老廃物が流れにくい人の特徴は"脇の下が硬い"。ゆるめることで体が軽くなる?今日からできるほぐし方

老廃物が流れにくい人の特徴は"脇の下が硬い"。ゆるめることで体が軽くなる?今日からできるほぐし方
AdobeStock

朝起きても体が重い、むくみが取れない、疲れが抜けないと感じることはありませんか。その原因の一つに「脇の下の硬さ」が関係している可能性があります。脇の下には全身のリンパ節が集中していますが、長年の姿勢や運動不足により、この部分の筋肉が硬くなってしまうことがあります。脇の下をゆるめることで、滞っていたリンパの流れが改善し、体が軽く感じられる場合があります。今回は、なぜ脇の下が硬くなるのか、そしてどのようにほぐせば良いのかを、解剖学的な視点から解説します。

広告

なぜ運動不足やデスクワークが多い人の脇の下は硬くなるのか

脇の下には、体内の余分な水分や代謝産物(乳酸、尿酸などの老廃物)を処理するリンパ節と、胸や背中につながる複数の筋肉が集まっています。この部分は本来、腕を動かすたびに伸び縮みして、リンパ液の流れを促す働きをしています。

しかし、運動不足やデスクワークが多い生活を続けると、次のような理由で脇の下が硬くなりやすくなります。

  • 長時間のデスクワークで肩が前に巻き込み、胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が縮んだまま固まってしまう
  • 腕を大きく動かす機会の減少により、脇の下の筋肉が使われず血流が悪化する
  • 加齢や運動不足により、筋肉や筋膜の柔軟性が低下し、硬くなりやすくなる

脇の下が硬くなると、リンパ液の流れが滞りやすくなり、むくみ、肩こり、倦怠感といった不調を引き起こす可能性があります。また、呼吸も浅くなりやすく、疲れが取れにくい状態になることがあります。

脇の下をゆるめると、なぜ体が軽く感じられるのか

脇の下をゆるめることで、3つの変化が期待できます。

  1. リンパ液の流れの改善
    圧迫されていた筋肉がほぐれることで、リンパ節周辺の流れがスムーズになる可能性があります。これにより、一時的なむくみの改善が期待できます。
  2. 呼吸の深まり
    脇の下の筋肉は肋骨とつながっているため、ここがゆるむと胸が広がりやすくなり、深い呼吸がしやすくなります。深い呼吸は自律神経を整え、全身の血流を促す効果があります。
  3. 姿勢の改善
    脇の下がゆるむと巻き肩が改善されやすくなり、肩甲骨が正しい位置に戻りやすくなります。すると首や背中の負担が減り、全身のバランスが整いやすくなります。

脇の下をゆるめる実践メソッド

基本方針:段階的にアプローチしよう

脇の下は非常にデリケートな部位であり、いきなり強い刺激を与えるのは逆効果です。まずは表層の筋肉をゆるめ、徐々に深層にアプローチしていきます。また、片側ずつ丁寧に行うことで、左右の違いを感じながら効果を実感できます。

以下の3つのステップを順番に実践してください。各ステップは1〜2分程度で十分です。毎日続けることで、変化を感じられる場合があります。

ステップ1:腕まわしで脇の下を目覚めさせる

目的:硬くなった脇の下の筋肉に動きを思い出させ、血流を促す

方法:

  1. 立った状態で、右腕を体の横から大きくゆっくりと回します。
  2. 前回し、後ろ回しを各5回ずつ行います。
  3. このとき、肩だけでなく肩甲骨から動かすことを意識してください。
  4. 腕が耳の横を通るときに、脇の下が伸びる感覚を味わいます。
  5. 反対側も同様に行います。
脇の下
photo by KogaNatsumi
脇の下
photo by KogaNatsumi

ポイント:痛みを感じる場合は、回す円を小さくして構いません。呼吸を止めず、動きに合わせて自然に呼吸を続けましょう。

ステップ2:壁を使った脇の下ストレッチ

目的:大胸筋と小胸筋を伸ばし、脇の下の空間を広げる

方法:

  1. 壁の横に立ち、右腕を肩の高さで壁につけます(肘は軽く曲げる)。
  2. 右足を一歩前に出し、体を左側にゆっくりねじります。
  3. 右の脇の下から胸にかけて伸びる感覚を味わいながら、30秒キープします。
  4. 呼吸は止めず、吐く息で少しずつ伸びを深めます。
  5. 反対側も同様に行います。
脇の下
photo by KogaNatsumi
脇の下
photo by KogaNatsumi

ポイント:腕の高さを変えることで、伸びる部位が変わります。肩の高さ、やや上、やや下と3パターン試して、最も硬いと感じる角度を重点的に行いましょう。

ステップ3:セルフマッサージで深層をほぐす

目的:筋肉の緊張を和らげ、リンパ液の流れを促す

方法:

  1. 仰向けに寝て、右腕を頭上に伸ばします。
  2. 左手の指4本を使い、右の脇の下に優しく触れます。
  3. 硬い部分や張りを感じる部分を探し、そこに指を置きます。
  4. 強く押すのではなく、指を置いたまま小さな円を描くように優しく動かします。
  5. 1箇所につき10〜15秒、脇の下全体を丁寧にほぐします。
  6. 最後に脇の下から鎖骨に向かって、手のひら全体で優しくさすり上げます(5回)。
  7. 反対側も同様に行います。

ポイント:リンパ節は非常にデリケートなので、決して強く押さないでください。「少し圧を感じる程度」が適切です。マッサージ後に腕を数回動かすと、より効果的です。

継続のコツ

朝起きたときや、デスクワークの合間、お風呂上がりなど、1日1回は脇の下をケアする時間を作りましょう。3つのステップすべてを行っても5分程度です。体の変化を観察しながら、習慣化していくことが大切です。

脇の下は「体の要所」です。ここをゆるめることで、滞りがちなリンパ液の流れが改善され、体の軽さを感じられる可能性があります。今日から始めて、快適な体づくりを目指しましょう。

 

監修/古賀奈津美
商社のサラリーマンをしていた頃に運動不足解消のために始めたヨガと出会う。ヨガを始めて半年後にRYT200を取得。週末のみ活動するインストラクターから、フリーランスのヨガインストラクターへと転身。常温ヨガ、ホットヨガ、溶岩ヨガなど様々なスタジオで指導。パークヨガやビーチヨガのイベントも実施。現在はオンラインヨガ・児童館にてママ向けヨガを実施中。RYT200取得/ヨガ解剖学基礎講座修了

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

脇の下
脇の下
脇の下
脇の下