【腰痛対策】腰は曲げないようにするより「伸びる」イメージで!腰をかばってしゃがむための思考術
無意識で習慣的な動作は体に必要以上の力みを与え、その力みが凝りや痛みの原因となることがあります。このコラムでは、力みが引き起こす体の問題を探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、体に何が起こっているのかを解剖学的な視点を交えて考察し、体の不調を思考から変える方法を提案します。いつもとは異なる考え方をするだけで有効な方法なので、気軽試してみてください。75回目のテーマは「腰痛と腰のかばい方」です。
腰のかばっているのに腰が痛い
腰痛のときは腰をかばって行動するものです。骨折など明らかなケガ以外にも、神経の圧迫など、腰痛の原因には様々ありますが、いずれにしても腰に負担をかけないように動こうとするでしょう。それなのにうまくかばいきれない、余計に痛みを感じるということってありますよね。
例えば低い位置にあるものを取るとき、腰を曲げないようにまっすぐに保ち、上体を立てたまま手を下に伸ばしてしゃがむことがあります。その動作の裏には、腰をかばうあまりに曲げることを許さないという固定概念があり、その思いが体を必要以上に力ませ、無理な動作をさせているのかもしれません。
腰をかばってさらに痛くなるプロセス
腰をかばって上体をまっすぐに保とうとすると、「まっすぐに」「腰を曲げてはいけない」といった思いに脳が呼応して腹筋や背筋に、本来必要とする以上の力が入ってしまいます。この力みは習慣的なものからくるので、普段は自覚していません。さて、腹筋は股関節や膝といった脚の関節を動かす筋肉と連動しているため、腹筋が力んで固まれば、股関節や膝も固まって臨機応変に動くことができなくなります。そして股関節と膝が動かなければ、足首の関節の自由度も失われます。
こうして脚が動きにくくなるということは、全身のバランスが取りにくくなることでもあります。私たちの体は全ての関節がいつでも自由に連動することによって、どのような体勢であってもバランスを保てるようになっているのですが、その機能を台無しにしているようなものなのです。
そして、うまく取れないバランスを補うために予期せぬ部分が頑張ろうとします。中でも腰は大きく動け、無意識に使いやすい部分ですから、場合によっては余計に負担がかかります。
腰は「曲げない」ではなく「伸びる」ものと考える
そこで腰をかばうにしても、体を固めずに脚を使って腰の動きを補えるようにできればいいのではないでしょうか?
それには、実際には動いていなくても体内が活性化するイメージや、具体的な動きと体がリンクするようなイメージが効果的です。
1. 頭と脊椎の構造を確認する
最初に下のイラストを見て、頭と脊椎に関する認識をアップデートします。
脊椎は椎骨というたくさんの骨が連なってできていますが、首・胸・腰それぞれでカーブを描きながら全身のバランスをとり続けています。たとえ腰をかばってまっすぐにしようとしたとしても、実際にはカーブの度合いが変化するだけで、完全にまっすぐなまま固定されるわけではありません。もしカーブがなければ逆に全身のバランスは取りにくくなるのでしょう。
そして、そんな脊椎の上に頭蓋骨があります。頭蓋骨と脊椎(首)が接するところは、耳たぶの後ろ辺りです。
2.「脊椎は頭のある方に向かって伸びていく」と思う
1を踏まえて、「脊椎は頭のある方に向かって伸びていく」と思ってみてください。無闇に上へ体を引き上げようとするより、「頭がある方へ」と具体的な方向を示すことにより、脊椎を支えている筋肉が必要な分だけ働き始め、自然と腰が伸びてくれます。
3. かがむときには「お尻は頭とは反対の方へ向かう」と思う
そしてかがむときには、脊椎が頭のある方へ伸びることを思うと同時に、「お尻が頭とは反対の方へ向かう」とイメージをします。お尻が移動する先を具体的に示すことによって股関節が自然に動き、連動する膝や足首も使えることでしょう。
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