理学療法士が解説!立ち姿勢が安定する「骨盤ニュートラル」はどんな状態?【まっすぐな姿勢の作り方】
ヨガレッスンでよく耳にする体の疑問や俗説を、理学療法士・中村尚人先生が解剖学の観点からわかりやすく解説。何気なく使っていたあの言葉の、正しい意味が学べます。
Q. 反り腰が悩み。真っすぐな姿勢を意識しています
A. 反り腰は医学的には過前弯のこと!
正常な腰椎は、前弯しているため、骨盤は前傾がノーマル。
反り腰かどうかは、見た目で判断は難しい
上のイラストのような姿勢で、「私は反り腰」と思っている人も多いはず。ですがこれはお腹が抜けた状態で、反り腰ではありません。では「骨盤が前傾している」と、レッスンで指摘された場合はどうでしょうか?
「反り腰とは、医学的には『ハイパーロードーシス(過前弯)』といいます。本来、腰椎は前弯しているのが正常で、骨盤もやや前傾しています。反り腰はそれよりも腰椎の前弯がかなりきつい状態。前弯の正常な角度とは、それぞれ骨格の個性があるので、反り腰を見た目で判断するのは難しいと言えます。なので前傾している=反り腰と決めつけるのは危険。まずは下のワークでニュートラルな骨盤の位置を確認してみましょう。やってみると骨盤の位置が思っている以上に前傾していることに気づくはず」と中村尚人先生。
骨盤がニュートラルだと腸腰筋が働き、立ち姿勢も安定!
真っすぐな姿勢とは?
◎真っすぐな姿勢…腰椎の自然な前弯がある
腰椎の自然なカーブが保たれていると、骨盤は前傾する(骨盤ニュートラル)。
NG:無理に骨盤を立てると…
尾骨を引き込むと腰椎の前弯がなくなる。真っすぐな姿勢と勘違いしやすい。
NG:お腹の力が抜けている…
お腹の力(特に腸腰筋)が抜けていると、骨盤が前にずれて骨盤は後傾に。
WORK ”骨盤のニュートラルを知ろう”
椅子に浅く腰掛け、両耳の下の「乳様突起」を頭頂に向かって押し上げる。骨盤がニュートラルになるので、このときの腰のカーブと骨盤の位置を確認。立ち姿勢でもこのカーブを意識しよう。
【BEFORE】
【AFTER】
ポーズに応用
上のワークで骨盤のニュートラルをつくる。その腰のカーブを保ったまま立ち上がり、片脚を上げる。
そこから膝を伸展。骨盤がニュートラルなので腸腰筋がしっかり機能。脚上げが楽にでき、軸足の安定感もUP。
ウッティターハスタパーダングシュターサナが深まる
NG:骨盤がニュートラルでないと腸腰筋が働かず、グラついてしまう。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士・ヨガインストラクター。UTLにて長年ヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く