アメリカの人気ヨガ講師が解説!脊柱と胸郭の可動性を高める練習法【体の仕組みがわかる解剖学】
側屈とらせん運動のシークエンス
このシークエンスを行って、体の中にこれまでとは違う力強さとくつろぎを感じてみよう。
90/90側屈
両膝を90度に曲げて膝立ちになる。右足を前に踏み出して膝の真下にくるようにする。左膝は左腰の下にある。左すねと左足の甲をマットの上でゆるめておく。両腕を横から伸ばして肩のすぐ下の高さに揃える。脊柱を伸ばして、恥骨から引き上げる。息を吸いながら、右側に側屈する。左腕を頭上に伸ばし、左耳から引き離す。これによって腹斜筋や腰方形筋など、側屈を支えている体の左側の筋肉が積極的に伸ばされて強化される。また、左側の股関節屈筋群が積極的に伸ばされる。息を吸って胸郭の左側に呼吸を送り、胸郭が広がるのを感じよう。息を吐きながら、骨盤底と下腹部の筋肉を働かせて骨盤の引き上げをさらに強め、腰を伸ばし、股関節屈筋群のストレッチを強める。4~10回ゆっくり呼吸する間この姿勢を保ったら、左腕を下ろして上半身を中央に戻す。脚を入れ替えて、反対側も同様に。
90/90腰下ろしと前屈
膝立ちの姿勢から、両腕を上げる。息を吸いながら右足を軽く前に踏み出して、右膝を伸ばして骨盤を後方に引く。脊柱を中央からずらさず長く保ったまま、上体を前屈させながら両腕を肩の高さに下げる。股関節を曲げることで、股関節の前面の筋膜を柔らかくすることができる。息を吐きながら両腕を上げていき、頭上に真っすぐ伸ばす。この動きをゆっくり4~8回繰り返す。脚を入れ替え同様に。
90/90体側ストレッチとらせん運動
1.左膝を立て、右膝を90度に曲げた姿勢から、左手を床(またはマット)に下ろして左膝の横に揃える。この手をしっかり床に下ろしたら、骨盤を左膝の真上にくるように動かして右腕を頭上に伸ばす。このとき脊柱は長く伸びて側湾している。頭を長く伸ばした首と一直線に揃える。
左手をしっかり床に押し下げ、上腕骨頭を外に出したり引き下げたりらせん状に動かすことによって、肩を安定させる。左腕を力強い柱だと思って、その柱に上半身を布のようにかけるつもりで動こう。右腕をさらに伸ばして広背筋、大胸筋、肋間筋、脊柱伸筋群、腹筋群の伸びを深める。体の左側は、胸郭とウエストラインの筋肉と筋膜が柔らかくなる。
2.息を吐きながら右腕を床のほうに伸ばしていく。腕を伸ばすと、肩甲骨が胸郭に沿って滑るように動き、左胸郭の裏側がらせん状に開いていき、脊柱がその動きに沿って動く。このドミノのような連続した動きを感じてみよう。胸骨を床のほうに向けながら、骨盤を天井のほうに回転させて、腰をさらに開く。
3.息を吸いながら、右腕を頭上に上げる。腕の動きに合わせて、脊柱と胸郭を天井のほうに回転させる。胸郭の前面を開く。右手を遠くに伸ばして手のひらを天井に向けて、胸部の開きと上半身のストレッチを強化する。このらせん運動をゆっくり1~3回繰り返す。
アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)に移って数回呼吸を繰り返す。脚を入れ替えて、反対側も同様に行う。
指導&モデル●カリン・ガートナー
アート・オブ・モーションの創設者であり第一指導者。アナトミー・トレインズ・イン・モーションの考案者でもある。詳しくはウェブサイトへ。art-of-motion.com
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