともあるかもしれません。

承認欲求と付き合っていくには

「相手から認められたい」という欲求は程度には差がありますが、誰にでもあるもの。無くそうと思うと、無くせないことにますます苦しさを感じてしまいますが、少しずつでも減らしていくことはできると思います。

① 自分のことを自分で認められるようになる

他人からの評価で自分の存在価値を見出そうとすると、相手の言動や行動に振り回され、相手の理想通りでない自分に対して苦しくなります。少しずつでいいので自分のことを自分で認めてあげられるようになることをおすすめします。承認欲求が強い人は自分に自信がなく、完璧な自分でないと愛されないと思いがち。「自分には短所もあるけれど、それも含めて自分らしさなんだ。」と受け入れられると少し自分の中にゆとりが生まれてくるかもしれません。

また、承認欲求が強い人は、自分に求めるレベルが高く、自分のことを認める機会が少なくなっているとも言われます。目標設定は、簡単に達成できるところから少しずつ難易度をあげていくようなスモールステップの方式を取って達成感を味わっていくと良いでしょう。

② 他人と自分の間に境界線を引く

ヨガスートラにヴァイラーギャ(見極め)という教えがありますが、これは物や人に対して程よい距離を保ち、依存することなく、お互いの自由を認め合うことの大切さを説いています。承認欲求が強い人は、他人との距離が近かったり、自分と他人の境界線が薄く、依存的な関係になりがち。自分の価値を決めるのは自分。他人はあくまで他人でしかないのです。それは恋愛関係においても一緒。あなたらしくいることを否定したり、依存関係にあることを強要してくる人とは健康的な関係を築くのは難しいかも。

ヨガの練習によって、自分を客観的に観察することや、自分が心地よいと感じること・ものは何かを知ることができます。他人の評価を気にしてしまう人は、ヨガをして自分に意識を向ける時間を積極的に作ってみましょう。

承認欲求を持つことは悪いことばかりではありません。承認欲求があるからこそ頑張れる場面もたくさんありますし、相手と親密な関係を築くにはとても大切なことなのです。承認欲求と上手く付き合い、自分のことも相手のことも大切にできる素敵な恋愛をしていきましょう。

文/南 舞
岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」資格を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

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