知らずに痛めてない? 安全に可動域を引き出す練習法【解剖学に基づいた「肩関節」の動かし方】
ヨガポーズを深めようとして、関節を無理やりに開いたり曲げたりしたくなることもありますが、それは思う以上に、関節を痛めるリスクが大きいもの。関節まわりを効果的にほぐして、安全に本来の可動域を引き出す、解剖学的動かし方をぜひ覚えましょう!
自由度が高い関節だからこそ「安定感」を強化
肩関節は動きの自由度が高く、上腕の骨頭は3分の1とはまり具合も浅い。可動域は広い半面、ヨガでアームバランスや逆転など、腕で体重を支えるポーズは肩に大きな負荷がかかるので、肩の安定感を強くするワークが大切。動かす方向も意識すると、胸から腕が広がる感覚が得られます。きちんと肩を動かすと胸が開き、呼吸が深まる効果も味わえます。
肩関節の動き方を確認しよう
縦の動き
腕を前から上げる「屈曲」、腕を後ろに回す「伸展」。通常可動域は屈曲が180度と広いけれど、伸展は40度と狭い動きが基本。
屈曲
伸展
横の動き
腕を外に開く「外転」、内に閉じる「内転」。肩関節は鎖骨から胸骨中央までつながるので、胸の中心から腕を開閉するイメージを。
外転
内転
ターンの動き
腕を外向きに捻る「外旋」、内向きに捻る「内旋」。関節近くのインナーマッスルを繊細に使う動きなので、肩の安定感が高まる。
外旋
内旋
Turn|ターンの動き
内旋・伸展×外旋・屈曲 の組み合わせが効果大!
肩関節の健康度は、ゴムカーサナのように背中で両手をバインドできるかどうかが目安のひとつ。「内旋・伸展」「外旋・屈曲」を組み合わせたワークでほぐし、この動かし方をイメージすると手が組みやすくなります。
たとえば...ゴムカーサナ
脚を前後に開き、後ろは膝をつき、前の膝はかかとの真上に。まず両手を後ろに伸ばし、親指を内側にして「内旋・伸展」を。吸って親指を後ろに壁があるイメージでタッチするように押す。吐いてゆるめて少し手を戻し、吸ってタッチ、を3~5回。次に両手を上げながら手のひらを返し、親指を外向きにして「外旋・屈曲」へ。手を上げて吸い後ろの壁にタッチ、吐いてゆるめて肩の真上ぐらいまで手を戻す、を3~5回。反対側も同様に。
前ポーズで肩の安定感を高めたら、下の腕は「内旋・伸展」、上の腕は「外旋・屈曲」となるゴムカーサナへ。左膝の上に右膝を重ねて座り、背筋を伸ばす。右手を上から、左手を下から背中に回し、両手を掴む。反対も。
クロップドタンク¥11,800、レギンス¥16,700/すべてイージーヨガ(イージーヨガジャパン☎03-3461-6355)
教えてくれたのは... 野村賢吾先生
ヨガインストラクター、鍼灸師、元立教女学院短期大学非常勤講師。多くのヨガの指導者向けトレーニングで解剖学を担当。インスト ラクター向けオンライン講座「ヨガシークエンスデザインR」、「セロトニンヨガR」を監修。
モデル...宮澤成良さん
モデル、ヨガインストラクター。3歳からクラシックバレエを習う。2011年、乃木坂46のオープニングメンバーとして活動後、現在はモデルとして雑誌・広告などで活躍中。RYT200を取得し、ヨガレッスンも指導している。
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