体がだるい・疲れ・倦怠感…「湿邪体質」が原因かも?【東洋医学】に学ぶ梅雨時期の過ごし方
梅雨の時期になると身体が重い、疲れやすい、体調が悪くなる…。もしかしたらそれは水の代謝が滞っている【湿邪】が原因かもしれません。今回は私たちの身体の60%を占める「水」と「代謝」の関係について、マクロビオティック歴15年で腸セラピストの ≪素果子|sugashi≫ 店主、半田葉子さんが解説します。
≪水を毎日2リットル以上飲む≫一度は耳にしたことがある健康法ではないでしょうか。
お水を飲むと確かに体に良いことはたくさんあります。しかし、それは水の代謝がしっかりできている場合です。水の代謝が悪い人が大量の水を飲むと逆にむくみやだるさの原因になってしまう恐れがあるので、注意が必要です。
体の60%が水分
私たちの体は一般成人男性で体重の約60%、一般成人女性で約55%、つまり半分以上が水分(体液)でできています。50Kgの女性の場合、約27.5Kgが体液でできています。
【 一般成人男性の平均体組成の割合 】
①体液(水分) 60% ※注)1
②タンパク質 15~20%
③体脂肪量 15%
④糖質・ミネラルその他 5%
※注1 細胞外液20%(内、組織液15%)、細胞内液40%
※骨2.5kg
水分…新生児は80%、乳児は75%、成人女性は55%、高齢者は50%~55%
湿邪(しつじゃ)とは
東洋医学における病気の原因の一つとされている「湿邪(水の邪気)」。湿度の高い時期に、余分な水分や老廃物が溜まることで引き起こされる心身の不調のことを言います。体内に滞った老廃物を排出するには水分が必要なのですが、その水分が体内に溜まってしまいうまく排出されない場合に起こります。
東洋医学では「湿邪」が「冷え」を引き起こし、血液の循環が滞って【代謝】が悪くなるとされています。症状として「体のだるさ」「頭痛」「神経痛」「関節痛」「むくみ」「胃もたれ」「食欲不振」など多岐にわたり、湿度の上昇や気温差などのストレスから自律神経がうまく機能しなくなることが原因といわれています。
この症状に陥っている場合、体に良いからと水分を大量摂取すると余計に体に負担がかかる恐れがあるので、注意が必要です。
代謝とは
ここで言う代謝とは「新陳代謝」の略称になります。水分代謝・筋肉代謝・タンパク質代謝・骨代謝・糖代謝など、水分や筋肉・タンパク質・筋肉などそれぞれが分解と再生を繰り返し、私たちの体はできています。
例えば筋肉代謝は、筋力トレーニングで筋肉の破壊と再生を繰り返し筋肉代謝をすることにより筋肉量を増やします。
骨を強くするためにカルシウムを摂り太陽の光を浴びてビタミンDを増やすと良いとされていますが、これも骨代謝としては運動をして「分解と再生(代謝)」が必要です。また、「脂質代謝異常(高脂血症)」は、体内で脂質代謝がうまく調節できなくなったり、食事として体内に入ってくる脂質の量が多くなり過ぎて、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセライド(中性脂肪)が多くなりすぎている状態のことを言います。※またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態が続く病気。
このように代謝は私たちの体にはとても大切な作用です。体の60%を占める水分(体液)代謝がいかに大切かがわかりますね。
AUTHOR
半田葉子
バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_
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