帰省後、数日たっても疲れが抜けない…「更年期だから」で片づける前に考えたいこと

帰省後、数日たっても疲れが抜けない…「更年期だから」で片づける前に考えたいこと
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高本玲代
高本玲代
2026-08-20

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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夏休みやお盆休みになると、旅行や帰省など、普段とは違う予定が増える方も多いと思います。

久しぶりに家族に会ったり、いつもとは違う場所へ出かけたり。

楽しみにしていたはずなのに、家に帰ってきた途端、どっと疲れが出てしまった。

翌日になっても起き上がれない。

数日経ってもなかなかいつもの調子に戻らない。

更年期の女性のご相談にのっていると、旅行や帰省などのあとに体調を崩してしまった、というお話を聞くことがあります。

そんなとき、

「やっぱり体力がなくなったんでしょうか」

「以前はこれくらい平気だったんですけど」

と言われることも少なくありません。

もちろん、更年期になって以前より疲れやすくなった、回復に時間がかかるようになった、ということもあるでしょう。

でも私は、旅行や帰省のあとに疲れてしまったときには、もう少し分けて考えてみてもいいのではないかと思っています。

なぜなら、「疲れた」という同じ結果になっていても、その理由が違えば、次にやることも変わってくるからです。

本当に「体力」だけの問題でしょうか

まず考えてみてほしいのは、

「今回の疲れは、身体的なものが大きかったのか。それとも精神的なものが大きかったのか」

ということです。

たとえば、旅行に行く前から体調があまり良くなかった。

暑さで食欲が落ちていた。

睡眠不足が続いていた。

そこへ長時間の移動があり、朝から夜まで予定を入れていた。

普段よりたくさん歩いた。

こうした状況なら、身体的な負担が大きかった可能性があります。

この場合に必要なのは、「もっと人に気を遣わないようにしよう」ということではありません。

そもそも今の自分の身体に対して、スケジュールが合っていたのかを考える必要があります。

以前なら朝から晩まで出かけられたとしても、今も同じようにできるとは限りません。

だからといって「もう年だから」と諦めるということでもありません。

今の自分なら、どのくらい動けるのか。

移動した日は予定を入れないほうがいいのか。

2泊するところを3泊にしたほうが楽なのか。

帰宅した翌日は予定を空けておいたほうがいいのか。

「以前の自分」を基準にするのではなく、今の身体に合わせて予定を組み直してみる。

身体的に弱っているときには、こちらのほうが大切です。

帰省
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「それほど動いていないのに疲れた」なら

一方で、こんなケースもあります。

それほど歩いたわけでもない。

睡眠もある程度とれていた。

予定をぎっしり入れていたわけでもない。

それなのに、帰ってきたらものすごく疲れている。

こういうときには、身体とは別のところで消耗していなかったかを振り返ってみます。

実際に相談者の方のお話を聞いていると、帰省などでとても多いのが、

「周りに気を遣いすぎていた」

「ずっと相手のペースに合わせていた」

ということです。

たとえば夫の実家へ帰省したとします。

起きる時間も、食事の時間も、出かける時間も、自分の家とは違います。

本当は朝はゆっくりしたいけれど、みんなが起きているから起きる。

それほどお腹が空いていなくても、「どうぞ」と勧められたら食べる。

少し疲れて休みたいけれど、みんなが話しているところで自分だけ部屋へ行くのも申し訳ない。

出かける予定にも、「私はいいです」とはなかなか言いにくい。

そして何より、

「感じよくしておかなければ」

「せっかく来たのだから」

「場の雰囲気を悪くしたくない」

と、ずっと周りを見ながら過ごしている。

一つひとつは小さなことです。

でも、それが朝から晩まで何日も続いたらどうでしょう。

自分では「何もしていない」と思っていても、ずっと相手に合わせ続けています。

帰宅した途端にどっと疲れが出るのは、こうしたことも関係しているかもしれません。

「気を遣わなければいい」は現実的ではない

では、

「もっと自分らしく過ごせばいい」

「人に気を遣うのをやめましょう」

と言えば解決するのでしょうか。

私は、そんなに簡単ではないと思っています。

たとえば夫の実家に行って、

「私は私なので、いつも通りに過ごします」

というわけには、なかなかいきませんよね。

自分の家ではありませんし、相手との関係性もあります。

食事を用意してもらったり、泊めてもらったりしていれば、当然ある程度は相手に合わせることも必要でしょう。

ですから、「もっと自分を出さなければ」と考える必要はありません。

それもまた、別の意味で自分に無理をさせることになってしまいます。

私がおすすめしたいのは、もっと小さなことです。

今回の帰省で「一つだけ」やってみる

たとえば次に帰省するとき、

「今回は一つだけ、いつもと違うことをしてみよう」

と決めてみます。

本当は少し横になりたいと思ったら、

「ちょっと疲れたので、30分くらい休んできます」

と言ってみる。

みんなが出かけることになったとき、疲れていたら、

「私は今回はここで休んでいます」

と言ってみる。

食事をたくさん勧められたら、

「ありがとうございます。でも、もうお腹いっぱいなので」

と一度だけ断ってみる。

あるいは、朝みんなが起きていても、自分はもう少しゆっくりしてみる。

何でも構いません。

ポイントは、いきなり「自分らしく振る舞う」ことを目標にしないことです。

今までできなかったことを、一つだけ試してみる。

それくらいでいいと思います。

相手の反応を「答え」にしない

そして、ここでもう一つ大切なことがあります。

何かを言ったとき、相手がどう反応するかはわかりません。

「もちろん、ゆっくり休んで」

と言ってくれるかもしれません。

反対に、

「あら、せっかくみんなで行くのに」

と言われるかもしれません。

ここで相手の反応にこちらまで反応して、

「やっぱり言わなければよかった」

「嫌われたかもしれない」

「次からは我慢しよう」

と結論を出してしまうと、また元に戻ってしまいます。

相手がどう思うかと、自分がどうするかは、いったん分けて考えてみてください。

相手には相手の考えがあります。

こちらが今までと違うことをすれば、少し驚くこともあるでしょう。

それだけで「失敗」と決めなくてもいいのです。

ゲームのように、自分の境界線を探してみる

私は、こういうときは少しゲーム感覚を取り入れてみてもいいと思っています。

「今回はどこまでいけるかな」

と、自分の境界線を探ってみるのです。

たとえば、

30分一人で休むことはできた。

でも、みんなが出かけるのを断るのはまだ難しかった。

食事を断ることは思ったより平気だった。

義理の両親には言いづらかったけれど、夫には「今日は疲れた」と言えた。

そんなふうに、自分の中にも「できること」と「まだ難しいこと」があります。

それを知るだけでも十分です。

うまくいくか、いかないかは別です。

今回は言えなかったとしても、

「私はこういう場面になると、かなり相手に合わせるんだな」

と気づくことができれば、それも一つの収穫です。

逆に、

「絶対に嫌な顔をされると思っていたけれど、言ってみたら意外と大丈夫だった」

ということもあるかもしれません。

こういう小さな経験を積み重ねながら、

「ここまではいける」

「この領域はまだ難しい」

と探っていく。

そう考えると、帰省も少し違って見えてくるのではないでしょうか。

帰省後に疲れたら、「何に疲れた?」と考えてみる

旅行や帰省から戻ってぐったりしていると、

「また体調が悪くなった」

「やっぱり私は体力がない」

と考えてしまいがちです。

でも、そこで一度、

「私は今回、何に疲れたんだろう」

と振り返ってみてください。

身体そのものが弱っているところに、無理なスケジュールを重ねてしまったのでしょうか。

それとも、身体以上に、人に気を遣ったり、相手のペースに合わせ続けたりしたことで消耗したのでしょうか。

もちろん、両方ということもあります。

大切なのは、全部を「更年期だから」「体力がなくなったから」で片付けないことです。

身体的に弱っているのであれば、今の自分に無理のないスケジュールを考える。

人に合わせすぎて疲れているのであれば、次回は一つだけ、自分の希望を優先する場面を作ってみる。

対策はそれぞれ違います。

そして、帰省先でいきなり「自分全開」になる必要もありません。

今年できることを、一つだけ。

うまくいくかどうかを気にしすぎず、

「今回はここまでできた」

「これはまだ難しかった」

と、自分の境界線を少しずつ探してみる。

旅行や帰省は、普段とは違う環境だからこそ、自分がどんなときに無理をして、どんなときに人に合わせすぎているのかがよく見える機会でもあります。

帰ってきたあとに「疲れた」で終わらせるのではなく、

「今回の私は、何に一番疲れたんだろう?」

そんなふうに一度振り返ってみてください。

その答えがわかってくると、次の旅行や帰省では、今までより少しだけ自分に無理をさせない過ごし方が見つかるかもしれません。

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