【意外】肩こり・腰痛の原因はまさかのココ!?理学療法士おすすめの解消法ピラティスの「マーメイド」
理学療法士の堀川ゆきさんが、肩こり・腰痛の原因と痛みを改善するピラティスを解説します。
肩こりと腰痛はこんなに多い
肩こりと腰痛は、現代人が悩む最も代表的な症状です。厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)における有訴者率では、「肩こり」は女性の第1位、男性の第2位であり、「腰痛」は男性の第1位、女性の第2位でした。
肩こりと腰痛は、実際に経験したことのある人がほとんどではないでしょうか。今はたくさんの対処法があり、それらを知り得ることも容易で、その情報から自分にあったものを選択することができる便利な時代になりました。ただそれでも今もなお国民病として、多くの人を悩ませ苦しめ続けているのが現状です。
原因は「胸郭」かも!?
肩こりや腰痛の原因は多岐にわたるため、一概には言えません。しかし、肩こりと腰痛の原因の一つに、「胸郭」(きょうかく)の可動性が低下していることが考えられます。可動性とは、胸郭を構成している胸椎や肋骨がどのくらい動くかをさします。
胸郭は、
・胸椎12個(背骨の一部分)
・肋骨24本(左右に12本ずつあるアバラ骨)
・胸骨1個(胸の正面にあるネクタイ型の骨)
の合計37個の骨からできてます。
胸郭は鳥カゴのようなドーム型をしています。その中に収まっている心臓や肺、食道や血管の保護、また頭部を支えている頚椎の構造的基盤となり、たくさんの筋肉が付着するところでもあります。胸郭には136個もの関節があるといわれています。その数のおかげで、胸郭の構造や運動は精巧で複雑になっています。
胸郭は、運動不足や姿勢不良、加齢などによって可動性がどんどん低下していきます。胸郭が硬い場合、その下にある腰椎が、硬い胸郭の足りない動きを補わなければならないため、腰に負担がかかります。また、胸郭が硬い場合、胸郭に接している肩甲骨の動きが制限され、アライメントも崩れるので、肩こりなど肩の様々なトラブルにつながります。
腰痛なら腰を、肩こりなら肩を、というように、通常なら患部に直接的に対処しがちですが、肩と腰の中間に存在する胸郭に原因があるというのは意外かもしれません。しかし、実際に私が理学療法士として患者さんの治療にあたる際に、腰痛や肩の症状に対して胸郭にアプローチすることで、症状が改善した例は決して少なくありません。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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