【運動後の新常識】最新研究でわかった!“ギリシャヨーグルト”が炎症を抑え、筋肉疲労の回復を早める
トレーニングの後に小腹が減ったとき、エネルギー補給のためにバナナやプロテインドリンクを摂る人は多いかもしれない。しかし、最新の研究でギリシャヨーグルトが実は良いことがわかった。運動後にギリシャヨーグルトを食べると、筋肉の炎症が抑えられ、回復がスムーズになるという。
ギリシャヨーグルトが抗炎症作用をもたらす?!
カナダの研究チームが行った臨床試験で、18〜25歳の健康な男性30名を対象に、12週間のレジスタンストレーニングを実施した。トレーニング後の栄養補給として、あるグループにはギリシャヨーグルトを、もう一方には同カロリーのプリンを与え、体内の炎症マーカーを比較した。その結果は驚くべきものだった。ギリシャヨーグルトを食べたグループでは、炎症性サイトカイン(IL-6やTNF-αなど)の上昇が明らかに抑えられていたのだ。これらの物質は、筋肉の損傷や疲労に関係し、トレーニング後の“筋肉痛”を引き起こす原因のひとつとされている。一方、プリンを摂取したグループではTNF-αの増加が見られ、炎症が強まる傾向が確認された。研究者らは「ギリシャヨーグルトに含まれる高たんぱく質と発酵由来成分が、抗炎症作用をもたらしている可能性がある」と述べる。
腸内環境が整うと炎症性物質の生成が抑えられ、筋肉の回復も促進される
ギリシャヨーグルトが他の乳製品と違うのは、濃厚なたんぱく質に加え、発酵によって生まれる生きた菌=プロバイオティクスを豊富に含むことだ。これらの善玉菌は腸内環境を整え、免疫バランスを改善することで、体全体の炎症反応を抑える働きを持つ。研究チームは、「腸と筋肉はつながっている。腸内環境が整うことで炎症性物質の生成が抑えられ、結果的に筋肉の回復も促進される」とコメントしている。まさに“腸から鍛える”食材といえるだろう。
アミノ酸のひとつである『ロイシン』が筋肉の修復には不可欠
アメリカの臨床栄養士オータム・ベイツ氏は、「ギリシャヨーグルトは運動後の理想的なスナック」と語る。「筋肉を修復するには、アミノ酸のひとつであるロイシンが不可欠です。ギリシャヨーグルトはロイシンを豊富に含み、筋肉の合成を助けます。糖質はエネルギー補給にはなりますが、筋肉を“作る材料”にはならないのです。」さらに、彼女は“全脂無糖タイプ”を選ぶよう勧める。低脂肪タイプでは満足感が得にくく、脂溶性の栄養素であるビタミンK2が失われてしまうためだ。K2は骨や心臓の健康を守る重要なビタミンでもあり、脂肪分と一緒に摂ることで吸収率が高まる。
“運動後30分以内”がゴールデンタイム
実践する際のポイントは、運動後30分以内にギリシャヨーグルトを摂ること。1カップ(約200g)を目安に、ナッツやブルーベリーをトッピングすれば抗酸化効果もプラスされる。甘みが欲しいときは砂糖ではなく、少量のハチミツやシナモンで自然な甘さを加えるのがおすすめだ。さらにベイツ氏によると、ギリシャヨーグルトは自宅でも簡単に作れるそう。市販のプレーンヨーグルトを濾して水分(ホエイ)を取り除くだけで、自家製の濃厚ヨーグルトが完成だ。今回の研究は若い男性を対象にしたもので、すべての年代に当てはまるとは限らないものの、運動後の栄養補給にギリシャヨーグルトを選ぶことで、炎症を抑え、筋肉の回復を早めることが期待できそうだ。プロテインドリンクに飽きたら、ぜひ試してみては?
出典:
Greek yogurt after exercise lowers inflammation more than carbs
Greek yogurt has ‘amazing benefits’ for the body after workouts, new study says
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