世界的に有名なヨガ指導者に聞く心の整え方|思考に秘められたパワー
マインドが変われば人生は変わる
脳科学者たちは、私たちの多くが習慣的に繰り返すネガティブな思考パターンを、脳の「初期モードネットワーク」と呼んでいる。瞑想は(シロシビンやLSDなどの精神活性成分もそうだが)、そのネットワークを分断し、私たちがマインドと呼ぶ繊細な知性の領域に存在する無限のパワーに触れることを可能にしてくれる。そうなれば、私たちはコントロールの利かない心のおしゃべり(ヴリッティ)に、もはや惑わされなくなるのだ。
ヨガの賢者たちは、はるか昔からこのことに気づいていた。貴重なヴェーダーンタの経典では、こう述べられている。「意識に思考を加えたものはマインドであり、意識から思考を差し引いたものは神である」。この急進的な考えは、19世紀に初めてインドの教えに触れた西洋の思想家たちにも影響を与えた。ラルフ・ウォルドー・エマソンやウィリアム・ジェイムズなどの実用主義の理想主義者たちは想像力の持つ計り知れないパワーを理解し、自分たちの可能性を制限する考えからマインドを解放できれば、人生は劇的に変わると気づいていた。
日課として瞑想で自分の思考を整えれば、人生が変わる可能性はさらに開かれる。
たとえば、毎朝瞑想の間に「私は集中し、気づき、愛します」と意図していると、アファメーションがその日の動作や行動や考え方に影響を及ぼしているとわかるようになる。もちろん忘れることも何度もあるだろうが、しばらくして思い返すと、思考によってマインドの環境が変わっていることに気づくだろう。以前よりも集中力や気づきや愛情が増しているに違いない。
つまり、微細な意識の集まりをより美しい形に整えるのだ。ビジュアライゼーションの力を利用して、自分自身やほかの人に豊かさや成功が訪れるイメージを描いたり、質問を投げてインスピレーションを受け取ることも可能だ。ほかの人に恵みを与え、人々が互いに思いやり地球を慈しむ世界を想像することもできる。
思考の持つ壮大なエネルギーを一度実感すれば、自分の意識によって場の雰囲気や家族、組織、政治分野にさえも変化をもたらす繊細なパワーの使い手になれるだろう。少なくとも1960年代からスポーツ心理学者たちは、完璧なサーブを思い描くテニス選手はそれを実現できる確率が高いことに気づいていた。また私たちも、成功を信じれば達成できる可能性に大きな違いが生まれることを知っている。意識の一部である自分の想像力を巧みに使えるようになれば、この原理を人生のあらゆる面に応用できるようになる。また、その願いがほかの人や世界のためであれば、思考は想像以上のパワーを発揮する。
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