世界的に有名なヨガ指導者に聞く心の整え方|思考に秘められたパワー
エネルギーの使い手になる
この実践は瞑想とともに行うのが効果的だ。瞑想の最後の5分間を、自分の人生を好転させる意志を育てる時間にあてるといいだろう。地球を癒す光景や、大切な誰かのための祈りでマインドを満たしてみよう。実践を始める前に、まずは少し時間をとって自分が実現したいことを確認しよう。現在形でそれらを書き出したら、これから数週間の間に変化が起こると信じる。
たとえば、私の友人は小さな非営利団体を始めた時、次のように意図した。「私の人生は、愛と親密さと豊かさに満ちています。この町の学校にもっと芸術と音楽とダンスをもたらすために力を貸してくれる大切な友人に囲まれています」。そして友人と私たちは、2017年までに州のすべての公立学校に芸術プログラムを導入できることになった。彼女は2013年にこの意志をノートに書き、すぐにノートをなくしてしまった。その2年後に引き出しの底でノートを発見した彼女は、書き出した意志のすべてが実現していることに気づいた。
もちろん、その結果を出すために彼女は全力を尽くしたが、彼女の意志は単なる心のエクササイズに終わらず、彼女の仕事の方向づけをしてくれたのだ。
そこでおすすめしたいのが次の方法だ。
実践してみよう
座った状態で数分間瞑想をしながら、こんな風に自問しよう。「最高善や自分自身、家族、世界のために、私は何を創りたいだろう?」。思いつくものを書き出し、それを簡潔かつパワフルに言い表せるような意志や祈りを決めたら、瞑想に取り込んでみよう。
まずは普段の練習のように座り、呼吸やマントラなどによって集中した状態に入る。少しの間自分の思考を観察しよう。どのように思考が湧き、消えていくだろうか。これらの思考はエネルギーであり、すべての思考に現実を変える潜在的な力があることを思い出そう。
ここで何かひとつ、シンプルな思考に意識を向けて、自然に消えていくまで追ってみよう。たとえば「愛しています」などのポジティブな思考か、少なくともニュートラルな思考がいいだろう。私はよく、シンプルな「I am」マントラを唱えて集中している。やがて、その言葉やフレーズに集中するうちに、思考が消えた瞬間にわずかな合間ができることに気づくだろう。
次の新しい思考が湧き起こる前の静かな一瞬に意識を集中し、あらかじめ決めておいた意志をここで思い浮かべる。必ず現在形であることを忘れずに。
その意志が完全に実現して満足しながら暮らしている自分を想像しよう。人生が豊かさに満ちている様子や、すべての人々が十分に食べられる世界、自分の娘が行きたがっている学校で新しい友達と楽しく過ごしたりキャンパスを歩く様子を想像しよう。
自分の意志とそれが実現したイメージに集中しながら数回呼吸を行ったら、すべてを手放して呼吸に意識を戻し、鼻腔を出入りする空気の流れを感じてみる。あるいは、意志が消えた後のマインドのスペースを感じながら今ここにいる瞬間を味わう。散在する思考やエネルギーのある思考が消えていくこのスペースは思考の源であり、創造力に満ちている。マインドの中心部は静かでありながら、絶えず何かを生み出している。自分のマインドが秘めている創造力に畏敬の念を抱こう。そして今一度、生来備わっているその潜在力を成長や自己変革、そして世界を癒すために使う意志を固めよう。
教えてくれたのは…サリー・ケンプトン
世界的に有名な瞑想とヨガ哲学の指導者。著書に『Meditation for the Love of It』『Awakening Shakti』がある。
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