【知るだけで変わる】ヨガのバランスポーズが苦手……理学療法士によるバランスポーズがキマる秘訣
苦手な人も多いヨガのバランスポーズですが、実はたった3つのポイントで驚くほどポーズが決まるようになるんです。 バランスの定義・バランス能力の検査方法・バランスポーズのポイントを、理学療法士の堀川ゆきさんに教えていただきました。
バランスの定義とは?
ヨガに登場するバランスポーズが「どうも苦手・・・」という人は結構いるのではないでしょうか? 今回はバランスとは何か、バランス能力の検査法、そしてヨガのバランスポーズにトライする時の3つのポイントを理学療法士の視点からお話します。
バランスとは、「重力をはじめとする環境に対する生体の情報処理機能の帰結・現象をさす」と定義されます。ちょっと難しいので分かりやすく説明すると、バランスは大きく次の2種類に分けることができます。
静的バランス
動かず静止している状態でバランスを保ち続ける能力です。「だるまさんが転んだ」や「氷おに」のような、ピタッと静止する遊びを思い浮かべてください。同じ支持基底面の中で重心を安定させ続けます。
(例:立位、座位、片脚立ち)
動的バランス
動きを伴っている状態でバランスを保ち続ける能力です。お辞儀動作のように重心の位置が変化するものや、歩行動作のように支持基底面そのものが変化する中で安定を続けます。
(例:椅子から立ち上がる、歩行、階段昇降)
支持基底面とは、足裏など床面に接している部分の外周により作られる領域をいいます。
バランス能力の検査法
リハビリで用いるバランスの検査にはいろいろありますが、中でも静的バランスと動的バランスの両方の総合的なバランステストである「ベルグ(バーグ)・バランス・スケール」(Berg balance scale,BBS)が有名です。
評価項目には、以下の14項目があります。まずは簡単な静的バランスからテストして動的バランスへと、そして支持基底面が徐々に狭まっていくような項目順になっています。椅子に座って立ち上がる簡単な課題から始まり、最後は片足立ちといった高度なバランス課題で構成されています。
実際私もこの内のいくつかの項目を、病院の患者さんのリハビリで頻繁にテストします。臨床に限らずヨガクラスでも、生徒さんにエクササイズとして取り入れたりすることもあります。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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