【65歳以上、安全で効果的なシニアヨガの行い方】あれこれ疑問に理学療法士がアドバイス
65歳以上の高齢者が、約3割を占める日本の総人口。急速に進む高齢化社会を背景に、シニアヨガのニーズも高まっています。理学療法士でヨガインストラクターの堀川ゆきさんに、シニアヨガを安全かつ効果的に行うポイントを教えていただきました。
2021年のシニア世代の人口は?
総務省統計局によると、日本の総人口(2021年9月15日現在推計)は、前年に比べ51万人減少している一方、65歳以上の高齢者の人口は3640万人と、前年(3618万人)に比べ22万人増加し、過去最多となっています。総人口に占める割合は29.1%と、前年(28.8%)に比べ上昇し、過去最高となりました。
2040年には、高齢者の割合は35.3%になると見込まれています。
65歳以上の方を「高齢者」といいますが、高齢者というには躊躇してしまうくらい、心身ともにとても元気で溌剌とされている方が昨今多いことは皆さんもお気付きのことと思います。
ですので、「高齢者、先輩、上級者」など幅広い意味を持つ「シニア」という言葉がふさわしいかなと思います。今回は理学療法士の視点から、安全で効果的なシニアヨガを行う上で、指導者と参加者の両方が知っておいてほしいポイントをお話します。
シニアヨガでの注意点は?
いくら若々しく見えたとしても、やはりシニアの場合注意しなくてはいけないことがいくつかあります。シニアヨガでの注意点は、
1、無理はしないで徐々に行う
2、ストレッチしてから開始する
3、水分を補給する
4、痛みが起きたら休息を取る
5、トレーニング中の転倒に注意
6、少しの時間でもできるだけ毎日行う
7、「ややきつい」と感じられるくらいの運動を行う
8、慣れてきたら次の課題に移る
9、トレーニング内容は複数の種目を行う
10、継続が最も大切
この10項目です。
こちらは「コグニサイズ」実施の10か条として掲げられています。「コグニサイズ」とは国立長寿医療センターが、
・Cognition(コグニション=認知)
・Exercise(エクササイズ=運動)
を掛け合わせて作った造語で、認知症予防を目指した運動プログラムです。
この10項目は、ヨガを含むすべての運動や、リハビリを行う上でも共通して重要な項目のため必見です。運動が安全かつ効果的なものとなるように、この10項目は必ず守りましょう。コグニサイズについてはこちらのコラムで少しお話しています。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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