かえって不調になることも…。オートミールを食べない方がいい人の特徴|管理栄養士が解説
健康やダイエットをきっかけに、オートミールを取り入れる方が増えています。手軽に食物繊維やビタミン・ミネラルが摂れ、白米やパンに比べて栄養価も高い便利な食品です。 しかし、どんなに栄養価が高い食品でも「誰にでも合う万能食」ではありません。体質や食べ方によっては、かえって不調につながることもあります。 今回は、オートミールが合わない人の特徴と、無理なく続けられる工夫をお伝えします。
そもそもオートミールとは?
オートミールは、えん麦(オーツ麦)を食べやすく加工したもの。特に注目されているのが、水溶性食物繊維「β-グルカン」で、これはコレステロールの低下や食後血糖値の急上昇を抑える働きが期待されています。
白米やパンに比べてビタミン・ミネラルも豊富で、手軽に栄養補給ができるのが魅力です。
【オートミール(30gあたり)の栄養価】
・エネルギー:約114kcal
・たんぱく質:3.3g
・脂質:2.1g
・炭水化物:20.7g(うち食物繊維:2.8g)
・鉄:1.0mg
・ビタミンB1:0.08mg
・カルシウム:15mg
※日本食品標準成分表2020(八訂)より概算
オートミールには「ロールドオーツ(粒感がしっかり)」「クイックオーツ(加熱時間が短い)」「インスタントオーツ(お湯や牛乳をかけるだけ)」など種類があり、ライフスタイルに合わせて選べます。
オートミールが合わない人の特徴
「体にいいはずなのに、なんだか調子が悪い…」と感じたら、以下のような傾向がないかチェックしてみてください。
胃腸が弱い、消化機能が低下している方
オートミールには不溶性食物繊維も含まれます。加熱不足や生のままだと、消化不良やお腹の張り、下痢につながる可能性もあります。
オートミールばかりに偏った食事をしている方
オートミールは便利ですが、これだけで栄養を補おうとすると、たんぱく質や脂質、ビタミンの不足につながり、疲労感や集中力の低下を招きやすくなります。特にダイエット中は、食事のバランスを意識することが大切です。
鉄欠乏や貧血が気になる方
オートミールに含まれる「フィチン酸」は、鉄や亜鉛などミネラルの吸収を妨げることがあります。女性や貧血傾向の方は、食材の組み合わせに注意が必要です。
無理なく続ける工夫とは?
主食をローテーションする
オートミールだけにこだわらず、玄米や全粒粉パン、雑穀ごはんなどを組み合わせて主食にバリエーションを持たせると、栄養の偏りを防げます。
胃腸が弱い方は「雑炊」や「スープごはん」風にアレンジ
胃腸が弱い方には、スープや雑炊、おかゆ風に調理するのがおすすめです。クイックオーツやインスタントオーツを使えば、手軽に消化しやすい一品になります。
鉄分不足が気になる方は赤身肉や魚介類を意識
オートミールを食べるときは、赤身肉や魚介類などヘム鉄を多く含む食品を、他の食事で取り入れましょう。また、果物(キウイ、ベリー、柑橘類など)に含まれるビタミンCは、鉄の吸収をサポートしてくれる組み合わせです。
果物をプラスする
朝にオートミールを食べるなら、果物を添えると味の変化も楽しめてビタミン補給にもなります。食事の満足感も上がるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
まとめ
オートミールは、栄養価が高く、うまく活用すれば健康やダイエットに役立つ心強い味方になります。ただし、すべての人に合うわけではなく、体質や食べ方によっては不調の原因にもなり得ます。
合わないかもと感じたら、一度立ち止まって食べ方や組み合わせを見直してみましょう。
無理をせず、自分の体調やライフスタイルに合わせた方法で取り入れることが、食事を楽しむコツとなります。
【参考文献】
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