【知って得する解剖学】 骨盤が安定する!腸腰筋スイッチを入れる「反るだけヨガ」
ヨガポーズをとるときに「骨盤を立てられない...」という悩みは、実は「反るだけ」で解決できるんです。中村尚人先生考案のワークを伝授いただきました!
骨盤は実は不安定。まずは仕組みを知ろう
中村尚人先生(以下、中) ニーナさんは、ヨガを行うとき、骨盤のゆがみって気にしている?
伊藤ニーナさん(以下、ニ) 普段の生活では気にしていますが、ヨガにも影響するんですか?
中 そうだね。たとえば腰が反って痛いとか、側屈や後屈ポーズが苦しいという人は、骨盤が前や後ろに傾いたままポーズをとっているのが原因だったりするんだよ。
ニ 確かにヨガでは必ず、「骨盤を立てなさい」って言われますよね。そもそも、どうして骨盤は傾きやすいんですか?
中 まず骨盤がゆがむと言うけれど、骨盤そのものがゆがむことは稀。つまり「ゆがみ」とは骨盤が前後左右に傾いてしまうことを指す場合がほんどだよ。それはなぜかというと骨盤とつながっている大腿骨の骨頭が、まん丸でしかもツルッツルだから。つまり骨盤はボール状の骨にカポッとハマっているだけなので、後ろや横に傾きやすい。なので、重力に負けず骨盤が真っすぐのままの状態をキープするのは実はとても難しいんだ。
骨盤と体幹の安定は「反るだけ」で実現!
ニ そうだったんですね骨盤が真っすぐのままポーズをとるにはどうしたらいいんですか?
中 それは骨盤と大腿骨をつないでいる股関節を安定させるインナーマッスル、腸腰筋を使えるようになることが重要。腸腰筋は鼠蹊部を少し後ろに引くと、筋肉が働くスイッチが入る。すると、骨盤を正しい位置で支えられ、真っすぐ保つことができるんだよ。
ニ 股関節が安定すれば、その上にのる骨盤も安定する、ということですね!鼠蹊部を引くだけなら、誰でも簡単にできそう。
中 ただし、腸腰筋だけでは足りないんだよね。もうひとつ、コルセットのようにお腹をぐるりと覆っている腹横筋を使うことがポイントなんだ。そこで有効なのが「反る」こと。長年、猫背姿勢や骨盤後傾だった人は、重力に押しつぶされて、胸は硬く縮んでいるし、お腹も押し出された状態。腸腰筋のスイッチを入れて骨盤を立てたら、さらに上体を反らせて、胸を引き上げる。すると、お腹が引き伸ばされて腹横筋が働き、骨盤とともに体幹も安定。ポーズがグッと安定するんだよね。
ニ 骨盤を正しい位置にキープするためには、お腹や胸のポジションも大切なんですね。早速、試してみます。
腸腰筋が使えないと、重力に負け骨盤が後ろに傾くことに...。股関節が腸腰筋で支えられると骨盤も安定。
まずはこのプレワークで反る準備をしよう
「胸から反る」ためには、腸腰筋と胸の柔軟性が必要。まずは鼠蹊部を押し込む感覚で腸腰筋を目覚めさせ、胸のこりをほぐして呼吸が入りやすくしていきましょう。
反るためにはこの胸のふくらみを目指そう!
腸腰筋を目覚めさせる
両足を腰幅に開いて立ち、両手は手のひらをおへその下にあてる。下腹部を思い切り前に出し、続けて両手で下腹部を押し込む。この押し込んだ状態を覚えることが大切。5回ほど行い、感覚をインプット。
肋骨を押し上げる
①右手のひらを左の胸につけ、手のひらを鎖骨に向かって、肋骨を斜め上に押し上げて3〜5呼吸キープ。左も同様に行う。
②最後は両手を胸の上におき、同様に行う。
横から見ると
肩まわしで胸をほぐす
両手の指を鎖骨につけて、肘を肩の高さで左右に開く。脇を開けたまま、できるだけ大きな円を描くように肘を回す。このとき、肩からではなく肘の延長線上の鎖骨から大きく回すイメージで行う。前回し・後ろ回しを各5回行う。反対も行う。
ニーナさん:ブラトップ ¥9,130、レギンス¥10,780、ブラトップ¥9,680、レギンス¥10,780(6月中旬発売) すべてseeset(高荘☎03-3862-2301)
教えてくれたのは...中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。「TAKT EIGHT」主宰。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指す。オンラインレッスンも大人気。
モデル...伊藤ニーナさん
GINGERスターオーディションモデル部門にてグランプリを受賞。『GINGER』(幻冬舎)、『CLASSY.』(光文社)などで活躍中。大型ファッションイベントやバラエティー番組にも多数出演している。
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