理学療法士が解説【足首の関節】距骨下関節を学ぼう|土踏まずを上げて強い足にする簡単ワーク
ヨガに役立つ解剖学の知識を中村先生が伝授する連載。テーマは「関節」。動きの支点となる関節の構造と使い方をマスターして、体の伸び、ポーズの安定性を実感しましょう。
アーチがつぶれると踏ん張れない。土踏まずを上げて強い足に
ポーズ中、支持足がグラグラして安定しないという経験はありませんか。その原因、足首にあるかもしれません。それをたしかめるために、まず下のポーズをとりチェックをしてみましょう。伸ばしているほうの足がNG写真のようになっていませんか?このように小指側が浮き、土踏まずがつぶれると床を強く押すことができません。足のアーチもつぶれてしまうからです。反対に土踏まずが上がっているときはアーチができ、強く安定します。このように足はアーチによって強度を保っています。アーチの形成に関わっているのが距骨下関節です。回内するとアーチがつぶれ、回外するとアーチができます。チェックでアーチがつぶれていた人は、小指側をつける(回外を意識する)ワークを行って、安定感のある強い足をつくりましょう。
【足首の関節】距骨下関節(きょこつかかんせつ)
足首にある関節で、かかとの骨のすぐ上。かかとを持ってつま先を左右に動かしたときに動きを感じるところ。
踵骨(しょうこつ)と距骨の間。足首の回内と回外、縦アーチをつくる働きをする。距骨下関節の回内が強いとアーチがつぶれ、足の力が弱くなる。
足首の回内・回外を確認しよう
回内は、親指側に体重がのり、土踏まずがつぶれた状態(アーチがない扁平足)。回外は小指側に体重がのり、土踏まずが上がった状態。この中間(回外して親指はつける)が正常な関節の位置。
【回内】
【回外】
ポーズで足首チェック
【NG】パールシュヴァコーナーサナをしたときに、後ろ足の小指が浮いて土踏まずがつぶれてしまう人は回内タイプ。
アーチがない
回内している足。土踏まずがつぶれてアーチがないので弱い。
アーチがある
土踏まずが上がった足。アーチがあるので強く安定している。
アーチを鍛えるワーク
①両足を揃え、膝を閉じる。足は親指側も小指側も床につける。
②足はそのままで膝だけ開く(足首回外)。
このとき親指が床から浮きやすいので、下の写真のように親指をしっかりつけておく。10秒キープ。
ヴルクシャーサナが深まる!
上のワークで行ったように親指にも小指にも均等に体重をのせ、足首の回外を意識してアーチをつくる。
片脚を上げてヴルクシャーサナに。軸足は回外を意識し、内くるぶし側に体重が落ちないように足裏で押し続ける。反対も。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。UTLにて長年ヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。
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