争いごとは避けたい派?かみ合わない会話に苦しくなったとき…手助けになる呼吸法

 争いごとは避けたい派?かみ合わない会話に苦しくなったとき…手助けになる呼吸法
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今回ご紹介するアドバンスプラーナヤーマは、あなたや家族や友人らが建設的な方法で意見を交換し合える手助けをします。誰もがそれを必要としているのではないでしょうか?

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かみ合わない会話に苦しくなったとき…手助けになる呼吸法

今回ご紹介するアドバンスプラーナヤーマは、相手と対立している時に起こる反応や判断から先に進みたい時や解決したい時、パートナーや友人や家族と一緒に行うことができます。より深い会話を誰かとしながら、同じ呼吸パターンを続けます。

心にフォーカスすることで、この呼吸パターンは身体に詰まった感情やエネルギーを表現したり、動かしたりすることを可能にし、多くの埋れた感情や体内の物質の排出も促せます。パートナーこのワークを行うのは確かにチャレンジングかもしれませんが、最終的にはもっとクリアにお互いのことに耳を傾けられるようになるのです。また、その場に居て両者を観察するだけの第三者を招いても良いでしょう。

この呼吸はペースが速いため、特に最初のうち、息継ぎするのが大変に感じるかもしれません。酸素をかなり必要とするこの呼吸は、動くエネルギーと組み合わさって、手、足、および口の周りにうずきやけいれん、または緊張を引き起こすことがあります。少し立ちくらみさえ感じるかもしれません。やり進めていくにつれてラクになりますが、この呼吸は自分には手に負えない、と考えるのではなく、敢えて選んで行っているのだ、と自分の体に意識させる良いチャンスとして捉えると良いでしょう。この呼吸にコミットすることで、心に湧き起こる全てを切り抜けることができるようになり、あなたとあなたの体が強い感情や感覚をかじ取りできるという自信が育まれるでしょう。

この実践中、トリガーを引いたり、強い感情が生じたりした場合は必要に応じて、遠慮なく怒鳴ったり、泣いたり、表現したりしましょう。その時、パートナーはただ見守るだけで何もする必要はありません。

何が起こってもこの呼吸パターンを続けることにより、私たちが日常呼吸している際に無意識的にやってしまいがちな呼吸の収縮や減速パターンを打ち破ります。また、困難な状況下で自暴自棄を打ち破る強力な実践にもなり得るでしょう。これをきっかけにあなたの体を再び信じ、自らを抱きしめましょう。困難な状況が起こることで、自分自身をぎゅっと抱きしめたくなるかもしれませんし、自らの手で再びグラウンドしたくなるかもしれません。

プラーナヤーマのための準備

このエクササイズにはコミットメントが必要で約45分かかります。 またコップ1杯の水、タイム測定用のデバイス、ヨガマットまたはブランケット、ノートが必要です。

このエクササイズは困難な感情が生じる可能性があるため、すでに強固な信頼関係にある人とのみ行ってください。呼吸を始める前に、自分の意図を考え、お互いにそれを共有しましょう。

このエクササイズの前後には水を飲んでください。お腹が一杯な状態で実践しないことをお勧めしますが、必要に応じて事前に軽食をとることは構いません。

3つの実践

積極的に呼吸を行う時間として20分間タイマーをセットしてください。パートナーと同じ部屋に、それぞれにある程度のスペースをとった状態で、ヨガマットまたはブランケットの上に横たわります。必要に応じて目を閉じてください。これにより、気が散ることなくあなたの内なる体験へと誘います。

(1)ペースの速いアクティブな呼吸から始めよう

このアクティブな呼吸パターンは、2つの吸う呼吸パートと1つの吐く呼吸パートとに分かれ、ヒーラーであり、ティーチャーでもあるデヴィッド・エリオットさんが指導を行っています。彼はあえてその呼吸に名前をつけないことによって世界中に広がり、自由に使ってもらいたいと考えています。

この呼吸は独特で口を開けて行い、ペースが速めで、全身に活気が溢れ、充実感を覚えるでしょう。長くゆっくりと鼻から息を吸い込み、口から1〜2分間息を吐きます。吸い込むとき、あなたの体の重さが体の表面へと触れ、入っていくのを感じてください。吐く呼吸で、より快適になれるよう調整しましょう。

アクティブな呼吸を始める前に、片方の手をお腹に置き、もう一方の手を胸に置きます。お腹と胸に膨らんでいく風船があるのを想像してみてください。エクササイズのアクティブな動きと共に口が少し開いてくるでしょう。

口を少し開いた状態で、短く速く息を吸い込み、お腹を膨らませます。その後すぐに2回目に短く速く息を吸い、胸を広げます。手の下でお腹から胸へと息が動くのを感じましょう。素早く息を吐き、息を少し止めて、息をお腹に戻し、次に胸へと戻します。各吸う呼吸は約2カウント、吐く呼吸は約3カウントにしましょう。

感情と身体の感覚の波に乗りながら、15〜20分間のアクティブな呼吸パターンを続けます。無理に心の葛藤について考えず、むしろ、あなたの体をじっくりと感じ、そこに存在するもの、生きているものについてフォーカスしてみましょう。

(2)安静時の呼吸を始めよう

先ほどの速い呼吸を止め、口を閉じます。最初に行った長くてゆっくりとした呼吸に戻ります。5分間続けます。

ゆっくりと座ってください。数分間、少しめまいがすることがあります。相手と向き合って足を組んで座ったり、椅子に座ったりしましょう。

(3)ディスカッションしよう

お互いのディスカッションには5分から10分かかります。必要に応じて、以下に紹介するプロンプト(セリフのようなもの)を使用しても良いでしょう。一人一人が途切れることなく順番を共有できるようにします。自分の経験から、非難したり、要求したりするのではなく、感情や個人的なニーズについて話すように最善を尽くしてください。セッション後、すぐに休めるよう、共有した情報は心に閉まっておきましょう。

ディスカッションのためのヒント

相手と交互に沸き起こった感情について何でも話しましょう。もし可能であれば、体のどの部分にそれを感じたかを詳しく説明しましょう。
例えば:あなたと共に抱えているこの葛藤について考えたとき、私は下腹部に深い悲しみを感じ、胸に恐怖を感じました。

相手は特に応答せず、各人がシェアします。各人がシェアしたら、もう一人はお礼の返事をすると良いでしょう、

例えば:私のことを信じて打ち明けてくれてありがとう。

交互に、自分が抱えている修復すべきことをシェアしましょう。その目的は、それぞれがコミットできる小さくて実行可能なことを知ることです。

例えば:私が運転中に道に迷ってあなたが私に当たり散らしたとしたら、私は怖くて明確に物事を考えられなくなるかもしれない。もしそんなことが起こったら、5分間静かにしてもらえるかな?そうすれば私たちはクールダウンして状況に対処できると思う。

代わりの選択肢を提案するなら、“いいえ”と答えても大丈夫。相手との共通点を見出すには何度かの話し合いが必要になるかもしれません。沸き起こってくるいくつかの考えをお互いシェアし、お互いにある程度の合意をしたら、次のようなことを言いながら、お互い感謝と愛を与え合います:

あなたの好きなところは・・・。
または、
私のために今回の方法に協力してくれてありがとう・・・。

アフターケア

昼夜問わず、時間をかけて真摯にあなたの体と向き合いましょう。これは、栄養のある食べ物を摂取すること、たくさんの水を飲むこと、入浴すること、または創造的で芸術的な実践に従事することを意味するかもしれません。心に沸き起こるものすべてに適応するにはある程度時間がかかりますが、この呼吸ワークセッションの後の数日間で沸き起こる何に対してもしっかり意識を払いましょう。あなたのパートナーと離れて一人の時間を少し設けたければ、そうしても良いでしょう。

あなた自身の経験を書くことは、実践中に沸き起こるどんなことにも対応できる有効な手段となるでしょう。

教えてくれたのは・・・ジェニファー・パターソンさん
ジェニファー・パターソンさんは全米ヨガアライアンス認定(ERYT500)の経験豊富なヨガティーチャーであり、国際ヨガセラピスト協会(CYT-IAYT)認定ヨガセラピストでもある。25年以上のヨガの指導経験を持ち、ニーズに応じた指導を行っている。グループセッションのみならず、プライベートセッションとセミプライベートセッション、またセラピューティックヨガも行っている。彼女のヨガスタイルは、誰にでも気軽でわかりやすく、実践しやすく、且つ遊び心と思いやりに溢れ、公平なことが特徴だ。https://www.livingyogawithjen.com/

本文はジェニファー・パターソンさんによる著書「The Power of Breathwork(呼吸の力)」からの抜粋です。彼女の新しい著書では、あなたの人生を喜び、創造性、感情的な解放などへと導く27のエクササイズを紹介しています。パターソンさんは、グリーフワーカー(喪の作業に携わる人)としての経験とほんの少しの伝統的な知恵を持って、人々が人生における突然の出来事に立ち向かう準備の手助けをします。詳しくはcorpusritual.comで彼女の実績をご覧ください。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Are You Conflict Avoidant? Here’s How to Breathe Through Uncomfortable Conversations

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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By JENNIFER PATTERSON
Translated by Hanae Yamaguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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