【オートミール、わずか2日でLDLコレステロールが低下】研究でみえた食べ方のポイントは?
オートミールの摂取がコレステロール低下につながる可能性があり、その背景に腸内細菌の働きが関わっていることが分かった。
2日間のオートミール食試験
ドイツのボン大学の研究者らは、代謝症候群の成人68人を対象に研究を行った。代謝症候群は、内臓脂肪型肥満、高血圧、血糖値の上昇、コレステロール値異常などが重なり、2型糖尿病や心血管疾患のリスクが高まっている状態を指す。参加者の年齢は45歳から70歳だった。参加者は、2日間にわたり高用量のオートミールを摂取するグループと、摂取しない対照グループに分けられた。オートミールを摂取するグループは、1食あたり約100グラムのロールドオーツを使った食事を1日3回、合計300グラム摂取した。オートミールは水で煮たものとし、少量の果物や野菜の追加のみが認められていた。対照グループは、オートミール摂取グループとカロリーや栄養バランスを同程度にしたオートミールを含まない食事を行った。
わずか2日でLDLコレステロールが低下
結果、両グループとも一定の健康改善が見られたが、オートミールを摂取したグループの変化は際立っていた。心臓病との関連が最も強いとされるLDLコレステロールの値が、わずか48時間で約10%低下した。体重は平均約2kg減少し、血圧もわずかに下がった。注目すべきは、通常の食事に戻った後も低下したコレステロール値が保たれていた点だ。6週間後も、低下したLDLコレステロールの水準はほぼ維持されていた。
論文の著者であり、ボン大学で栄養学と腸内細菌を研究するマリー・クリスティーヌ・シモン教授によると、この低下は著しいものだという。効果は現在のコレステロール低下薬ほど強力ではないものの、オートミールを中心とした介入がシンプルで期間も短いことを考えると、非常に注目に値すると述べている。LDLコレステロール値の上昇は、血管壁への蓄積によるプラーク形成を招き、動脈を狭くする要因となる。こうしたプラークが破れると血栓が生じ、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすおそれがある。LDLが少し下がるだけでも、長期的な心血管リスクは低下すると考えられている。
腸内細菌が鍵
研究者によると、わずか2日間のオートミール食が持続的な影響をもたらすその理由は腸内細菌にある。オートミールを多く含む食事によって、参加者の腸内細菌の構成が変化したことが確認された。オートミールの摂取により、オートミールに含まれる化合物であるフェルラ酸の血中濃度が上昇した。高用量のオートミール食では、腸内細菌がフェルラ酸を分解して生じる代謝物であるジヒドロフェルラ酸も増加した。そしてこれらの腸内細菌由来の化合物と、コレステロール低下との間に強い関連があることも示された。また、これまでの研究でもフェルラ酸はコレステロール代謝に関わることが示唆されている。
今回の結果は代謝症候群の人で確認されたもので、健康な人にも同じ効果があるかどうかはまだ明らかではない。一方で、コレステロール低下と強い関連性が見られたフェルラ酸は、腸内細菌がオートミールを分解する過程で生じるものであり、この仕組み自体は多くの人に共通して起こりうるとシモン教授はみている。ただし、健康な人や他の代謝異常を持つ人にも効果が及ぶのかを明らかにするには、さらなる研究が必要だと付け加えた。
少量・長期摂取では効果は限定的
カロリー制限を行わず、1日あたり約80グラムのオートミールを6週間にわたって食べる方法も検証が行われた。しかしこの方法で見られた改善の程度は穏やかだった。コレステロール値は安定する傾向を示したものの、短期間で高用量の方法ほど大きな低下は見られなかった。研究者らは、オートミールの摂取量が中程度の場合、腸内細菌の構成や普段の食習慣といった個人差がより強く影響するためではないかと指摘している。
さらなる研究の必要性
研究者らは、オートミールが薬物治療や医師の助言に代わるものではないと警告している。また、この研究は参加者数が比較的少なく、結果については今後より大規模な研究で確認する必要がある。しかし、この研究は心臓の健康と腸の健康の深い関わりを示している。コレステロール低下に寄与した化合物の多くは腸内細菌が作り出しており、腸内環境を整えることでオートミールの効果が高まる可能性がある。腸内細菌を支えるには、食物繊維が豊富な食品を幅広く取り入れ、ヨーグルトなどの発酵食品を食事に加えるとともに、超加工食品の摂取を控えることが勧められている。
https://www.eatingwell.com/oatmeal-lower-your-cholesterol-study-11894705
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