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その肩こり、食べ過ぎが原因かも!?【東洋医学に学ぶ、身体の症状と内臓の意外な関係】

身体の症状と内臓の関係

肩こりやおでこや眉間のシワなど…もしかしたら内臓が原因かもしれません。

身体の症状と内臓の関係
(1)肩こり=食べ過ぎ(右肩の場合…胆のう)
(2)おでこのシワ=腸(小腸)
(3)眉間のシワ=肝臓
(4)鼻の肥大 / 左肩・左腕のコリ=心臓
(5)あごの吹き出物 / かかとの荒れ=生殖器・膀胱系

ほんの一例ですが、このように内臓の状態が別の症状として身体に表れることがあります。

これらは東洋医学(中国医学)の考え方「四診・望診(注1)」や経絡(注2)の流れに関係していたり、また「放散痛(注意3)」が関係している場合もあります。このような場合、いくら痛みの患部のケアをしてもその原因となる内臓のケアをしないと根本治療にはならないことが多くあります。

※注1:四診(ししん)…漢方医学で用いる4つの診断方法。望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診(もんしん)、切診(せっしん)を総称して四診(ししん)といい、漢方の処方は、四診により処方を決定する。望診とは視診のことであり、患者全体を観察し、肉付き、骨格、顔色、皮膚の艶、舌の状態などを診る。特に舌を観察することを舌診(ぜっしん)といい、漢方では舌は体内の状態を反映する鏡と考え(すなわち気・血・水とのつながりが深いことを意味する)、重視する。公益社団法人「日本薬学会」HPより

※注2:経絡…東洋医学(中国医学)における物理療法、とくに鍼灸(しんきゅう)治療の理論体系として重要視される経穴(けいけつ)、つぼの機能的な連絡系のこと。「気血水」というエネルギーの流れる流体通路系という考え方が主。「気血水」のからだの巡りについては||体がだるい・疲れ・倦怠感…「湿邪体質」が原因かも?【東洋医学】に学ぶ梅雨時期の過ごし方||でも解説しています。

※注3:放散痛(関連痛)…末梢神経などの圧迫により、末梢神経に沿って広がる痛みのこと。病気の原因部位とまったくかけ離れた部位に現れる痛みのこと。

放散痛について

放散痛は内臓体壁反射という体の仕組みによって起こるものですが、これは神経の誤認識のようなもの。腕がだるい、みぞおちがキリキリする、背中が痛むといった経験はありませんか。これらは関連痛とも言い、肩こりをはじめ奥歯やのどにも痛みを感じることがあります。

整体や鍼灸をはじめ西洋医学でも、身体を診断する際に圧痛点(指などで圧迫した際に強く痛みが出る点)を利用した診断方法があります。これらは圧診断とも呼ばれ、特定の部位の痛みから根本原因である内臓の不調を探し出す診断です。

肩こりを中心にそれぞれ身体の痛みと内臓の関係をひとつずつ見ていきましょう。最後に「こんにゃく湿布・小豆カイロ」のお手当法もご紹介します。


小豆カイロ

 
 
 
 
 
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肩こり=食べ過ぎの意外な関係とは?

(1)肩こり=食べ過ぎ

東洋医学(中国医学)の考え方では、右肩の痛みは胆のう、左肩や左腕の痛みは心臓(心筋梗塞や狭心症)の可能性があります。

肩こり
photoAC

「腹八分目に医者いらず」「腹も身の内」「大食短命」「節制は最良の薬」日本には古くからさまざまなことわざがあり、「食べ過ぎ」を戒めることばが多く存在します。それは、食べ過ぎると内臓に負担がかかり、さまざまな身体の機能が低下するため。「食べ過ぎ」で身体に出る症状として、胃痛や腹痛、口まわりの荒れなどの他に「肩こり」が挙げられます。

食べ過ぎでの肩こりは、肩回り全体が重い「怠い」感覚が多く、肩こりの血流障害が原因で頭痛を引き起こしたり、肩の張りが背中まで広がり背中の痛みとして感じる人もいます。身体の中に食べ物が入ると、胃をはじめさまざまな臓器(内臓)が動き始めます。身体に入る量が多いと臓器にはその分負担がかかります。

内臓には多くの血管やリンパ節が密集しているため、内臓の機能が低下し血流やリンパの流れが悪くなると、身体に支障が出てきます。食べ過ぎによる内臓の負担による(先程お伝えした)「圧痛点」は肩周辺にあるため、食べ過ぎると肩のコリ・肩の張りをして表れます。

似たような痛みに膵臓の疲労による(どちらかといえば右に多い)肩首から肩甲骨辺りの痛みがあります。これは慢性的に食べ過ぎ、もしくは糖分の摂取が過剰な状態が続いていると考えられます。また、胆のうの疲労による痛みも右肩に表れます。油物を多く摂った後(食後)に右脇腹が痛む場合は胆石の可能性もあります。

※子どもが肩や首を痛がっている場合は、咽頭炎や首のリンパ腺の腫れの可能性もありますので気を付けましょう。

最近肩こりが酷く、マッサージをしても湯船に浸かっても治らない場合、これら食べ過ぎや内臓の疲労を疑ってみましょう。

(2)おでこのシワ=腸(小腸)

肌の保湿をしても、頭皮のマッサージをしても治らない、そんな方はもしかしたら腸が弱っていたり炎症を起こしているのかもしれません。

おでこ
photoAC

額周辺の反射区は腸、主に小腸です。おでこのシワだけでなく、ニキビが多い場合も同じく腸の可能性があります。食べ過ぎによる肩こりは、個人的に当日や翌日など比較的すぐに症状が出ますが、おでこのシワの原因である腸の不調は慢性的な食生活の乱れとして腸が弱ってしまっている可能性が高いです。

また、腸は身体のバロメーター。腸を健やかに保つことはおでこのシワの改善だけでなく、身体全体を元気にしてくれます。腸については||【医師監修】痩せない・肌荒れ・冷え・生理痛・憂鬱…全て腸に原因があるかも?「プチ不調が整う腸活」||でも解説しています。

(3)眉間のシワ=肝臓

東洋医学(中国医学)の考え方では、シワの中でも眉間にできてしまったシワは肝臓が弱っている可能性があります。

肝臓
AdobeStock

肝臓の反射区は「眉間」です。縦にくっきりと深く溝のようなシワができてはいませんか。肝臓というとお酒を連想する方も多いと思いますが、肝臓は「怒りの臓器」とも言われています。東洋医学では、臓器にはさまざまな感情が宿り、臓器と心は密接につながっていると考えられています。

イライラすると自然に眉間に力が入ってしまうのも、眉間は肝臓の反射区であり「怒りの臓器」だからと言えるでしょう。逆に心が穏やかな時、ヨガでシャバ―サナをしている時、眉間が解放されますね。肝臓は「怒りの臓器」であると同時に「優しさの臓器」でもあります。

第六チャクラでもあるサードアイ「第三の目」は眉間にありますが、ヨギー・ヨギーニである私たちは、眉間は柔らかくしておきたいものですね。
※肝臓が極端に弱っている場合、尿の色が濃くなったり、「黄疸」といい白目の部分が全体的に黄色味を帯びていたり、皮膚が以前よりも黄色くなることもあります。

(4)鼻の肥大 / 左肩・左腕のコリ=心臓

「肩こり」の説明で【右肩の痛みは胆のう、左肩や左腕の痛みは心臓(心筋梗塞や狭心症)の可能性もあります。】とお伝えしました。東洋医学(中国医学)の考え方では、肩の痛みには「食べ過ぎ」によるものと、「心臓に関する疾患」があります。心臓に関する疾患の場合は特に左肩や左腕のコリとして表れる場合があります。また、鼻が赤く腫れあがっている人は心臓肥大である可能性があります。

心臓
AdobeStock

鼻づまりや鼻血が頻繁に出る人は、呼吸障害により心臓への血液の還流が悪くなり心臓に負担がかかります。血液がドロドロの場合や過度のアルコールやカフェインの摂取も心臓に負担がかかります。高血圧による心臓肥大など心当たりのある人は、鼻の肥大や慢性的な左肩・左腕のコリがあるかもしれません。

また、心臓の反射区としては、左足裏の薬指と小指の間、指三本くらい下のあたりのくぼみにあり、そこを押して激しい痛みを感じる人は注意が必要かもしれません。
 

(5)あごの吹き出物 / かかとの荒れ=子宮・卵巣・生殖器

生理前になるとあごにニキビや吹き出物ができる、男性でもあご周りの肌荒れが目立つ。東洋医学(中国医学)の考え方では、そのような場合は子宮や卵巣、生殖器の機能低下の恐れがあります。

生殖器
AdobeStock

あごにできるニキビを「大人ニキビ」と例えたりしますが、これはホルモンバランスの影響を受けやすい箇所と言えます。あご周辺は男女共に生殖器の反射区があり、肌荒れの他にも指圧で顔の他の部位よりも痛みを生じる場合は注意が必要です。

そして生殖器の反射区はかかとの足裏部分にもあります。かかとが荒れていたり、マッサージで痛みを感じたりゴリゴリプチプチしたしこりがある場合もまた、生殖器の機能低下やホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。

その他、子宮の反射区はかかとの内側、足の側面にあります。卵巣の反射区は子宮と反対のかかとの外側、足の側面にあります。ここを指圧して痛みが生じる場合は子宮を温める(子宮を冷やさない)、ホルモンバランスを整えるなどのケアをしてみましょう。

またヨギ―・ヨギーニのみなさんは足裏の感覚を大切にされている方も多いと思います。足裏周辺は「第二の心臓」とも呼ばれ、約60もの反射区があるとも言われています。足裏のマッサージはさまざまな身体の不調を整えてくれる反射区がたくさんありますので、足裏のマッサージを習慣化することはとても良いこと言えるでしょう。
※生殖器の反射区は足裏の他にも手のひらと手首の境目にもあります。

最後にお手当法のご紹介です。

これからの季節にお勧めのお手当法とは

これからの季節にお勧めのお手当法

みなさんは「こんにゃく湿布」「小豆カイロ」をご存知でしょうか。どちらもそれらを温めて患部に当てることで、患部がじんわり温まり、市販の温シップやカイロの表面的な温かさではなく、身体の中まで優しい温もりを感じることができます。アロマとの併用もお勧めです。

アロマ
photoAC

こんにゃくも小豆も何度も使用することができるので、気になった方は是非試してみてください。

【こんにゃく湿布】

1.こんにゃくを鍋に水から入れ、沸騰してから約10分間茹でる。
2.茹でたこんにゃくをタオルにくるみ、肌に触れて心地の良い温かさにタオルで調整する。
3.痛みを感じる臓器の部分に当てて30分ほどじんわりと患部を温めます。

使用したこんにゃくは、食用と同じく水に張った容器に入れ何度でも使用できます。だんだん縮んで硬くなってきますので、役目を終えたこんにゃくは感謝の気持ちで廃棄してください。
※一度使用したこんにゃくを食すことは不可能ではありませんが、せっかくなので湿布として継続的に幹部のケアをしてみてください。

【小豆カイロ】

こちらは市販でも販売されているので、使用したことがある人・目にしたことがある人も多いかもしれません。

1.綿、もしくは麻を袋状にし、その中に小豆を適量入れます。
(平らにした時に小豆が2段になるくらい)
2.レンジで5~10秒ほど温めます。
※レンジがない場合や、電磁波が気になる方は、ジップロックに入れて湯銭にかけても良いでしょう。
3.こんにゃく湿布同様、痛みを感じる部分に当て、じんわりと患部を温めます。

小豆カイロはこんにゃく湿布に対し、密着度が高いので、両肩にのせたり、アイピローとして使用したり凸凹の箇所に当てるのに向いています。
※小豆カイロも何度でも使用できますが、短時間の間に何度もレンジで加熱すると豆が乾燥して割れてしまうおそれがありますので、一回使用したら4時間以上の間隔を空けてから使用するようにしましょう。
※こんにゃく湿布も小豆カイロも火傷には十分ご注意ください。

こんにゃく湿布も小豆カイロも、一度試すとその優しい温かさがとても心地よく、何度でも試したくなるお手当方法です。

今までのケアで改善が実感されなかった方、是非一度試してみてくださいね。

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