帰省の車、新幹線、飛行機…夏の長時間移動で血栓ができやすい人の特徴とは|医師が解説

帰省の車、新幹線、飛行機…夏の長時間移動で血栓ができやすい人の特徴とは|医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-08-05

夏休みやお盆の帰省シーズンは、車や新幹線、飛行機で長時間移動する人が増えます。楽しい旅行や帰省の一方で、この時期に注意したいのが「血栓(血のかたまり)」です。夏の長時間移動で血栓ができやすい人の特徴や予防法、危険なサインについて医師が解説します。

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なぜ夏の長時間移動で血栓ができやすいの?

特に夏は、汗による脱水と長時間座り続けることが重なり、血栓ができやすい条件がそろいます。できた血栓が肺へ流れると、「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」を引き起こし、命に関わることもあります。

血液は通常、スムーズに全身を流れています。

しかし、長時間同じ姿勢で座り続けると、足の筋肉を動かす機会が減り、足の静脈に血液がたまりやすくなります。

さらに夏は大量の汗をかきやすく、脱水によって血液中の水分が減少し、血液が濃くなります。

この「血液の流れが悪くなること」と「脱水」が重なることで、足の深い静脈に血栓ができやすくなるのです。

血栓ができやすい人の特徴

誰にでも起こる可能性がありますが、特に注意が必要なのは次のような方です。

  • 65歳以上の高齢者
  • 肥満の方
  • 喫煙習慣がある方
  • 妊娠中・産後間もない方
  • がんの治療中の方
  • 過去に血栓症を起こしたことがある方
  • 下肢静脈瘤がある方
  • 心不全や慢性腎臓病などの持病がある方
  • 女性ホルモン製剤(低用量ピルやホルモン補充療法など)を使用している方

これらに加え、真夏の長時間移動では、健康な人でも血栓ができるリスクが高まります。

飛行機だけではない「エコノミークラス症候群」

「エコノミークラス症候群」という名前から、飛行機だけの病気と思われがちです。

しかし実際には、

・車での長距離運転や同乗
・新幹線
・高速バス
・フェリー
・長時間の映画鑑賞やデスクワーク

など、長時間ほとんど動かない状況であれば、どこでも起こる可能性があります。

特に渋滞にはまって何時間も動けない車内では、水分補給やトイレを我慢しがちになるため、さらにリスクが高まります。

こんな症状は血栓のサインかもしれない

足の静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」では、

  • 片脚だけが腫れる
  • 片脚だけが痛む
  • ふくらはぎに張りや痛みがある
  • 足が赤くなる
  • 足に熱感がある

といった症状がみられます。

「両足ではなく、片脚だけ」という点が大きな特徴です。

これらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

息苦しさや胸の痛みは緊急事態

足にできた血栓が血流に乗って肺へ流れると、「肺血栓塞栓症」を発症します。

すると、

  • 突然の息切れ
  • 胸の痛み
  • 呼吸が苦しい
  • 動悸
  • 血の混じった痰
  • 失神

などの症状が現れることがあります。

肺血栓塞栓症は命に関わる病気です。

長時間移動後にこれらの症状が現れた場合は、すぐに救急車を要請してください。

長時間移動でできる予防法

血栓を予防するためには、血液の流れを良くすることが大切です。

移動中は、

⚫︎1~2時間に一度は立ち上がって歩く
⚫︎足首を上下に動かす
⚫︎ふくらはぎの筋肉を意識して動かす
⚫︎こまめに水分を補給する
⚫︎アルコールの飲み過ぎに注意する
⚫︎ゆったりした服装を選ぶ

ことを心掛けましょう。

ふくらはぎ
photo/Adobe Stock

弾性ストッキング(着圧ソックス)が勧められる場合もありますが、持病のある方は使用前に医師へ相談すると安心です。

「少し休めば治る」と思わないこと

足のむくみや痛みは、疲労や筋肉痛と勘違いされることがあります。

しかし、

片脚だけが急に腫れた

痛みが続く

息苦しさや胸痛を伴う

といった症状は、血栓症の可能性があります。

「様子を見よう」と自己判断せず、早めに医療機関を受診することが重要です。

まとめ

夏の長時間移動では、脱水と座りっぱなしが重なることで、足の静脈に血栓ができやすくなります。飛行機だけでなく、車や新幹線、高速バスなどでも起こる可能性があり、誰にでも起こり得る病気です。

特に、片脚だけの腫れや痛みは深部静脈血栓症のサインであり、さらに突然の息苦しさや胸の痛み、失神などがあれば、肺血栓塞栓症を疑う必要があります。

夏の帰省や旅行では、「こまめな水分補給」と「定期的に足を動かすこと」を意識し、危険な症状があれば速やかに医療機関を受診しましょう。早めの対応が、重篤な合併症を防ぐことにつながります。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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