その肩こり、食べ過ぎが原因かも!?【東洋医学に学ぶ、身体の症状と内臓の意外な関係】
(1)肩こり=食べ過ぎ
東洋医学(中国医学)の考え方では、右肩の痛みは胆のう、左肩や左腕の痛みは心臓(心筋梗塞や狭心症)の可能性があります。
「腹八分目に医者いらず」「腹も身の内」「大食短命」「節制は最良の薬」日本には古くからさまざまなことわざがあり、「食べ過ぎ」を戒めることばが多く存在します。それは、食べ過ぎると内臓に負担がかかり、さまざまな身体の機能が低下するため。「食べ過ぎ」で身体に出る症状として、胃痛や腹痛、口まわりの荒れなどの他に「肩こり」が挙げられます。
食べ過ぎでの肩こりは、肩回り全体が重い「怠い」感覚が多く、肩こりの血流障害が原因で頭痛を引き起こしたり、肩の張りが背中まで広がり背中の痛みとして感じる人もいます。身体の中に食べ物が入ると、胃をはじめさまざまな臓器(内臓)が動き始めます。身体に入る量が多いと臓器にはその分負担がかかります。
内臓には多くの血管やリンパ節が密集しているため、内臓の機能が低下し血流やリンパの流れが悪くなると、身体に支障が出てきます。食べ過ぎによる内臓の負担による(先程お伝えした)「圧痛点」は肩周辺にあるため、食べ過ぎると肩のコリ・肩の張りをして表れます。
似たような痛みに膵臓の疲労による(どちらかといえば右に多い)肩首から肩甲骨辺りの痛みがあります。これは慢性的に食べ過ぎ、もしくは糖分の摂取が過剰な状態が続いていると考えられます。また、胆のうの疲労による痛みも右肩に表れます。油物を多く摂った後(食後)に右脇腹が痛む場合は胆石の可能性もあります。
※子どもが肩や首を痛がっている場合は、咽頭炎や首のリンパ腺の腫れの可能性もありますので気を付けましょう。
最近肩こりが酷く、マッサージをしても湯船に浸かっても治らない場合、これら食べ過ぎや内臓の疲労を疑ってみましょう。
(2)おでこのシワ=腸(小腸)
肌の保湿をしても、頭皮のマッサージをしても治らない、そんな方はもしかしたら腸が弱っていたり炎症を起こしているのかもしれません。
額周辺の反射区は腸、主に小腸です。おでこのシワだけでなく、ニキビが多い場合も同じく腸の可能性があります。食べ過ぎによる肩こりは、個人的に当日や翌日など比較的すぐに症状が出ますが、おでこのシワの原因である腸の不調は慢性的な食生活の乱れとして腸が弱ってしまっている可能性が高いです。
また、腸は身体のバロメーター。腸を健やかに保つことはおでこのシワの改善だけでなく、身体全体を元気にしてくれます。腸については||【医師監修】痩せない・肌荒れ・冷え・生理痛・憂鬱…全て腸に原因があるかも?「プチ不調が整う腸活」||でも解説しています。
(3)眉間のシワ=肝臓
東洋医学(中国医学)の考え方では、シワの中でも眉間にできてしまったシワは肝臓が弱っている可能性があります。
肝臓の反射区は「眉間」です。縦にくっきりと深く溝のようなシワができてはいませんか。肝臓というとお酒を連想する方も多いと思いますが、肝臓は「怒りの臓器」とも言われています。東洋医学では、臓器にはさまざまな感情が宿り、臓器と心は密接につながっていると考えられています。
イライラすると自然に眉間に力が入ってしまうのも、眉間は肝臓の反射区であり「怒りの臓器」だからと言えるでしょう。逆に心が穏やかな時、ヨガでシャバ―サナをしている時、眉間が解放されますね。肝臓は「怒りの臓器」であると同時に「優しさの臓器」でもあります。
第六チャクラでもあるサードアイ「第三の目」は眉間にありますが、ヨギー・ヨギーニである私たちは、眉間は柔らかくしておきたいものですね。
※肝臓が極端に弱っている場合、尿の色が濃くなったり、「黄疸」といい白目の部分が全体的に黄色味を帯びていたり、皮膚が以前よりも黄色くなることもあります。
(4)鼻の肥大 / 左肩・左腕のコリ=心臓
「肩こり」の説明で【右肩の痛みは胆のう、左肩や左腕の痛みは心臓(心筋梗塞や狭心症)の可能性もあります。】とお伝えしました。東洋医学(中国医学)の考え方では、肩の痛みには「食べ過ぎ」によるものと、「心臓に関する疾患」があります。心臓に関する疾患の場合は特に左肩や左腕のコリとして表れる場合があります。また、鼻が赤く腫れあがっている人は心臓肥大である可能性があります。
鼻づまりや鼻血が頻繁に出る人は、呼吸障害により心臓への血液の還流が悪くなり心臓に負担がかかります。血液がドロドロの場合や過度のアルコールやカフェインの摂取も心臓に負担がかかります。高血圧による心臓肥大など心当たりのある人は、鼻の肥大や慢性的な左肩・左腕のコリがあるかもしれません。
また、心臓の反射区としては、左足裏の薬指と小指の間、指三本くらい下のあたりのくぼみにあり、そこを押して激しい痛みを感じる人は注意が必要かもしれません。
(5)あごの吹き出物 / かかとの荒れ=子宮・卵巣・生殖器
生理前になるとあごにニキビや吹き出物ができる、男性でもあご周りの肌荒れが目立つ。東洋医学(中国医学)の考え方では、そのような場合は子宮や卵巣、生殖器の機能低下の恐れがあります。
あごにできるニキビを「大人ニキビ」と例えたりしますが、これはホルモンバランスの影響を受けやすい箇所と言えます。あご周辺は男女共に生殖器の反射区があり、肌荒れの他にも指圧で顔の他の部位よりも痛みを生じる場合は注意が必要です。
そして生殖器の反射区はかかとの足裏部分にもあります。かかとが荒れていたり、マッサージで痛みを感じたりゴリゴリプチプチしたしこりがある場合もまた、生殖器の機能低下やホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。
その他、子宮の反射区はかかとの内側、足の側面にあります。卵巣の反射区は子宮と反対のかかとの外側、足の側面にあります。ここを指圧して痛みが生じる場合は子宮を温める(子宮を冷やさない)、ホルモンバランスを整えるなどのケアをしてみましょう。
またヨギ―・ヨギーニのみなさんは足裏の感覚を大切にされている方も多いと思います。足裏周辺は「第二の心臓」とも呼ばれ、約60もの反射区があるとも言われています。足裏のマッサージはさまざまな身体の不調を整えてくれる反射区がたくさんありますので、足裏のマッサージを習慣化することはとても良いこと言えるでしょう。
※生殖器の反射区は足裏の他にも手のひらと手首の境目にもあります。
最後にお手当法のご紹介です。
AUTHOR
半田葉子
バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_
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