【直立不動より直立“可”動!】長時間の立ちっぱなしを楽にするために役立つアイデア
日常的な緊張に着目し、不要な力みを手放す訓練をしているアレクサンダーテクニークの実践者が、何気ない動作で起こる様々な体の問題を考察するシリーズ。無自覚の力みが動作に与える影響について解剖学的な視点を交え、イメージするだけで有効な解決策を提案します。72回目のテーマは「立ち姿勢」です。
長時間の立ちっぱなしは辛くて疲れる
歩いたり、重いものをを運んだりしているわけではないのに、長時間の立ちっぱなしで疲れるということはよくありますよね。長蛇の列に並んで順番を待っているときなどは、特に疲れるものです。列を乱さないようにあまり動かないといった思いが、プレッシャーとなっているのかもしれません。このように立つという体勢を「保とう」とすると、私たちは無意識に直立不動を思い浮かべがちです。そんなイメージを通じて体の様々な筋肉が必要以上に力み、余計に疲れさせていると考えられます。
直立不動のイメージが筋肉を力ませる仕組み
直立不動をイメージするとき、そのプレッシャーから体では軽く胸を張る、脇を絞めるといった動作を無意識に行ってしまいます。これらの動作によって、肩甲骨が背中側に寄って首の後ろが詰まり、重心が後ろへ偏ります。加えてその状態でバランスをとろうとするので、自然に腹筋を使って踏ん張ります。腹筋に力が入ると、連動して股関節や膝を動かす太ももの前側の筋肉も張り、股関節と膝、長じて足首の動きを制限してしまうのです。
このように、股関節・膝・足首の動きが制限されれば上半身も力みます。つまりフラフラしても臨機応変には動けない状態に体を追い込んだうえで、力技で立つという行為を続けているわけです。だから立ちっぱなしは辛いし、疲れるのでしょう。
ちなみに猫背でも、体勢を保つために腹筋や太ももの前側の筋肉を無意識に使ってしまうため、同じように股関節・膝・足首の動きは制限されていることが多いです。
列に並んでいるときにすぐできる楽な立ち方
もっと楽に「立つ」を続けるには、直立ではあっても体の内部は自由に動ける状態になることです。そこで次のことを試してみてください。
1. 周囲を見回して視野を広げる
自分の周りにあるものに目を向けて、視野を広げましょう。スマホなど一点に集中していたら、首の後ろはより詰まりやすくなっています。スマホから隣のものへ、そのまた隣へと見えるものを線で結ぶように視点を移動させると、首の動きがスムーズになって首の詰まりが解放されます。
2.「太ももの骨が伸びる」と思う
動きが制限された股関節・膝・足首の自由を取り戻すには、「太ももの骨(大腿骨)が伸びる」と思ってください。膝先の方に、そしてお尻の奥の方に向かって「にゅい〜ん」と伸びるイメージです。膝が自然と曲がりたくなり、それに伴って股関節や足首も動きたくなることでしょう。実際に曲げなくても、このイメージで股関節・膝・足首は活性化します。
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