ヨガとEDの関係:ヨガはバイアグラの代わりになるのか?

 ヨガとEDの関係:ヨガはバイアグラの代わりになるのか?
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医薬品に代わるさまざまな方法がED(勃起障害)の治療に有効であることがわかってきた。運動や、ストレス管理、セックス療法、そしてヨガだ。

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バイアグラが売り出されて以来、EDの問題はベッドルームを飛び出して私たちの前に姿を表している。ボブ・ドール(※アメリカの政治家で、バイアグラの愛好家であり広告に登場したことがある)と野心的な宣伝のおかげで、EDはごく普通の言葉になったが、ほとんどの男性が軽視している症状であることに変わりはない。全男性の30%が一度はEDを経験したことがあり、加齢とともにその危険は劇的に高まっているというのにだ。

しかし、顔面紅潮、頭痛、胃もたれなどの副作用が高頻度で発生するリスクがあるにもかかわらず、最も人気のある治療法となっている。バイアグラだけが治療の選択肢ではない。運動やストレス管理、セックス療法、それにヨガも含めたさまざまな方法が、効果的であることがわかってきている。少なからぬ研究によって、特定のポーズが体と心によい影響を及ぼし、それがEDの予防と治療に役立つ可能性があることが示唆されている。

勃起には神経系と心血管系がともに関わっている。カリフォルニア州フェアオークスのセックスセラピスト、ルアン・ウェスト博士によれば、勃起はリラックスして弛緩することから始まるという。弛緩によって血液が体の中央にとどまり、ストレス下に置かれた時(闘争か逃走か反応)のように腕や足に向かわずに、男性器に流れるようになる。弛緩状態から性的興奮状態に移ると、血液を男性器に運ぶ動脈を囲んでいる平滑筋細胞が、神経刺激によって弛緩する。これによって動脈が開き、男性器に余分な血液が流入して勃起が起きる。(バイアグラは、陰茎動脈の膨張を促進することによって有効に作用する)

大きな不安やストレスは、勃起するために欠かせない弛緩を妨げるため、EDの一因になると考えられている。また、ヨガを行うことによって、深いリラックス状態に入ることができる。生理学と薬理学に関するインドの医学雑誌『Indian Journal of Physiology and Pharmacology(1999年43号)』に発表された研究では、医学部生50人の不安のレベルを測定したのちヨガの練習を始めさせたところ、学生たちの不安のレベルが有意に減少したことがわかった。「不安は勃起に関する多くの問題の一因になっています」と、カリフォルニア州のセックスセラピスト、パーロ・アルトは語る。また、月1回発行されているオンラインニュースレター『Sexual Intelligence』の発行者、マーティー・クレイン博士は自分の患者にヨガを勧めている。「ヨガによってストレスが軽減するので、EDの予防と治療に役立つのです」

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Text by Michael Castleman
Translated by Setsuko Mori



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