【知って得する解剖学】後屈の動きが上達する!背中の関節「椎間関節」について学ぼう
ヨガに役立つ解剖学の知識を中村先生が伝授する連載。テーマは「関節」。動きの支点となる関節の構造と使い方をマスターして、体の伸び、ポーズの安定性を実感しましょう。
椎間関節の動きを利用して苦手な後屈ポーズを攻略しよう
胸が開かず後屈ポーズは苦しいだけ……という人は少なくないはず。そこで、胸を開くための大事な関節「椎間関節」に注目してみましょう。
まず、胸を開くためには背骨(胸椎)が伸展した状態にならなければなりません。これを行っているのが椎間関節です。椎間関節が圧縮されると背骨が伸展し、椎間関節が開くと背骨は丸まります。
椎間関節は椎骨の両側にあるので、片側ずつ圧縮していくことで無理なく背骨の伸展を引き出すことができます。
その方法として最適なのがツイストです。たとえば、体を右にねじると右の胸椎の椎間関節が圧縮されて右胸が開きます(左側もこれと同様)。ツイストを左右行った後で後屈ポーズに入ると、胸がすんなり開くのが感じられるでしょう。後屈の攻略法としてぜひ試してみてください。
背中の関節【椎間関節】
背骨の中央(骨が出ている部分)から下がった両側。背骨を形成する椎骨一つひとつが接している部分。
ひとつの椎骨の上下左右(4カ所)にある。このわずかなすき間で椎骨同士が開いたり圧迫されたりして、脊柱の動きをつくっている。
胸の開きをチェックしてみよう!
胸の開きをチェックしよう! 床から手を離したブジャンガーサナで、鎖骨の付け根が10cm以上浮けばOK。上がらなかったら、下のワークで椎間関節の動きを引き出そう。
関節の動きを意識して胸を開こう
両膝の間を軽く開いて正座する。両足の後ろにブロックを置いておく。
両肘を肩の高さに上げる。左肘を後ろに引きながら左に上体をツイスト。
右手で左胸を外に開き、左手はブロックを押して左胸を引き上げる。30秒保ったら、反対側も。
両手でブロックを押して左右同時に胸を開く。30秒キープ。
※ブロックは高くしておくと行いやすい。
ダヌーラーサナが深まる!
肘を床につけて、みぞおちから上を起こす。目線は正面に。
右肘を横に張って体を支えたら、左手を外に開きながら左にツイスト。左膝を曲げて足と手を近づけ10~30秒キープ。反対側のツイストも行う。
ツイストによって椎間関節の動きが良くなったところで、左右同時に胸を開いてダヌーラーサナの完成形へ。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。UTLにて長年ヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。
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